後悔する、素敵じゃない
昨日、考え事をしながらラジオを聴いていたら、大黒摩季さんの楽曲である『煌めく瞬間に捕われて』が流れてきた。
アニメ『SLAM DUNK-スラムダンク-』のEDテーマにも起用されていたこの曲は昔から好きだったが、久しぶりに聴いていて曲中の歌詞にある
後悔する、素敵じゃない
というフレーズを耳にした時、今までは感じていなかった気持ちになった。
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僕は、いつの頃からか『後悔しないように人生を生きなければ』と思うようになっていた。
今も若干その気質はあるが、昔は恐ろしいくらいに引っ込み思案で自分の意見を言えず、加えて優柔不断でハッキリしない部分があったため、周囲に流されて選択してしまったことが結構ある。
要領が悪くて不器用で、何をするにも時間がかかってしまうので、最終的に上手くいかず失敗してばかりで、後悔ばかりしてきた。
後悔の厄介なところは、『後悔する前には決して戻れない』ということだ。
当たり前だが、過ぎ去ってしまった時間をさかのぼって修正することはできない。どれだけ現在と未来で取り戻そうとしても、過去を修正することができない以上、後悔は消えることが無い。
そして後悔した出来事というのは、大抵の場合自分の記憶にずっと残り続ける。ふとした時にその出来事を思い出しては、今更どうしようもないことだと自分に言い聞かせるしかない。
だから、僕はもう後悔はしたくないし、しないように頑張らなければいけないと気を張って生きるようになった。
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でも昨日あの歌詞に触れた時、「もういいんじゃないか」と思った。
これまでずっと後悔しないように生きてきたけれど、それは同時に『後悔しちゃいけない』というある種の呪縛みたいなものになっていた。
自分自身でも分からないうちに、これが枷となって常に頑張らないといけないという考えに囚われていたように思う。
確かに人生において、頑張ることは良いことだ。でも、頑張らなくたっていい時もあるし、どれだけベストを尽くしても後悔することはきっとある。
こんな単純で簡単なことを、自分は認めたくないと躍起になっていたかもしれない。本当は後悔してるのに「あれも良い経験だった」と無理に取り繕ってきたことがあるだろう。
もういい加減、しっかり向き合って認めてあげよう。
あれは間違いなく後悔だった。でも、後悔だって悪いことじゃない。
あの曲の歌詞だって、こう続いている。
あふれだす涙が美しければ、人はまた終わらぬ旅に時を費やせるから
たくさん後悔して、たくさん泣いて。
泣き終わったら、そこからまた歩いていけばいい。
どれだけ躓いてしまったとしても、最後には立ち上がって前に進めていればそれでいい。
それが人生ってもんだろう。
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