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iCARE開発部の歴史を振り返ってみた

iCAREでVPoEをしております安田です。
iCARE開発部では、この5月に荻野CTOに就任し、大きな体制変更も行いました。

体制変更は、
* 開発メンバーの増加に伴い、より充実したマネジメント層が必要となった
* マネジメント層を増やし、それに伴いチームを分割した
という事情によるものです。

この大きな体制変更を迎えるに当たり、どのような経緯を経てiCARE開発部が今の状態まで成長してきたのか振り返ってみたいと思います。
なお、iCARE開発部の歴史は、HISTORYページでも公開しております。そちらもよろしければ御覧ください。

iCARE設立〜Carelyローンチまで

株式会社iCAREは2011年6月設立なので、今年(2011年)6月でちょうど10年になります。
自分は2017年10月(約3年7ヶ月前)にiCAREにジョインしたので、それ以前の約6年半のことは正確には知りませんが、それ以前のことも含めて自分が知る限りのことも含めて書いてみたいと思います。

今のiCAREのサービスCarelyがローンチされたのは2016年3月(約5年2ヶ月前)。
Carelyという同じサービス名でありながら、開発陣はベトナムのオフショア。サービスも「従業員」のための「オンライン保健室として売り出していました。
現在Carelyは、内製チームが開発しており、かつ「人事・産業医」の方々の健康労務をサポートするシステムとして売り出しており、同じ名前ではありながら、大きく異る姿のプロダクトであったことがわかります。

ここにはプロダクトマーケットフィットを探りながら、MVPを継続的に作り続けてきた弊社開発の歴史が伺えます。

ちなみにCarely以前では、従業員のエンゲージメント向上を計るSalesforceアプリを開発した時期もあったそうです。
それぞれプロダクトとしては大きく異なってはいるものの「働く人と組織の健康を創る」という弊社のVISIONが一貫して変わらないことがわかります。

石野ジョイン〜Carelyフルリニューアル

2017年2月(約4年3ヶ月前)、現COO石野がiCAREにCTOとしてジョインしました。今のiCARE開発部は実質ここから出発したと言っても過言ではないと思います。
ここではっきりとそれまでの開発組織のあり方、開発手法が見直されました。
それまではビジネスパーソンが開発のことをよくわからないままにオフショアに開発を任せてプロダクトが開発されていました。
それが、オフショア開発が内製チームに置き換えられ、プロダクトのKPIが収集されるようになり、一気にビジネスアイデアが正確にプロダクトに反映されるようになりました。

自分がiCAREにジョインしたのが2017年10月なので、石野ジョインの8ヶ月後になります。
現テックリードのうっちーはその時点で業務委託として開発に参画しており、いっせいくんも2017年9月にジョイン。今の開発部およびCarelyのコア部分を作ったメンバーは大体この頃に揃ったと言えるかと思います。

2017年12月(約3年5ヶ月前)、Carelyがフルリニューアルされました。
それまで二つのシステムとして非効率に開発していたものが、改修、統合され一つのシステムになり、一気に開発が進めやすくなりました。
このリリースの時は徹夜(人によっては2徹?)したり、僕がSQL書き間違えていて、何時間経ってもデータ移行が完了しないのになかなか気づけなかったり、翌日朦朧とした頭で動作確認をしたり、大変でしたが今となっては楽しい思い出ですねw
ちなみに自分はiCAREではこの時以降は徹夜してません。健康的ですね。
これと前後して、CI、IaC、Docker、ドキュメント管理、issue管理、スクラム導入といった開発の効率化、開発手法の標準化が進められました。

プロダクトマーケットフィットを見つける

リニューアル時点では
- 健康情報配信
- チャット
- ストレスチェック
がCarelyの主要機能でしたが、その後、
- 面談管理
- 過重労働管理
- 健診管理
- 衛生委員会議事録
と企業が健康労務に関する法令遵守、業務効率化をする上で必要な機能を追加していきました。

iCAREはそれまでチャットなどを通して「従業員」の健康に直接アプローチしようしていました。
そのプロダクトの方向性を「人事・産業医の健康労務を効率化」する方向にシフトしていきました。組織と働くひとの健康づくりを「間接的に」実現する方向にシフトしたのです。
iCAREがプロダクトマーケットフィットを見つけ出し、導入企業数の増加を加速させたのもこの時期です。

デザイナーのチーム化

機能が増え、顧客も増えるという成長の中で、開発部も順風満帆だったかと言うとそうではありませんでした。
開発組織上の大きな問題として、デザイナー・コーダーが定着しない、という問題がありました。
エンジニア主体な開発の中でデザイナー・コーダーがうまく適合できないという側面はあったと思われます。

