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自#045|ギターやベース、ドラムなどの練習をする努力と、勉強をする努力の本質は、まったく同じ(自由note)

 EduAが、「オンラインが教育を変える」と云うタイトルで、特集をしていました。フロントページには、立教の経営学研究科の院生が、Zoomで授業に参加しているスナップを使っています。大学院ですから、スマホやタブレットで、授業を受けている人はいません。全員、それなりの画面の大きさのノート型パソコンを使用しています。ネット環境さえあれば、どこにいても(日本じゃなくても、all over the world)授業が受けられます。ゴーギャンが最後に住んだのは、タヒチ島ではなく、マルキーズ諸島のヒヴァ・オア島ですが、ヒヴァ・オア島でゴーギャン研究の博士論文を書きながら、必須の授業を、オンラインで受講できるわけです。大学生及び大学院生の自由度は、今後、飛躍的に高まります。もう後戻りするとは考えられません。

 今日の新聞に、コロナの影響で、米英の高等教育機関が、留学生を受け入れることができず、収入が激減していると云う記事が出ていました。アイオワ州にあるグリネル大学の場合、大学の学費と寮費は、年間7万ドル(約750万円)。1年間で、7万ドルは、ちょっと高すぎるかもしれませんが、4~5万ドルくらいは、普通にかかります。平均的なサラリーマンの子弟は、米英の大学、大学院に留学することは、学費&寮費が高すぎて、ちょっと難しそうです。コミュニティカレッジや、語学学校留学なら、まあ何とかって感じです。

 が、オンライン時代になったら、年間5万ドル近くのお金をかけて、留学する必要は、もうないかなって気がします。そもそも、大学の学士、修士の論文を書くくらいのことでしたら、オンラインで、材料を集められる筈です(公開されている授業は沢山あります)リテラシー能力が高ければ、博士論文を書く材料もネットで収集できて、自己のオリジナリティを発揮すれば、充分に書けそうです。

 ところで、オンライン授業の先陣を切ったのは、どうやら立教大学の経営学部の大学院のようです。4月4日にスタートさせています。つまり、緊急事態宣言の3日前です。学部は、4月9日からオンライン授業を始めています。

 ICUも4月9日に、start。準備には、多分、1ヶ月くらいはかかると推定できます。両大学ともに、3月上旬には、オンライン化を決定していたんです。

 立教大学の中原淳先生は、オンライン化することによって、ゼロから授業をつくることになったと仰っています。私自身は、経験してないので、正直、正確にはつかめません。ただ、空気感が違うことは、さすがに解ります。対面授業と同じことをやっても、学生はついて来ません。対面授業は、教室の中に、90分なり100分なり、我慢して座り続けなければいけません。オンラインにはそういう縛りはありません。画面から、一応、離れられないとしても、授業がつまらなければ、当然、別のことをします。中原先生は、学生の集中力を切らさないために、レクチャーを15分の細切りにして、グループワークを入れたり、チャットを活用したりして、学生のリアクションを引き出す工夫が必要ですと、答えています。嫌、これは、本当は対面の授業でも必要だったんです。対面の授業は、大学院生に出席を取ってもらって、学生を管理し、手を抜きまくりの授業をして来たりもしてたんですが、それが、NGだと云うことを、オンライン授業は、先生方に突きつけているんです。都立高校のオンライン化が、即座に実施されるとは考えぬくいんですが、大学の先生も、学生も、オンライン化によって、一気にやるべきことのハードルが高くなったことは、間違いないです。ハードルの高さを意識して、努力、工夫ができなければ、先生も学生も、落ちこぼれて行きます。

 4年前から、完全にオンラインで授業をやっているN高のVR入学式のスナップが、掲載されています。オンライン授業を、VRで実施する。ゲームやエロ動画のVR化はもう、ポピュラーですから、授業をVRで実施することも、そう難しいことではないと思います。N高の生徒数は、現在、1万5千人。オンラインですから、いくらでも生徒は、受け入れられます。

 オンライン化によって、経費は、大幅に削減されます。法文系(法学部、経済学部、社会学部など)の授業料は、正直、これまでも高すぎました。予備校も、オンラインの教材を使って、年間、百万円以上もかかるとかって、正直、「どうよ」とは思ってしまいます。

 ハイスクールラプソディのコーナーには、クイズ王の伊沢拓司さんが、登場しています。伊沢さんは、「全国高等学校クイズ選手権」で、二連覇を達成しています。高1、2の時です。部活は、クイズ研究部。四六時中、クイズのことばかり、考えていたんです。部活の引退は、高2の12月です。部活を引退したので、当然、受験勉強をしなければいけないわけですが、クイズばかりやって来たので、勉強のやり方が、解らなかったそうです。
「勉強と云うものは、どこまでが範囲で、何をしなければいけないのか。さらにいえば、勉強はどうやってやるものなのか。高2の3月までやっていたことは、それらをつかむことです。なんとか、勉強することへの抵抗感をなくして行くと云う期間でした」と、インタビューに答えています。

 正直、びっくりしました。名門受験校の開成の生徒が、受験のウォーミングアップのために3ヶ月も費やしているんです。開成中学校に合格するために、御三家受験の超高いハードルを通過して来ている筈です。が、中学受験とは、違うんです。中学受験は、中学受験のマニュアル本によく書いてあるように、やっぱり母親が9割なんです(今、真珠のネックレスをした佐藤ママの写真が脳裏に浮かびました)。勉強の方法論を考えるために、3月も使いましたが、高3の1年間の受験勉強で、東大の経済学部に現役で合格しています。中学受験時代の基礎力の積み上げがあれば、1年間あれば、東大に合格できると云うことです。

 伊沢さんは、努力の法則は同じだと言っています。つまりクイズで努力する、そのやり方を、受験勉強に投入すればいいんです。伊沢さんは、自分はできなかったが、両立できる人もいると言っています。つまり、両方を同時にやりつつ、共通点から法則性をつかんでいけるタイプだと説明しています。確かに、そうです。ギターやベース、ドラムなどの練習をする努力と、勉強をする努力の本質は、まったく同じです。このことに、はっきりと気がつけば、バンド活動を続けながらも、確実に勉強の実力もつけて行くことができます。

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