面接で「挫折した事はありますか?」と聞かれて「挫折した事はありません」と答えるのがなぜ好ましくないか?

面接で「挫折した事はありますか?」と聞かれる事が良くあります。

そこで「全ては学びだから、挫折した事はありませんっ!」と<私の辞書に挫折という言葉はないのである>という体で答える方もいらっしゃいます。

私自身も「困難は全て学びだなぁ」と考える人間なので、そういう考えがある事は十分理解致します。
しかし面接の場においていうと、そのように答える事はあまり好ましくないと言えます。

それはなぜでしょうか。

面接官は「挫折から克服したストーリー」を聞きたくてこの質問をしているのです。

なので「挫折した事はありません(キリっ)」で回答が終わってしまうと、面接官が聞きたい事への回答にはなっていないのです。

相手が何を聞きたいかを把握せず、挫折は存在するという前提の面接官に対し、「挫折など存在しないんだ」自説を主張してやり取りが終了してしまいます。

(そして挫折の存在に対して対立構造が生じます。本来の質問の趣旨はそこではないのにも関わらず。。)

コミュニケーションにおいて、相手が何を知りたがっているかを把握して、適切な答えをする事はとても重要です。

「挫折した事はありません」という考えを持っていたとしても、その一言で回答を終えてしまうのは、発達段階でいうと4の前半の方に多いように思います。自説を作り、声高に伝えたいという段階です。

そのタイミングではどうしても自己とエゴが大きくなりがちなので、「人生において挫折という言葉はなく全て学びにしている自分はかっけー!」と主張する事が多くみられます。

友人やプライベートの会話であればそれも良いかもしれないのですが、業務上円滑なコミュニケーションを求められる職場などでは、このような自説を強く持ち、相手への想像力を働かせる努力を放棄している段階の方は上手く周りと強調出来ないと判断され、面接での評価は厳しくなることが多いようです。

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