詩集を出そうかなと思っています

いろいろ思うことがあって、今年じゅうに詩集を出そうと決めました。現在、地道に作業中です。詩を書き始めたころは、死ぬまでに一冊だけ出せたらいいな、出そうか、という感じだったのですが、昨秋、自分の人生においていちばん大切なひとを亡くしたことと、かわいい恋人が、わたしの詩集を読んでみたいと言ってくれたことが、結局は背中を押してくれました。

ただ、わたしは大学の非常勤講師で食いつないでいる身であり、経済的にはまったく余裕がありません。まあ、はっきり言って貧乏です。したがって、自腹を切って、装幀にもこだわるような詩集を出すことはできません。贈呈もほぼ無理です。そこでいろいろ調べて、最終的にはオンデマンド出版にすることにしました。

ちなみに、初の単著である『林芙美子とその時代』を出したときは、奇跡的に80万円の自己負担で済みました。そのときは親に借金しました。後できちんと返済しました。しかしながら、初版500部でさらに500部増刷し、結局1000部出したので、研究書としては成功した方だと思います。

自分の作品について、わたしはいちおう詩だと思って書いていますが、どちらかというと、尊敬する富岡多惠子の言うように「コトバのかたまり」という方が正しいと思います。わたしに才能はありません。ただ、言葉の持つ熱量には、命をかけています。プライドを持っています。果たして買っていただけるのか、不安はありますが、とにかく絶対に損はさせないという気持ちで、いいものを作りたいです。 

わたしは、詩人同士の内輪だけの評価やおべんちゃらにはまったく興味がありません。どこにも所属しない、いわば一匹狼です。わたしは、できれば、苦しんでいるひと、傷ついているひと、ひとりぼっちのひとのために書きたいし、そういう方々に自分の詩を読んでもらいたいです。誰かひとりに伝わればいい。詩なんか読まないひとたちにも、読んでもらいたい。究極、誰を向いているのかで芸術の価値は決まると思います。

というわけで、出版の目処がついたら、またあらためてお知らせいたします。皆さま、どうかよろしくお願いいたします。完成したものを、お手にとっていただけたら、こんなにうれしいことはありません。とにかく、がんばります。

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