患者さんからよく聞かれる4つの質問への返答内容を紹介
普段、施術を行う中で、よく患者さんから以下の質問を受けます。
私の筋肉はかたいですか?
マッサージや鍼は強い方が効果的ですか?
私の姿勢は悪いですか?
この症状は治りますか?
私の持論は、これらの質問には1+1=2のように明確な答えがないということです。
なぜなら、患者さんの症状、年齢、生活習慣、性格などによって異なるからです。
また、これらの質問は患者さんの今後の体調や施術効果に関わる重要な内容ですので、適切な回答が求められます。
この記事では、これらの質問に対する患者さんの納得と施術効果の向上を目指して、私が実践している方法を紹介します。
本題に入る前に、自己紹介をさせていただきます。
現在は京都で施術所を営んでおります。
では、本題へ進みましょう。
①私の筋肉はかたいですか?
施術者であれば、患者(お客)さんから「私の筋肉は凝っている」と言われた経験があるのではないでしょうか。
このような場合、どのように対応していますか?僕は患者さんの症状や性格に応じて対応を変えています。
①心配性で相手の言葉に敏感な人の場合
大病を患った経験がある
不安や孤独感に襲われやすい
他人の目を気にしやすく自分に自信がない
以上に当てはまる人は、心配性で相手の言葉を敏感に感じやすい印象です。
この様な方に「はい、筋肉めちゃめちゃかたいですよ」と言ってしまうと「やっぱり筋肉がかたいから肩こりや腰痛が出てしまうんだ」と不安にさせてしまいます。
したがって、僕は「質問を質問で返して申し訳ありません。正確なことをお伝えするために、いくつか確認させてください」と前置きをして、
筋肉がかたいとは〇〇さんにとって、どの様な状態ですか?
筋肉がかたいことで、体に不調を感じると思っていますか?
これまで施術を受けた所で、筋肉がかたいと言われたことがありますか?
と確認をしています。
文字数が多くなるので細かい内容は割愛しますが、以上を確認した後「筋肉がかたい=わるいことじゃない」と伝えます。
すると「良かった、安心しました」という反応をいただくことが多いです。
➁ハキハキと話し、スポーツマンのように体格が良い人の場合
建築関係、運送業
趣味がマラソン、ダンス、ヨガ、筋トレなど
考え方が前向きで、細かいことを気にしない
以上の人に「筋肉かたいでしょ!?」と言われた場合「はい、めっちゃ張ってます!かたいですね!」と答えると「そうでしょ、よく言われるんです!」
と患者さんはウキウキして笑顔になられることが多いです。
逆に、「うーん、そんなに硬くないですよ」と答えると、がっかりされることもあります。
特に肉体労働や筋力トレーニングをしている人は、「筋肉が硬い=頑張っている証拠」と感じているかもしれません。
ですので、「これだけ筋肉が硬いと、普段から相当頑張っているんですね」と伝えると、喜んで受け入れてくださることが多いです。
➁マッサージや鍼は強い方が効果的ですか?
こちらもよく聞かれますが、皆さんはいかがでしょうか?
私は患者さんの体質・症状・年齢などによって強い方が(あるいは弱い方が)効くのか、そうでないのかは変わると考えています。
例えば、
体形が痩せ型
睡眠時間が不足
刺激に対して敏感
貧血の症状が出やすい
などの虚弱体質の人に強い施術をおこなってしまうと、施術後ふらつきや吐き気などの症状が出てしまう恐れがあるため、注意が必要でしょう。
仮に施術後、患者さんの体調が悪化したとしても安易に「※好転反応です!」とは言いません。
悪化した要因を患者さんと一緒に探します。
※好転反応は医学用語ではありません。医学的な内容に興味がある方はコチラの記事をご覧ください。
反対に
筋肉質で体格が良い
食欲旺盛で睡眠状態も良好
毎日10時間以上働いても疲れない
カゼを引きにくく冬でも薄着で過ごしている
のような体力が充実している人の場合、強い施術をおこなうと「あー、スッキリした」と喜んでもらえることが多いです。
③私の姿勢は悪いですか?
多くの施術所が姿勢矯正を売りにしており、利用者の多くが姿勢について指摘をされた経験があるため、姿勢に関心を持つのは理解できます。
患者さんから「私の姿勢~」と尋ねられた場合、まず以下の点を確認します。
姿勢について指摘された経験はありますか?
〇〇さんにとって、姿勢が悪いとはどのような状態ですか?
姿勢が悪いとした場合、改善するとどのような影響がありそうですか?
そして、患者さんが誤解していたり、過去の施術者からの影響を受けていたりする場合は、言葉を選んで誤解を解消していきます。
ちなみに、私の姿勢に関する考え方をまとめた記事はこちらです。
④この症状は治りますか?
治る=症状が完全になくなり今後再発しない状態
としたならば、残念ながら、難しい場合があります。
しかし、症状が完全に消失していない場合でも、日常生活に支障がない寛解状態を目指すことは可能だと考えています。
この症状というのは敢えて、皆様のご想像にお任せします。
また、施術者と患者さんが考える「治る」という状態が異なることもあります。
そのため、患者さんから「この症状は治りますか?」と尋ねられた場合、「〇〇さんにとっての治るとはどのような状態ですか?」と問い返します。
そうすると、
今の状態より症状が軽くなれば良い
痛みは0にはならないだろうから、これまで通りの生活を維持したい
痛みをやわらげて、自分の足で買い物や旅行に行けるようになりたい
と、寛解を目指す方が多い印象です。
余談ですが、人間は4つの苦しみを受けると言われており、それが「生」「老」「病」「死」です。
人は生まれたその日から死に向かいます。
長く生きれば筋肉や内臓の働きも衰え、様々な不調が現れるのは避けられません。
患者さんが年齢を重ねても、ラクに生きるためにはどうすれば良いかを試行錯誤することも重要だと考えます。
さいごに
以上、施術中に患者さんから質問を受けることが多い内容を4つ紹介しました。
患者さんから以上の質問を受けた場合、どの様に返答すれば良いのかを考えるきっかけにしていただけると幸いです。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
Xでも鍼灸マッサージや患者さんとの対話について発信しているので、ご覧いただけると嬉しいです。
では、また次の記事でお会いしましょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?