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2022年10月の記事一覧
クレーマー・クレーマー
「馬鹿にするなよ貴様! 俺はなあ、五十年も警備員続けてンだ!」
つばを撒き散らしてもお客様。そしてお客様は神様だ。コンビニでタバコの銘柄が分からねえ程度で騒ぐ神様がいるのは参ったが、俺にとっての神は目の前のジジイより店長だ。首にならないように仕事をする。そうしてやり過ごすのが人生だ。
「てめェ! お客様は神様だろーが!! 適当な返事コくんじゃねェ!」
ジジイが唾を飛ばす。それはいい。だが
レコンギスタに添えて
ある宗教が終わろうとしている。
かつて女王であり──神と呼ばれた女は、その顔に刻まれた老木の年輪の如き皺を隠す術をもはや持たず、半狂乱になってそれに平伏し許しを請うた。
即ちそれは紙である。転じてそれは彼女の──彼女らの神であった。特殊樹脂と鉱石を混ぜ合わせてできたそれは、その紙をあらゆる害意から守る。たとえ女がこの場で吹き飛ばされようと、未来永劫残るだろう。
神話に曰く、全知全能た