#2「耐震性」について
こんにちは。
高知県香美市で「世代を超えた家族の幸せ」
をコンセプトに工務店をしている
タカタワークス株式会社と申します。
今回から#1自己紹介でお話をした、
建物の基本性能の内私たちが大切にしている
「耐震性」 「耐久性」 「断熱」 「気密」 「換気」
の詳しい話をしていこうと思います。
その中でも今回は「耐震性」のお話です。
「耐震性」とは
そもそも建築物が地震に耐えるようにする
手段として基本的には
「耐震」 「制震」 「免震」
の3つが挙げられます。
・「耐震」
一般的にどんな建築物にも採用される
手段の1つになります。
耐力壁と呼ばれる筋交いや構造用面材を
金物等で接合させバランスよく配置し
地震力に対応する手法です。
・「制振」
建物内部で揺れの力を吸収する手段になります。
主に制震ダンパーと呼ばれるものを壁の中に配置し、
揺れを熱エネルギーに変換し力を弱める手法です。
・「免震」
建物外部で揺れの力を吸収する手段になります。
主に建物と基礎の間にゴムでできた
免震装置を配置し、揺れの力を建物に
伝えないといった手法です。
「免震」は莫大な費用が掛かることから
主に公共建築物や高層の建築物に採用されます。
(高知県では県庁舎や
土佐中・高等学校などに採用されています。)
住宅で採用が多いのは
「耐震」と「制震」になります。
耐震等級
最近はテレビでもよく目にするようになった
耐震等級のお話です。
これは上記の「耐震」の性能がどれぐらいか
という評価になり、地震に対して構造躯体の倒壊、
崩壊のしにくさを表示します。
現在耐震等級は1~3まであり、
耐震等級3が最高ランクになります。
耐震等級1は建築基準法で定められた、
数百年に一度発生する地震に
一度耐えられる強さになります。
耐震等級2はその1.25倍の強さ、
耐震等級3はその1.5倍の強さです。
消防署や警察署など公共の建築物は
基本的に耐震等級3に相当します。
また、自社で耐震等級3を明示するだけでなく、
第三者機関が認める公平な評価認定
「住宅性能評価書」の交付を受けると明確な根拠となり、
より安心です。
構造計算
では耐震等級3を取得していれば安心
ということでもなく、実は計算方法によって
耐震等級3にもグレードが存在します。
住宅では主に
「仕様規定」「性能表示計算」「許容応力度計算」
の3つの計算方法があります。
・「仕様規定」
建築基準法の中での計算方法であり、
壁量計算、四分割法、N値計算
というものを行います。
こちらで取得できる認定は耐震等級1までの
簡易的な計算方法になります。
・「性能表示計算」
品確法の中での計算方法であり、上記の仕様規定での
計算に加え床・屋根倍率に応じた
接合部の確認や建築物を4m×4m程度のグリッドに分け、
横架材や基礎の検討を行います。
耐震等級2か3を認定するには
この計算方法になります。
・「許容応力度計算」
性能表示計算でチェックした項目を
さらに詳細にしたもので、柱、梁、基礎などすべての部位、
部材1つ1つの応力を計算する方法です。
複雑で費用も掛かる計算ですが、
建築物はより地震に強くなります。
同じ耐震等級3でも、
「性能表示計算」と「許容応力度計算」では
柱や梁の数や大きさ、耐力壁とよばれる揺れに抵抗する
壁の量が変わってきます。
安心して長く住まわれることを考えると
「許容応力度計算」
は必須であると私たちは考えています。
工法
木造住宅の中でも大きく分けると主に
「軸組工法」と「枠組壁工法」
の2つがあります。
・「軸組工法」
一般的にはこの工法が採用されており
馴染みのあるものだと思います。
昔ながらの柱と梁を加工しながら
つなぎ合わせていく工法です。
メリット
○大工さんが慣れているため施工が容易
○自治体によっては補助金が利用できる
デメリット
○金物の箇所の断熱欠損が起こりやすい
○設計ルールが曖昧なため設計者や大工さんにより
構造強度にばらつきが出る
・「枠組壁工法」
ツーバイ工法とも呼ばれる工法です。
モノコック構造という壁、床、天井が
一体化した箱型を構成する構造になります。
メリット
○設計ルールが確立されているため現場ごとに
構造強度のばらつきが少ない
○構造上気密、断熱施工が容易
デメリット
○防火構造の認定が少ない
○慣れていない大工さんだと垂直水平が出しにくい
ほかにも様々なメリットデメリットがありますが、
許容応力度計算での耐震等級3や、
断熱欠損や気密がとりにくい箇所の
施工等がしっかりとしていれば
基本的にはどちらでも構いません。
「制震」
タカタワークスではまだ採用した
事例がないのですが、基本的には
オプションのようなものだと考えています。
制震ダンパー単体での採用ではなく、
構造計算をしっかりとした上での採用がマストです。
タカタワークスの標準仕様
以上「耐震性」についてお話してきましたが、
それをふまえ私たちは以下を標準仕様としています。
・許容応力度計算での耐震等級3
・枠組壁工法
軸組工法の中の金物工法と制震ダンパーは
施主様の希望に合わせ採用可能です。
まとめ
「耐震性」とは命に直接関わる
最重要項目の一つです。
しかし、お家が倒壊するという
可能性を軽く考えている
建築業界の方も少なくありません。
またいくら許容応力度計算での
耐震等級3でも施工が悪ければ
机上の空論で簡単に倒壊します。
私たちも地震大国である日本で
建築に携わる会社として
知識を深めていきたいと考えています。
ご意見やご質問等は
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