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イベント記録 やたいだん きのコさん編(1/3)恋愛の愛と仕事の愛の違いとは?

 この記事はモテアマス三軒茶屋で2023年3月3日に行われたオンライン対談の記録になります。

語り手紹介

高橋かずひろ(以下かずひろ) カオスライフ発起人、3月3日にはグットニート養成講座を受けていた。

きのコ ポリアモリーな文筆家として、恋愛・セックス・パートナーシップ・コミュニケーション等をテーマに発信している。
SNS:
https://twitter.com/kinoko1027


かずひろ
 はじめまして、簡単に僕の事を自己紹介すると、現在グットニート養成講座を受けていてその一環で「愛される」をテーマにしたイベントを開いています。
 以前はマジ恋というリアル恋愛リアリティーショーを作っていて、一昨年に始まったのですが去年、大物ユーチューバーの都市ボーイズさんが紹介してくれたおかげで人気が出ました。現在は少し落ち着いています。本日はよろしくお願いします。

きのコ
 恋愛とか愛とか性について、考えたり喋ったり読んだり書いたりを生業にしている人間です。
 LGBT当事者でありポリアモリー当事者でもあり、特にポリアモリーとしてどうしても複数の人を好きになってしまってパートナーも何人かいるんですけれども、そのように生きている自分を発信したり、そのことについて本に書いたりしながら10年以上活動しています。
 「愛される」をテーマにするということで、普段とはまた違う切り口で話せることを期待しています。

恋愛上での愛、仕事上での愛

かずひろ
 仕事と愛の関係性が今回のテーマなのですが恋愛上の愛と仕事上での愛がリンクしたりすることはありますか?

きのコ
 それはあると思います。「そこは違う」って振り分けている人の方が多いんじゃないかしらって思うんですけれども、私は恋愛的な好意のあり方と、仕事を一緒にやっていく中での愛する・愛されるというのはリンクしているというか、あまりそこを区別するという発想はないですね。
 私にとっては恋愛をするパートナーと性愛関係にあるパートナーとビジネス関係のある方は同等に重要だったりするので、恋愛・性愛において愛されるということと仕事において愛されるということは等しく大事で、同じ人からそうされるってこともあれば、違う人たちから愛されるということもある気がしています。

かずひろ
 なんか興味深いな。僕はあんまり仕事っていうか、やっている活動がある程度愛されて「高橋君これやれない?」とリアル恋愛リアリティーショーの話が来たりとかはあるのですが、恋愛上で愛されたりとかは、謎にパーティーで知り合った女の人からいきなり電話が「会えない?」とかかってきて、愛っぽいのかな?と思ったことがありました。
 恋愛と仕事の愛は関係を比較するぐらい両方愛されたいと思うのですけれど今のところないです。

 仕事が僕の場合だとお金が発生する仕事があまり発生していなくて、自分の存在をアピールする活動が中心です。この対談もそうですし自己PRのために作ったポスターを見た人たちから「イベントをするのでポスターのデザインを真似してもいいですか?」と話が来たときはうれしかったです。

 「どうしてもかずひろが必要」と呼ばれる状態になることが仕事の面でも恋愛の面でも大事かなと思いますね。なんか僕の人生の反省会みたいになっちゃっているんですけれども。

きのコ
 「必要」って何だろう?仕事の上で必要とされることと、恋愛の上で相手に必要とされることって違うのかな?仕事でも恋愛でも、あなたが必要だってのは言いますよね。

かずひろ
 そうですね、僕は仕事か恋愛かってデジタル的に考えてしまうところがあって、基本的に仕事がある程度うまくいってから恋愛をやっていこうっていう考え方です。
 どうしてうまくいってない時にマジ恋のオファーを受けちゃったのか?って言うと「この企画は目立つ能力があるな。」ってマジ恋の企画を見て思っていて「それならうまくいってない恋愛でも見世物として価値がある。有名になってパワーアップしてから本当の恋愛をやってもいいかな。」という風に僕は考えたんです。
 マジ恋のメンバーの中でも意見が違ったりとか20代から60代までメンバーがいるんでぶつかり合いとかが結構あったりしていて、肝心の恋愛面でも「あなたがいないとダメ」となる以前のお互いをよく知るフェーズにまずいってなくて。話が合う人がいない、そもそも出会いそのものがないみたいな状態になっちゃっていて、、

きのコ
 私の場合だと、仕事の愛と恋愛の愛はすごく近いところにいるので「恋愛的に好きになった人とすぐ仕事したくなる」というのはあるんですよ。「仕事的に好きな人を恋愛的にも好きになりやすい」っていうのもあって……

 私はあまり「愛され」に興味をもってないので、愛する側の話をしてしまいがちですけれども、なんか「仕事で好きな人は恋愛的にも好きになりやすい」というのはあります。とはいえ「恋愛的にも好きだけどコイツ仕事できねえな、マジで無能だな」みたいなことも全然ありますが。
 仕事上の愛はやっぱり機能的ですよね、「役に立つ」とか。たぶん恋愛の愛なら「あなたは役に立つから愛している」っていうのはよろしくない、相手のあり方そのものを受け止めるのが恋愛である、とは言われがちですけども、私的にそんなことはないと思っていて、なんだろう?

