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自伝”光の啓示”「第4章 チベットにて『身口意時輪具足曼荼羅』をまなぶ」

こんにちは、現在は世界初の新技法「ホログラムズコラージュ」のパイオニアとして活動しているTakayuki Hibinoと申します。

定期購読マガジン「光の啓示」では、1989年の夏、私がアート活動を始めたきっかけになった光の啓示から現在に至るまでの経験や出来事を記憶にある限り綴っていく実話です。

世界情勢が急激に変化していく中で、16歳からきびしい世の中をサバイバルしてきた私の経験が少しでもあなたにお役に立てれば幸いです。

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第4章 上海進出!のつづき 身口意時輪具足曼荼羅


翌日は、チベット密教の総本山 ジョカンジ(大聖寺)へ
ジョカンジ正門前では、沢山の人々が五体投地をしていた。
ここはチベット密教徒の巡礼の終着地点なのだ。

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神聖というよりは、尊い場所という印象。
ジョカンジの中へ入った途端、
壁一面のチベット密教仏画、
中央には金ピカな大仏、
そして、上の天井画になな、なんと!

身口意時輪具足曼荼羅が天上一面にドーーーン!と
描かれていた。

マンダラ01

天井画といえば京都の建仁寺の、
法堂天井に描かれた大双龍図や
天龍寺の雲龍図、禅寺の龍図など、
龍が多い。

もちろんそれらの天井画も迫力満点ではあるが、
身口意時輪具足曼荼羅は神聖幾何学的な構図に
鮮やかな色彩で描かれていた。

その迫力に、しばし言葉が出ず、
ずっと天井をながめて、眼にしっかり焼きつけた。

チベットの仏像は金ピカ、
チョベット曼荼羅も色が鮮やか。

なぜとこんなに色が鮮やかなのか、
それは、この土地のせいだろう。
ここは、標高が高いせいで不毛の地、
日本の自然の景色といえば緑の山々や草花、
田園風景などの豊かな自然だが、
ここチベットはゴロゴロに石の山、
自然の景色にあまり色がない。

人間はまわりに色がないと、色を欲するのということだ。
それで精神に異常をきたないように、
自然にバランスをとっているということだ。

基本的な色はタルチョー(チベットの五色の祈祷旗)にみるとおり、
五色の順番は青・白・赤・緑・黄の順に決まっており、それぞれが天・風・火・水・地、すなわち五大を表現する。
いわゆる五大要素が使われている。

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チベットの砂曼荼羅も、五大要素の思想に基づいて描かれている。
チベットでは、色が重要な役割をしていることがわかる。

チベットきた最大の目的は、
本物の曼荼羅をみて学ぶこと。

ここチベットにきて、
曼荼羅はいろんなもので作られているのを見て学んだ。

布に岩絵の具で描いてある曼荼羅、
砂で描く砂曼荼羅、
刺繍の曼荼羅。
布に染料で描く曼荼羅。
版画で作られている曼荼羅。
オブジェのように立体造形で表現されている立体曼陀羅、etc
いろんな技法で表現されている。

ホログラムズコラージュの曼荼羅もありということを確信した。
いつか、ホログラムズコラージュで制作した
身口意時輪具足曼荼羅をジョカンジに奉納したい。

ジョカンジを出ると、2人のチベット人が話しかけてきた。
通訳に聞くと、自分たちが首にかけている
チベットビーズの首飾りを私に渡したいといっていた。

もの売りなのか。
いやいや、それは自分たちの大事なチベタンビーズの
首飾りではないか、そんな大切なものを売るのか。
私はそんな大切なものをいただくわけにはいかないと
そう通訳に伝えてもらうと、
「これは龍眼(りゅうがん)です。お金はいらない、
ダライラマの御加護がありますように、あなたに渡したい」の一点張り。

うわ、またダライラマ御加護。
そして「龍眼」。
ここにきても「龍」。

ポタラ宮の僧侶といい、このチベット人たちといい、
偶然なのか、必然なのか、
チベットの聖地にきてこれはやばいがしょうがない、
こりゃ、いただくまでは放してもらえないようだのなで、
ありがたく受け取った。

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画像は、いただいたチベタンビーズと龍眼ビーズをリメイクしたアクセサリー作品
龍眼ビーズのブレスレットと象牙(ガネーシャ神の牙)とチベタンビーズの
ネックレス。

本物のチベタンビーズと龍眼ビーズ。
何とも言えない感覚。
私はいったい何者なのだ。
私の役割はいったいなんだろう。
アーティストとして、ただ問題提議を作品にして
発表するだけではなく、なにかもっと違う役割がるのではないか、
そうだとしたら、
私はなにを伝えればいいのだろうか・・・・・。

手に取った首飾をながめながら、考え込んでしまうのでした。



つづく

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