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ダーウィンの海、歩くリチウムイオン電池【テンパレポート】

※ただの学生が書いた課題意見文です。文章の拙さ等は、ご了承ください。目次を作ったところ、うまくいかなかったので自作で目次作ります。

今回のテーマは、「リチウムイオン電池の開発研究、それに伴う辛苦について」です。

<目次>
・introduction
・body
・conclusion
・参考文献


【Introduction~リチウムイオン電池のカオスの縁~】 

 皆さんは、覚えているだろうか?2019年にノーベル化学賞を受賞した吉野彰さんを。そして、彼がたどった苦難の道のりを少しでも耳に入れたことはあるだろうか?。 
 今回論じていくのは、大きく言うと「リチウムイオン電池の開発の軌跡、そしてその関門」である。「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」という聞きなれない専門用語についてもわかりやすく説明していく。(万人にわかりやすいとは言っていない。私もわからないので共に学んでいきましょう!)そしてなにより、このレポート(解説書)を読んだことをきっかけとして少しでも化学に身を傾倒していただければ私は幸いである。この世界のさらなる「知」の広がりを希求してやまない。さっそく本論に入っていこうと思う。 

【Body~エジンバラ~】 

 今回の主役、吉野彰(YOSHINO AKIRA)さんは、旭化成株式会社 名誉フォロー、博士(工学)。彼は、暇な時間を大切にしている。研究に没頭しているときに活動している脳の部分と、何も考えていないと自分で解釈しているときに働いている脳の分野は異なる。彼は、その溝をうまく利用した。つまり、インスピレーション。そんな彼は、常にお客様目線での技術利用を心掛けている。

彼は、従来二次電池に使われていた溶媒である水の代わりに、有機溶媒を使用したことで1.5ボルト以上の電圧がかかった場合に電気分解されてしまう水の弱点を乗り越えた。

(水系電解液から非水系電解液への柔軟なコペルニクス的転回であると感心する。)その結果、1.5ボルトから4ボルト。飛躍的な進化、素晴らしすぎる。また、電池の正極にコバルト酸リチウム(リチウムイオン含有金属酸化物)を使用し、リチウムイオン電池の原型を世界ではじめて確立した。二次電池の小型、軽量化に成功した結果、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ・ビデオ、携帯音楽プレイヤーをはじめとする幅広い電気機器の小型化にも貢献した。 

リチウムイオン電池における、「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」の説明に移っていく。

これら三つの概念は、物質的な概念ではなく、研究・開発における辛苦、時間等を含めた時間的、空間的、身体的、精神的な概念である。

まずは、「魔の川」だ。(広義「悪魔の川」ともいう。)

要した時間は、1981年~1985年の5年間。辛苦の内容は、ポリアセチレンの研究を起源として、数々のトライアンドエラーの結果、現在の(2019年当時の)リチウムイオン電池の発明にかかわる基礎研究における過程のことだ。まさに、無から有を生み出す創造的な作業に当たるのが「魔の川」である。この過程にかかる年限が5年というのは驚くべき事実ではないか?私にはこれから、研究に励もうと思っている志高き学生を絶望へと向かわせそうな数字にも思えてきた。 

次に、「死の谷」である。

これは基礎研究の成果で見出した新しいモノの製品化、事業化に向けて開発研究の段階に進んでいくが、次から次に課題が噴出して連日連夜対策に追われる日々が何年も続くという、修行のようなジレンマ的、いやもはや過労死ラインを超えそうな辛苦のことである。1年間の受験勉強のも耐えられず、つい甘いお菓子を頬張ってしまう、そんな私たち学生の一部にとっては目を遠ざけたくなる事実である。これにも5年の歳月がかかっている。「魔の川」と合計して10年。この研究開発に人生をかける、相当な覚悟が必要になる。圧巻である。 

最後は、最も困難とされている「ダーウィンの海」である。

これも吉野彰さんの場合、5年かかっている。開発研究で残された課題を解決し、念願の商品化となる、では、終わらない。工場が完成し、新製品が世に出ていくことになるが、世の中の人は「リチウムイオン電池」という新しい概念に懐疑的かつ保守的であるのでなかなか買ってくれない。価値をわかってくれない。市場が確立されるまでまた。長年の歳月がかかる。もう、15年。ここまで読んでくださっている皆さんは中学生になってしまった。「ダーウィンの海」では、多額の研究開発投資、工場建設費用投資が発生しているのにも関わらず、新製品が売れず、赤字。これは、痛い。

しかし、、、

革命が巻き起こる。それは、1995年のこと。Windows95の発売である。この年から、mobile‐IT社会が始まった。それが始まるためには、多くの技術要素が必要なのは自明なことでそこで、「リチウムイオン電池」の需要が生まれたのだ。それは、「小型化」への力の意思ともいえるだろう。こうして。「ダーウィンの海」を乗り越え、その約24年後、吉野彰さん含む研究チームにノーベル化学賞が授与された。 

【Conclusion〜目覚める自我〜】 

 さて、これまで吉野彰さんがたどってきた幾多の辛苦を段階別に説明した。「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」、それぞれ起業家がたどる道そのもの、いいや、誰でも何かを成し遂げたいと決断したその日から、実を結ぶための過程そのものであると私は考える。

「楽して世界は変えられない」

そのことをひしひしと感じた課題のテーマであった。ずいぶん楽しみながら執筆できた気がする。わかりやすい、の定義は曖昧で一つに定めることは難しそうであるが、執筆者の私の解釈では小学5年生が読める、くらいがちょうどいいように思う。きっと、その根拠となる部分はあの、某テレビ番組からきているのかもしれない。私自身もその確証はない。これを読んだ人、全員が「ダーウィンの海」に溺れてしまうくらい深い、脳の複雑な機構の仕組みがこの根拠を与えたに違いない。

私は、そう信じる。 



 
【参考資料】 
「ダーウィンの海」についての一考察 リチウムイオン電池発明から市場形成まで|2017年12月|産学官連携ジャーナル (jst.go.jp) 
 
ノーベル化学賞 吉野彰さん 開発秘話と未来への思い - NHK クローズアップ現代 全記録 
 
ノーベル化学賞の吉野彰さん「3つの壁、乗り越えてほしい」 若者にメッセージ - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト 
  
吉野彰が超えた3つの壁----「悪魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」 | sharonamebaのブログ (ameblo.jp) 
 
 
 

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