 私もかずひろさんもわりと自分コンテンツ系じゃないですか。自分の発信とか自分の活動とかがそのままお金になったらいいな、みたいなタイプの仕事をしていて、愛されることが仕事みたいな、ファンに愛されることで利益が出るビジネスモデルになっていると思っていて、そこって恋愛の愛と違うのかな。
 さっきマジ恋のYouTubeで「やっているうちに慣れが発生しておもしろくなくなる」という話があったのですが、恋愛の愛だったら別に慣れてもよくね?ってことも、YouTubeだと愛されなくなっていくみたいな……

パンダは家で飼いたくない

かずひろ
 そうですね、マジ恋はいろんな人が見ているけど「実際に恋愛どうなっているの?」って聞かれると、恋愛は今のところうまくいってなくて動物園の動物みたいに見られているのかなって自分のことを思っていて、
 パンダが好きな人でも「家で飼いたいですか?」って聞かれると「見るのは好きだけど飼うのはちょっと遠慮します。」ってほとんどの人は答えると思うんです。マジ恋の企画自体もそういう風に見られちゃっているのかなーっていうのがあって、見ている人が増えても「この人たちと恋愛するのはちょっと、、、」みたいな感じになっていて、実際にマジ恋がある程度有名になった後で「合コンしたいです。」とメッセージをくれた人がいて、マジ恋のメンバーの変なところが好きでおもしろがって合コンに参加してくれたのかなって思ったら実際に会ってみると全然違って普通の女の人と同じような考え方でびっくりした事が一回あります。
 意外と「この人たちは見るのは楽しいけど一緒にいるのは嫌」みたいな感じで見られていて漫画のキャラクターみたいに思われちゃってる面があるのかな「合コンをしている男たちはキャラクターを演じてんの?素なの?」みたいな。

きのコ
 コンテンツやキャラクターとしては愛されていても、自分の人生に迎え入れたい、この人の人生に自分がコミットして一緒に歩もう、とかそういう愛され方をしているわけじゃない感じでしょうか?

かずひろ
 そうなんです。

きのコ
 それは私も全く同じ状況ですね。私はポリアモリーとして複数人と合意をもって付き合うライフスタイルの話をして10年以上経ちますけれども、コンテンツとして、すごいねーとか、面白いね!とか、そんな人もいるんだねー、とか言われるけれども「そんな私と恋愛したいか?」って言われたら、いや難しそうだよねーって敬遠されがちで。あと単純にポリアモリー界隈で、私が悪目立ちと言うか顔バレしすぎているので、その私のパートナーになるというのはすごくハードル上がっちゃっていて、やっぱり人生かけてコミットしようという風に近づいてきてくれる人がなかなかいないな。
 なんかそういう「おもしろがられてファンにはなってくれるけど、恋愛的に愛されるところまでは踏み込んでもらえない」というのは私とかずひろさんの中では似てるのかなって気がしました。

かずひろ
 そうですね。僕の場合「かずひろおもしろいね。」って口では褒めてもらえるけど、その後なかなか発展しないなーみたいなところが結構あると思っていて、一個のコミュニティに入ってそこそこ愛されて「いいやつだね」って言われてるけど、いいやつで終わっちゃってるなーって、それ以上例えば「これやりましょう」と新しい事を提案してもなかなか発展性がなくて、しょうがないから活動の拠点を変えてといったことを繰り返していて、その中でもここのモテアマスのコミュニティは例外的に学ぶ要素が多いので自分にしては長く続いてます。人間を見てくれるところが好きです。
 たくさんの人が私を見てくれる事はあるのですが、客寄せパンダ的に作ったコンテンツを見て終わっちゃうみたいな事がよくあります。

きのコ
 それは本当に自分事としても全く同じですね。自分をコンテンツとしてずっと発信してきてますけど、コンテンツとして自分がある意味完成されていて、研ぎ澄まされていってしまって、キャラが固まっちゃったところがあって。ある程度SNSでは意図的にキャラクターを作っている面ももちろんあるのですが、それを見られていると、そこから先の関係の深化がなかなかない、みたいなところがありますね。
 私の場合だとオンラインでの発信とオフラインでの見せ方をすごく変えているんで、オフラインのイベントもたくさんやっているから、オフラインのイベントで私に会ってもらって「きのコさん、Twitterと全然違いますね」となって、そこから仲良くなっていったりはあります。
 でも立場的にやっぱり、イベント主催者とその参加者みたいな権力関係がある場所で出会ってしまうと、たとえ好意をもったりもたれたりしてもそこからの発展がめちゃめちゃお互いに難しいと感じていて。自分のことを誰も知らない場所でゼロから愛し愛されたいってよく思うんですけれども、自分のことを知らない人の世界ってモノガミー(一対一の恋愛をする人)の世界だからそこは苦しい……みたいな、個人的には詰んでるって感じがしますね。

続く

対談会場 モテアマス三軒茶屋
2023年3月3日
語り手 高橋かずひろ きのコ

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