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創業CEOモヤモヤとMVVを再定義した話

こんにちは、株式会社プレースホルダの代表をしている、後藤(takasuke_go)です。

先日、当社のMVV(Mission/Vision/Values)を一新しました。
創業5年が経過し、コロナ禍で事業内容が多角化したり、自分の役割も変わってきたこともあり、第6期が始まるタイミングを第二創業と位置付け、会社をさらに成長させていきたい!という自分自身の想いもあり、昨年10月から取り組んできました。

このnoteでは、MVVを再定義するにあたって取り組んだことや個人的な悩みやモヤモヤと感じたことなどを書いてみます。スタートアップに関わる方、創業者CEOの方、などに読んでいただけると嬉しいです。

以前のnoteで、5年間でやってきたことやコロナ禍での取り組みについて書いているので、こちらもぜひご覧ください。

新たなMission/Vision/Values

当社の新たなMissionは「アソビでミライをつくる」となりました。

昨年12月から海外での事業展開がスタートしています。今後日本国内だけでなく、グローバルでの展開も進めていく中で、グローバル社会に対しての自分たちの役割は何か?というところから考え抜いた結果、
アソビを通じてあらゆる境界を超えていく製品・サービスを届けたい!
という想いが特に強調されたメッセージになっています。

今回、MVVを再定義しましたが、創業時から変わっていないことがあります。
それは「当社のコアはソフトウェア開発」であるということです。
キッズテーマパークを運営していたり、空間開発や機材活用など、ハードが絡んでくるようなことをやっていると、どうしても今までのやり方・常識といったものに囚われやすく、忘れがちです。
リアルな世界にもソフトウェアの発想を持ち込んで、体験や遊びそのものが勝手にアップデートされ続けて、場所や空間、体験する人に合わせてどんどん賢くなっていく。自分の意思で多様な体験・遊びを切り替えられる。
そんなものが作れたら超楽しいし、他では絶対できないだろうな。
ということが、創業初期に考えていたことでした。

改めてこのことと向き合った時に、まだまだできていない部分が多いと思いますし、もっとチャレンジもしていきたいと考えていました。

現代の子どもたちは、身の回りにたくさんのエンタメがあり、そして学校に習い事にと超忙しいです。ライフスタイルが多様化している中で、自分たちの考え方・思想もアップデートし続けていく必要があります。
そういった中で「ソフトウェア駆動で体験や遊びを作り続ける」こと、遊びを作っている方々をパートナーとして、一緒になって盛り上げていくこと。
これが社会に対し自分たちだからこそ示せる価値なのではないかと思います。
そして子どもに限らず、大人も楽しい。一緒になって楽しめる。ということを続けていきたいと考えています。

なので、「アソビでミライをつくる」には、
遊びを起点として、あらゆるボーダー(境界)を超えて、人々が幸せになる世界を作ること。
という意味を込めています。

また、MVVの中でもVision/Valuesに関しては「Vision2025」という内容で、事業計画やKPIが記載された資料にまとめられています。特にValuesに関しては、人事評価にも強く影響するため、評価制度設計も1から構築するということを同時に進めたりもしました。
こちらは最終的に「PLACEHOLDER WAY」という内容で、Values/評価制度/採用基準に組み込まれています。この話に踏み込むと少し目的から脱線してしまうので、このnoteでは割愛します。

事業の変化と自分の役割

今回、MVVを再定義することになった背景は、事業の大きな変化と私自身の役割の変化があったことです。

創業4年~5年目にかけて新型コロナの厳しい状況下にあったため、いくつかの大きな意思決定をしてきました。主力だった事業のリソースを思い切って0に近づけたり、新規事業を立ち上げたりと、複数の事業を並行で走らせる形で多角化しました。それまで権限委譲していたものや役割もすべて見直しを行いました。

主力事業が厳しくなっていた中で、私を含めた役員メンバーもとにかくあらゆることをする、そのためになんでもやる!という感じで、本当にがむしゃらに業績回復だけを目指していました。
また、新たに法人事業をスタートしたこともあり、特に新規の営業活動と資本政策についてはかなりの時間を割いてきました。

一丸となって取り組んだ結果、1年ほどでコロナ前に近いところまで業績は戻せましたが、それまで少しずつメンバーへ役割を共有していき、分散・最適化してきたものが、ほとんど個人個人のスタンドプレーでなんとかしている状態。となってしまいました。外部環境の変化に合わせて事業や組織を大きく変えたため、本来の成長計画とは乖離している現象が起こり続けます。

ある程度事業や組織が成長してくると創業CEOの役割も変化させていかなければいけないと思うのですが、一度渡した権限を再び戻したりなどのスタンドプレーになってしまうと、チームやメンバーはつらいと思います。

創業CEOあるあるかもしれませんが、この役割と事業成長のギャップに毎日モヤモヤとしながら仕事をしていました。厳しい時に今後の組織のことなど考えている余裕は正直なかったですし、悩みながらも目の前にあることに向き合って対応していく、ということを続けてきました。こういった状況が1年ほど続き、事業もある程度は成長が見込める段階になってきたこともあり、このタイミングで組織としても再び体制を作っていける状態となってきたのではないか。
というのがMVVを再定義した背景です。

