【受験ノート】フェリス女学院大学

 フェリス女学院のキャンパスは、山手キャンパスと緑園キャンパスの2つに分かれています。山手キャンパスの方は、イメージ通りの横浜の大学です。最寄り駅は、JR京浜東北線・根岸線の石川駅orみなとみらい線元町・中華街駅です。どちらも、徒歩10分くらい。丘の上にある学校なので、勾配の厳しい坂を登ることになります。こじゃれた勝負服を着て、ハイヒールを履いて、毎日、通学するのはさすがにきついと思います。

 もっとも山手キャンパスには、音楽学部の3、4年生のみ通っています。フェリスの看板の文学部や国際交流学部、音楽部の1、2年生は緑園キャンパスに通っています。フェリスには、2500人くらい学生がいますが、山手キャンパスに通っているのは、せいぜい200人くらいです。あとの2300人は緑園キャンパスです。こっちが実質的なキャンパスです。

 山手キャンパスには元町・中華街駅からですと、港の見える丘公園と外人墓地の聞の谷戸坂を通って、カトリック山手教会の傍を抜け、山手公園のある丘に登って行きます。丘の上の学校からは、横浜港やベイブリッジが見渡せます。まさに、The横浜って感じのキャンパスです。

「じゃあ、緑園って、どこよ?」ってことになると思います。地上27階建てのボアソナードタワーのある法政の市ヶ谷キャシパスと、狭間の奥にある多摩キャンパスとは、まったく違います。それと同じことは、フェリスの山手キャンパスと緑園キャンパスの場合にも言えます。緑園キャンパスは、横浜駅で相鉄本線に乗車して、そこから9駅目の二俣川駅で相鉄いずみ野線に乗り換え、2つ自の緑園都市駅で下車して、駅から正門まで徒歩、3分です。結構、遠くて不便だと思いますが、埼玉や千葉から通って来ている学生も普通にいます。世間的にはお嬢さん学校と思われていますが、附属から進学して来る学生はほとんどいませんし、公立出身者の多い、案外と庶民的な学校です。

 フェリスの音楽学部は、1989年に創設されました。山手キャンパスで開催された学校説明会で、音楽学部の説明を聞いたことがあります。演奏学科の方は、プロミュージャンを養成するわけではなく、音楽の先生やインストラクターを目指す学校だと理解しました(クラシック系ですと、東京芸大か桐朋音大くらいじゃないと、プロはなかなか目指せないと思います)。音楽芸術学科の方は、音楽的な教養について、about かつ幅広く学ぶ学科だと推察できました。専門学校のコンサー卜プロデュース科などに進学するよりは、大学で音楽に関する教養を幅広く学んだ方が、将来的にはつぶしが利くと、断言できます。別段、音楽系に限りませんが、専門学校は、いろんな意味で、リスクが高すぎます。今は音大でも、ポップス系の教養を学ぶコースもありますが、音大は学費が高すぎます。将来、音楽方面で仕事をしたいと考えているとしても、なるべく偏差値の高い大学の行った方が、人脈もできるし、chanceも多いと言えますが、そこまで受験受験をやり抜けない生徒にとっては(音楽の教員の資格も取得できますし)フェリスの音楽芸術学部もありかな、と。

 フェリスは、それなりにGlobalな大学です。交換留学の提携をしている海外の大学は、英語圏だけではなく、フランス、ドイツ、スペイン、中国、韓国、台湾などの学校もあります。語学力をつけるための、インテンシブコースも用意しています。英語力を鍛えたい学生は、英語インテンシブコースを選びますが、英語圏以外の大学に留学するために、フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語・朝鮮語のインテンシブコースも用意しています。語学をまず、ある一定レベルまでレベルアップしておく、これが留学する場合のお約東です。交換留学の場合、留学先の学費は免除されます。Global系の併願校として、フェリスの文学部or国際交流学部を押さえておくのも、ありだと思います。

「For Others」が、建学の精神です。For Othersを実践するために、ボランティア活動を推進し、併せて単位認定もおこなっています。単位をもらうための活動が、ボランティアと言えるのかと云う突っ込みは、取り敢えず、さておきます。

 音楽ボランティアは、高齢者や障害者の方々の施設のイベントで、演奏をする活動です。学習ボランティアは、近くの小学校に定期的に行って、学習支援をする活動です。これをやるのであれば、小学校教諭の免許状が取得できるコースを設置すればいいのにと、思ってしまいます。在日外国籍の子供たちに、日本語を教える活動もしています。ちなみに日本語教員養成講座を受講すれば、どの学科の学生で、あっても、日本語教師を目指すことができます。その他、災害救援活動や、フェアトレード、難民支援、アムネスティインターナショナルなどのNGO活動なども手がけています。

 明治8年に山手に校舎を建設した頃の学校名は、Ferris Seminaryでした。頭文字のFとSを組み合わせて、神の武具である楯の中に収め、校章を作成しています。楯の色は黄色、Sは白、Fは赤の3色を使っています。黄色は希望を、赤は愛を、白は信仰を表しています。つまりこれは、パウロの三元徳を象徴化したものです。心臓にロンギヌスの矢が突き刺さってる系の校章と較べると(聖心女子大の校章がそのタイプです)瀟洒で、すっきりしていると言えます(まあそこは、カトリックとプロテスタントとの違いと云うことだと思いますが)。

 言語センターでは、昼休みに語学カフェを開催しています。語学科目担当教員が、コーディネーターとなって、会話をリードし、その日のトピックに沿って意見を交わすカフェタイムです。こういう試みは、今後、他校でも増えて行くと想像できます。

 言語センターには、約1万点の視聴覚資料(DVDやCD)を揃えています。外国のドラマも豊富にあります。大学生ですから、Sex&Cityとかでも全然、OKだと思いますが、まず日本語字幕で英語をlistentoし、聞き取れなかったと恩われる英単語をメモしておいて、次に英語字幕を見ながら、正しい英語を確認すると云った作業を繰り返して行くと、Sex&Cityを10周くらいすれば、英語を聞く力は、ほぼperfectになります。本気でやる気になれば、英語だけでなく、もう一ヶ国語、仕上げることもできます。二ヶ国語が駆使できれば、間違いなく、人生の勝ち組になります。大学院まで進めば、ギリシャ語、ラテン語のどちらかもマスターできるかもしれません。6年間、語学ばかり徹底的に勉強すればギリシャ語、ラテン語のどちらかを含む、三ヶ国語を使える希有な人材になれます。

 プロテスタント系のミッションスクールですが、キリスト教的な教養も、努力すれば身につきます。毎日、チャペルでは礼拝がありますし、聖書やキリスト教の学びを中心にするワークショップ形式の二泊三日のサマーキャンプもあります。クリスマスのシーズンには、聖歌隊のキャロルや、ハンドベルの演奏も披露されます。聖書研究会と云う聖書を少し読むサークルもあります。山手のフェリスホールでは、アメリカのティラー&ブーディ社が18世紀北ドイツの様式で製作したパイプオルガンがあって、このオルガンの演奏も時々、行われています。

 インカレは慶応系と横国系とに分かれるらしく、慶応系の方がお酒落で華やか、横国系は地味で素朴と云うのは、確かに、あるあるな感じです。

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