【受験ノート】受験生と食生活と睡眠

 受験生は、食生活にも、気配りをする必要があります。缶ジュースやお菓子のような高GI(Glycemic Index)食品は、血糖値を一気に上昇させ、その後、急激に下降させます。血糖値の乱高下に、人間は強いストレスを感じます。血糖値が穏やかに変化する低GI食品の方が、望ましいと言えます。蕎麦とか全粒粉パンとか、玄米などが、低GI食品ですが、受験生は、別段、そこまでこだわる必要はありません。ただ、1リットルパックのジュースをがぶ飲みしたり、勉強の合間にお菓子をしょっちゅう食べたりと云った食生活は、不可です。血糖値の乱高下は、集中力の低下に直結しています。

 高3ですと、カフェインを含んだ珈琲、・紅茶などを飲む習慣が、身についてしまっている生徒がいると思います。私も高2くらいから、紅茶を飲んでいます。カフェインの効果は、なくもないんですが、カフェインが切れると、だるくなってしまいます。血糖値を乱高下させる高GI食品と、基本、同じようなもので、高校生には、カフェインを含んだ噌好品は、まあ不要だと言えます。

 水分は、必要です。水分が足りないと、集中力が低下します。夏場の集中力低下の原因は、暑さではなく、水分不足が大きな影響を与えています。少々、暑くても、人間は集中できます。これは、冷房を使わずに、地学室でライブをやり続けて、実証済みです。水筒やベットボトルの水をこまめに飲む、これが、受験生のベーシックなスタイルです。ちなみに、1リットルパックのジュースを、毎日、飲んでいて、難関大に合格した生徒を、私は見たことがありません。

 予備校の帰りに、その日の「締め」で、ラーメンを食べて帰る受験生は、まずいないと思います。受験生に限りませんが、腹八分目は、誰しもが守らなければいけないゴールデンルールです。本当は、もっと減らして、腹三分くらいでも、人間は、普通に健康的に生きて行けます。芸能界には、一食主義者の方が、結構います(たけしさんとか、タモリさんとか、福山雅治さんとか)。一日一食と云うことは、ほぼ腹三分目を実践されていると云うことです。私は、お昼を食べない、二食主義者です。朝は、ほとんど食べませんから、まあ、実質は、1.3食くらいです。人類は、長い間、一日、二食だったんです。食生活について、急に変えることもできないでしょうから、三食食べて、尚かつ食べ過ぎないことに注意すれば、それで充分です。

 就寝の3時間くらい前に、夕食を済ませていることが、理想的です。3時間が厳しければ、2時間前、もう少し譲って、1時間半前でも構いません。夕食後、就寝までの時間が、一時間足らずですと、良質の睡眠は得られません。

 Justの睡眠の時間帯と云うものは、存在しています。それは、PM10:00~AM2:00の時間帯です。ショートスリーパー(ごくたまにいます)の方は、この4時間に睡眠を取れば、心身の疲れは、完全に回復します。将来、外資系のとんでもなく忙しい会社に入って、毎日、信じられないほどの激務をこなす場合、このゴールデンタイムの睡眠を確保できれば、何とか乗り切って行けます(つまりゴールデンタイムを含めて、6、7時間の睡眠です)。ロングスリーパーと云う方も、世の中にはいるそうです(アインシュタインはロングスリーパーで、毎日、10時間は寝ていたそうです。ちなみにショートスリーパーの有名人は、ナポレオンとかエジソンとか)。が、ロングスリーパーでも、ノーマルの方でも、6時間までは、睡眠を圧縮できるそうです(無論、ゴールデンタイムの4時間を確保した上で)。が、そこが限界です。3、4時間のショートスリーパーと云うのは、いわば、持って生まれた才能です。

 ゴールデンタイムも含めて、PM10:00~AM5:00の7時間睡眠が普通の人にとってはベストだと言えます。就寝時刻が遅くなればなるほど、睡眠の質は下がります。アニメとかマンガ、ゲームの業界は、締め切り前になると連日徹夜です。しかし、これは脳生理学的には、ものすごく効率の悪い働き方をしていると言えます。徹夜が続けば、仕事も健康も、すべて負のスパイラルに入ってしまいます。

 就寝前にスマホやパソコンを見てしまうと、寝つけませんし、睡眠の質も下がります。私もやむえず、パソコンを使っていますが、PM6:00以降は、絶対にパソコンの画面は見ません。女房が、バラエティ番組が好きなので、テレビはいつもつけっぱなしですが、私個人は、基本、どうでもいいバラエティ番組の画面は、なるべく見ないようにしています。就寝前の60分間は、音楽を聞くか、紙ベースの本を読むか、どちらかです。今は、寝る直前に、源氏物語の音読をしています。漢文とか英文の音読をすることもあります。新聞や雑誌は、意識も思考も散漫になるので、夜は見ません。

 マツコさんの番組で、光で起きる目覚まし時計と云うものが存在していることを知りました。音で起きるよりも、光で起きた方が、より自然な感じがします。まあ、ですが値段も高く、手が出せそうにないので、普通の目覚まし時計で起きています。起きたら、すぐに窓のカーテンをopenにします。目覚めるためには、自然の光が必要なんです。遮光カーテンを閉めっぱなしにして、部屋の明かりだけつけても、心身はさほど目覚めません。心身がしっかりと目覚めるためには、自然の太陽光がやはり必要です。

 朝食を、しっかり摂らないと、頑張れない的なことを、だいたいみんな、異口同音に言っていますが、現実は、別に、そんなこともありません。水は、必要です。コップ1杯の水を飲めば、脳は活性化します。朝は、野菜ジュースとヨーグルトだけと言った人は、みなさんが思っている以上に、世の中には沢山います。睡眠不足で、朝食を摂るよりは、睡眠を確保して、朝食を摂らない方が、効率的に動けます。睡眠は大切ですが、食事は、粗食、少食に身体は耐えられますし、逆に鍛えられて、健康になります。このへンは、興味があれば、大学に入って、調べてみて下さい。

 午後の集中力を確保するために、Power Nap 制度を導入している会社があります。GoogleとかAppleとか、ナイキと云った意識高い系の企業です。napは、うとうとする昼寝です。実際に昼寝をしなくても、目を閉じて、15分間休息することで、脳は疲れを回復するそうです。学校ですと、お昼休み後の15分間、power nap すれば、集中力は、確かに取り戻せると思います。5、6限の2時間、ずっと寝てしまうと、姿勢も悪いし(つまり血流の流れが悪くなるんです)逆に、頑張れなくなってしまいます。

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