MVVの再定義で取り組んだこと

これまでのMVVは、創業メンバーで合宿を行って生み出されたものです。これを作った時は組織的にも10人以下だったこともあり、VisionやValuesよりもまずは事業を優先すべき。という方針から、Missionのみが定義されていました。

MVVと一言で言っても会社によって定義が様々あり、どれも正しいものだと思います。そのため、まずはメンバー全員でMVVについての理解を深め、自分たちなりの定義を行うところから始めました。

38名が集まってグループワークを実施

最初にやったこととして、MVVに一貫性を持たせるために、対面形式での全社オフサイトミーティングを開催しました。

当社はフルリモート/フレキシブルの働き方をしているため、この状況下で全員で集まって長時間ミーティングする。というのは正直どうかと思いましたが、今後MVVを浸透させていかなければいけないことや評価制度へも直結していることもあり、最初からみんなで一緒に作った方が良いかもしれない。という理由で、全員で集まっての開催となりました。

これが私たちが定義したMVVです。これをベースにして、会社のMVVを作っていきます。

グループワークで複数チームで同時並行してブレスト→アイデア収束を繰り返し進めていく形をとったのですが、このグループワークへは役員及びCxOメンバーは参加することができず、途中の口出しも禁止していました。
グループワークでは適宜アウトプットのタイミングがあり、そこで全員へ向けてグループごとに新たなMission/Valuesについての具体的なアイデアと、なぜそうなったかをプレゼンする機会を作りました。
そのため、当日私たち役員メンバーがやったのは最終的にアウトプットされたアイデアへの感想を述べただけです。

そこから約3ヶ月をかけて、毎週の経営ミーティングを通して、内容の絞り込み、アイデアのブラッシュアップをかけていきました。
特に時間を使ったのが、MVVとしての一貫性と背景にあるストーリーです。ぱっと見てMissionだけ良さそうな感じで書いてあっても、それを1人1人の行動として示せないVisionやValuesでは完成度が低いと思いますし、フィージビリティ(実現性)までがセットで考えられていないといけないと思っていたこともあり、とにかくここに時間をかけました。
こうして完成したものが、新たなMission/Vision/Valuesとして策定されました。

MVVが再定義されたことで、これからの私の役割はMVVを浸透させていくことが優先事項になります。引き続き自分にしかできないところや事業にも関わっていきますが、MVVは時間の使い方としては事業とは少し違います。場合によっては仕事と直接的に関係がない時間をメンバーに使わせてしまうことになるかもしれません。
それでも、これからチームとして成長していくためにMVVはとても重要な役割となるはずなので、個人のスタンドプレーから完全に脱却してチームで成果を出しにいけるよう全力で臨んでいきたいと思います。

権限委譲はいつも難しい

私自身が特に苦手というかなかなかうまくできないな、、と毎回悩むことが権限委譲と責任範囲の明確化です。

これも創業CEOあるあるだと思いますが、、権限を委譲するほど時間に余裕が生まれ、暇になっていきます。暇というと語弊がありますが、別のことに時間を使えるようになります。それは経営として正しいことなのかもしれませんが、それまで現場でやっていたワクワク感や焦燥感は薄れていきます。時には「暇そうですね。手伝ってくださいよw」なんて言われたりします。ここでぐっと我慢して、自分が関わる時間を少なくしつつ、チームとして結果を出し続けられるようにしなければいけなかったりします。
..ということは頭でわかっていても、これを行動し続けることが本当に難しいなと毎回思います。
私自身は悪い意味ではなく土日も関係なく仕事をしてしまうことが多く、自分にしかできないこと以外をやってしまったり、チームで成果を出せない場合は適材適所になっていなかったり、うまくいかないことのほとんどの要因は最終的には経営に問題があると思います。

以前の会社でゲームを作っていた時も同じことを何度も経験しています。もっとおもしろいゲームが作りたい、もっとこうしたらおもしろくなるのに、、と思っても、そこで口を挟んだ瞬間にメンバーの権限を奪うことになり、チームとしてはコントロールが難しくなっていくことを経験していました。ものすごいスーパークリエイターさんが率いているチームであればトップダウンでコントロール可能かもしれませんが、それでも経営者=スーパークリエイターというケースは非常に稀だと思います。

以前とは状況は違いますが、私自身は同じことを繰り返してしまったな。。と落ち込むタイミングがあり、失敗談としてnoteに記録させていただくことにしました。

さいごに

誰が会社を経営するかでまったく景色が違うように経営は十人十色だと思います。かなりポジティブな方ですが、正直なところは自分より優秀な人が意思決定した方が結果はもっとよくなるんじゃないか。。なんて毎日考えていて、毎日お腹いたいです(汗)
ある時は、自分がジョブズやマスクくらいのクレイジーな人間だったらと仮定して、どういう意思決定するか?なんていう謎のロールプレイをして妄想してみたり、そんなこともしていたりします。
ただ、今回MVVを再定義したことで新しいことが始まる予感が強く、これからが楽しみでワクワクする日々がはじまりそうです。

次の5年・10年を一緒に作っていってくれるメンバーも募集していますので、ぜひ気軽に覗いてみてもらえると嬉しいです。

今回MVVを再定義するにあたって、本気で会社の未来について考えてくれたすべてのメンバー、そしてValuesに紐づく人事制度設計に1から関わってくれた皆さんに、改めて御礼をしたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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