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新しい教育のために探究のインフラを整える

学校外に中高生が個人単位で安心して参加できる探究学習の包括的サポート機関を設立したい。性差や年齢に関係なく、「自分のプロジェクトを立ち上げてチャレンジできる」ように背を押してあげたい。行動一歩手前の子どもたちに対するエンパワメントがあれば、課題先進国である本邦の明るい未来が開けてくる。

学校改革のためのハードル
①従来型受験学力を中心に考える教員が多い
②教員組織・理事会・保護者とステークホルダーが多い。意思決定には強いリーダーシップと慎重な議論の積み重ねが必要となり、小回りが利きにくい。対象が学級・コース・学年単位だと学習活動導入の意思決定に時間がかかる上、改革に対して消極的な関係者を説得する困難に何度も見舞われる。
③学校にも家庭にも、時間・場所・人材・資金のリソースがない(時間割的制約・教員の多忙化・安全管理への配慮・教育に対する公的支出の寡少さ…挑戦を見送る理由に満ちている)。
④新陳代謝が速い。生徒も教員もどんどん入れ替わる。新しい考えが文化として根づきにくく、ふとすると目的が忘れられて制度がもとのあり方に戻ってしまう。学校内部で革新的な取り組みを設計してもリーダーが変わると元通りになってしまうことがある。
⑤課題意識を持つ教員は先進的教育を実施している学校に移ってしまう。課題を抱えた保守的な学校は変わりにくい。
⑥生徒たちの中で意欲の格差が広がっている。従来型の受験学力を重視する親や教員から絶えず「ペーパーテストに注力して課外活動を取り止めようとする圧力」を受けている(または、活動をほどほどにやらせた上で出来るだけ早く足を洗わせて大学受験の準備に向かわせたいと思っている大人が周囲にとても多く、いつも受験へと促されている)。
⑦生徒たちの従来型受験学力中心主義を「解毒」して知的好奇心とエージェンシーを育む必要があるが、単発・散漫な企画では決定的な効力を持たない。
⑧意欲の格差に応じて、意欲上位層・意欲中位層・意欲下位層それぞれへマッチしたコンテンツが必要だ。
⑨学校は悉皆(全員一斉)実施を好む傾向があるので、意欲下位層に合わせた活動が選択されやすい。
⑩生徒たちは多忙であり、スケジュールがびっしりと埋められている。また「努力すれば誰にも提出できるように」との教員の「配慮」から、いつも単純かつ非創造的な課題に追われている。

勤務校における生徒の実態
①多忙で不安なので奥手。興味関心ドンピシャにしか反応せず、隣接するキーワードやテーマにフックされない。例えば外食産業に興味があっても、フードデリバリーや内食、冷食には反応しない、など→探究が深まりにくい・広がりにくい。
②教員や保護者、先輩からのメンタリング機会が少ないので、小さな躓きによって探究が止まったままになっていることが多い。モチベーションを賦活されたり、迂回路を探索するねばりを得たりすることが難しい。

提案するソリューション
①どんな学校に通う中高生にも探究を頑張れるリソースとキャリアパスを継続的に提供できる学校外の機関を設けたい。
・個人単位を原則として、安心安全に参加できる仕組み
・仲間を得られるコミュニティへのアクセス
・活動場所や対象となるフィールドへのアクセス(地域社会・企業・大学・自治体)
・活動資金となる奨学金やクラウドファンディング、募金へのアクセス
・発達段階に応じた多様なメンタリングサポート(専門的・キャリア的・カウンセリング的・同僚的)
・コンテストや審査による外部標示的評価の獲得機会
・総合型選抜や課外活動を評価する大学への進学および企業への就職のサポート

②持続可能な支援のためのエコシステムを設計する必要がある。
・やりがい搾取の予防として支援に携わる人々へのメリットの提供
・支援を受けたOBOGに将来サポーターとして還元してもらう
・支援を受けたOBOGにエヴァンジェリストとしてこの取り組みを広告してもらう
・サポーターに対して支援への参与を外部標示できる証明書発行
・伴走者やメンターを増やすための教員・学生・社会人・中高生への研修
・公的資金や募金、出資金の獲得
・生徒のプロジェクトに出資して起業をめざすことでリターンを獲得する

○ルイーダの酒場があれば仲間を集められる
○ジムバッジがあれば第三者から評価される

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