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論文と物語の違い

おはようございます!
 
世界最古の文学とされる
ギルガメッシュ叙事詩があります。
 
紀元前3200年頃に
粘土板3000枚に書かれた文書ですから、
今から5000年前で、
聖書よりもかなり前の物語です。
 
読んでみると、結構、
今の感覚で読めるものです。
 
都市の暴君ギルガメッシュは、
人民をひたすら働かせ、城壁を作ります。
人民は、家族に会うこともできないほどに
働かされます。
現代でもよく見る光景です。
 
一方で、野獣そのもののエンキドウが
ギルガメッシュを懲らしめるために
神より遣わされます。
 
暴れ放題のエンキドウは、
見眼麗しい女性になだめすかされて
ギルガメッシュのもとに連れて行かれます。
現代でも時々見る光景です。
 
ギルガメッシュとエンキドウは、
会ったそばから掴み合いの大ゲンカです。
しかし、さんざんやりあったところで、
お互いに友情が芽生えます。
友情をもとに、二人は都市での仕事を捨て、
冒険の旅に出ます。
まるでアニメのワンピースのようです。
 
冒険の旅は、
永遠の命を求めることが目的です。
現代の医療業界のようです。
 
永遠の命は手に入ったかに思えたのですが、
最後の最後で
手の中から滑り落ちてしまいます。
等々。
 
このくらいにとどめますが、
この手の話がてんこ盛りです。
物語は雄弁です。
 
経営コンサルタントですと、
論旨はFact & Logicに縛られます。
業界分析は、3C'sといって
Customer, Competiter & Company
に分けて整理するといった
フレームワークが使われます。
 
経営学を論じている時に、
いきなり倫理学を持ちだしたり、
心理学を持ちだしたりすることは
簡単ではありません。
不可能ではないですが、
なぜ新しい観点を持ち込むのかの
合理的な説明が求められます。
結果として、
経営学の中だけの論理展開に
縛られてしまいます。
 
しかし、物語りアプローチですと、
経営学の中に、
倫理学や心理学も持ち込むことは
比較的容易です。
そこには、日常生活の観点から、
まあ、そういうこともあるよねと
ナチュラルに感じられさえすれば
持ち込めます。
 
真面目に城壁づくりをやってたけど、
友情から突然、
冒険に出ていってしまうことは、
まあ、どうかと思いますが、
人間ならばありえます。
 
仕事に友情ってなんだよ
と言われそうですが、
仕事って意外と
そういうところから始まります。
 
合理的な接点のなさそうな観点や価値観を
一つのところに混ぜることができるのが、
物語アプローチの良いところで、
 
その方が自然であることも多いでしょう。
 
今日もよろしくお願いします。
 
安島

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