この問題については二つの大きな転機があったと思います。
一つが、デザイナーたかさんの加入(2018年12月)、そしてVue.jsの導入(2018年3月)です。

たかさんがそれまでのデザイナーさんと一線を画していたのは、POの意図を汲み取る能力でした。
その一つが圧倒的なスピードの実現。そして品質も非常に高い。
Carelyがどんどん機能を追加していくフェーズにおいて、そのスピードがCarely開発を支えたのは間違いありません。
現在デザイナーは3名いますが、このデザイナー陣の安定化はPOの意図をしっかり汲み取って、デザイナー陣を取りまとめているたかさんに負っていると思います。

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フロントエンドエンジニアのチーム化

もう一つの「コーダー(主にHTML、CSSを扱うエンジニア)が定着しない」問題は、いわば意図しない形で解決したと言えるかと思います。
その契機になったのがVue.jsの導入です。

Vue.js導入前は、プレゼンテーション部分は、Rubyのテンプレートエンジンslimで実装し、スタイルシートはMDL(Google Material Design Lite)、画面上の動きの部分はjQueryやCoffeeScriptで実現していました。

折しも

* Google Material Design Liteがメンテナンスされなくなって、その問題解決が困難になってきた
* 定着しないコーダーの方たちがバラバラな形式で実装していったJavaScriptのメンテナンスが困難になってきた
* UI/UXの向上が望まれていた

といったことがプロダクトにとっても、エンジニアにとっても抜き差しならない課題となってきました。
そこでそれらを解決するために、Vue.js(とMDLの大体フレームワークとしてのBULMA)の導入が図られました。

Vue.js導入前は、コーダーにプレゼンテーション周りの作業をお願いしていたのですが、導入後は、フロントエンドエンジニア(主にJavaScript/TypeScriptを扱うエンジニア)に、その作業をより広い責任範囲においてお願いするようになりました。
一般論的な話をここでするつもりはないですが、iCAREではこの「コーダー」から「フロントエンドエンジニア」へのスイッチがあきらかにフロントエンド周りのエンジニアの組織への定着につながったと考えられます。
集まってくるエンジニアは学習意欲が高く、エンジニア同士で業務、勉強会を通して切磋琢磨をし、非常にモチベーション高く業務をするようになりました。
(繰り返しますが、あくまで弊社の場合に限った話で「コーダー」を悪として議論するつもりは全くありません。多分、コーダーさんがモチベーション高く継続的にお仕事できる環境はあるものと考えています。)


技術顧問・アドバイザー陣の尽力

エンジニアの定着・成長の上で大きな役割を果たした要素としてもう一つ、技術顧問・アドバイザーの存在があります。
弊社には技術顧問・アドバイザーとして5名の方(前島さん翁さん大谷さん馬場さん石川さん)にお力になっていただいています。
これらの方々が、勉強会や業務上の困難な課題解決を通して、エンジニアのスキルアップ、学習意欲の向上、(ロールモデルとなっての)モチベーション向上に果たしてきた役割は大きいです。

現在取り組んでいる課題

上記のような形で、エンジニア・デザイナーの定着が進み、開発組織も拡大していきました。
当然、開発も加速化していきます。
機能拡充が進む中で、導入企業数も増え、iCAREも明確にこの健康労務市場を制覇しに行くようになります。

そうなると必要になってくるのは大手企業の導入です。大手企業に導入してもらうことで市場における信頼性、製品としての信頼性を獲得するためです。そのためには大手企業が利用したくなるUIや機能が必要になります。

そしてもう一つが健診予約のシステム化です。多くの企業で健診予約が大きなペインになっている。その一方でこれをそのまま代行すれば、結局企業側で大きな負担となっていた業務を肩代わり(BPO)することになり、BPO事業を伸ばしていく意図のないiCAREにとっては事業場の大きな足枷になります。この問題を解決しつつ、さらに安価にサービスを提供するためにも健診予約のシステム化は必要です。

現在、iCAREの開発陣はメンバーを充実させつつ、この二つの大きな課題の解決に取り組んでいると言えます。

そして未来へ

iCARE開発部の過去から現在まで振り返ってみましたが、いかがだったでしょうか?
あらためてここまで書いてきて思ったのはやはり現COO石野の果たした役割の大きさですね。ここまでの開発部の成長は石野の描いた開発ビジョンに負うところが大です。
しかし、5月からはCTO荻野、VPoE安田の2頭体制で、iCARE開発部はまた大きく変わります。
どんな風に進化し、変わっていくんでしょうね?
今回はiCARE開発部の未来像については語っておりませんが、もしご興味お持ちいただいた方いらっしゃいましたら、一度、カジュアルにお話させていただければと思います。こちらへ
もちろん転職目的でなくても、交流の機会をもたせていただけると嬉しいですので、お気軽にお声掛けください。

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