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HALINA, Park Motive...今週のおすすめ 5 best Songs:2022-37

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

ポッドキャストも始めているのでぜひのぞいてみてください〜

Spotifyのプレイリストも更新しています〜

HALINA

ロンドンから鬼のような才能を持つやばいアーティスト見つけてきてしまいました。UKのリーズ出身で現在はサウスロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター/プロデューサー、HALINAがデビューアルバム『The Game』をBandcampのみでリリースしました。彼女を初めて見かけたのはWu-Luのツアーポスターに連ねているサポートアクトの存在で知りました。
「何者だろう…?」と密かに追っていたらとうとう音源がリリースされて聴くと、もうその圧倒的世界観に腰を抜かしました。さらにクレジットを見ると、Jude Woodhead(a.k.a Saint Junde)が共同プロデュースとミックス・マスタリングで入っている!!!!という最強の布陣で固めたアルバム。それは間違いない。
彼女の奏でる音楽は、暗雲立ち込める曇天の中、気分はメランコリックだけど、でもどこか穏やかで爽やかなムードが同居したような、まさにロンドンの空気感を独特のサウンドで表現しています。全体的にローファイで歪んだカッティングエッジな音像で、ソウルやジャズ、ダブ、インディー、アンビエント、ニューエイジなど多様なジャンルが交錯し、そこにソウルフルで渋さも含んだ美声が重なりあった、幽玄で荘厳な音楽世界を確立しています。
HALINA自身の影響源として両親の影響もあり、レゲエ、ダブ、ニューウェーブ、パンク、ソウルなどを幼少期から嗜んでいたらしいです。
TirzahやottaLéa SenSarah Methなどなど他にもたくさんUKにこういった独特の空気感をまとった音楽シーンが出来上がっていますね。「Ethereal Music」 と個人的には呼称していますが、そういったプレイリストも今度作ってみます。ちなみにWu-Luのツアーに帯同するSam Akproも要注目です。去年このブログでも取り上げているのでのぞいてみてください。


Park Motive

ロンドン拠点に活動するSam Herschmann率いる6人組のバンド、Park MotiveがデビューEP『Duuust』をリリース。
またもやロンドンから摩訶不思議で確立された世界観を持つぶっ飛んだバンドが現れました。このアー写から漂うような不穏さは楽曲のムードにも充満しており、どこかダークでSci-Fiなサウンドを奏でています。どこか時代に忘れ去られたような80年代風のアナログシンセや緻密なドラムワーク、退廃的なベース音、そしてSamのメランコリックだけど不思議な魅力に包まれた歌声。それぞれが綿密に折り重なり、この近未来感あふれるミステリアスな音楽を作り上げています。ニューウェーヴやダークウェーヴ、シンセポップ、ポスト・パンクなどさまざまな要素がそれぞれの楽曲の節々から感じられ、この洗練されたサウンドは一度聴くと脳みそをハッキングされたような感覚になりますね。


young friend

バンクーバー出身のDrew Tarvesによるソロプロジェクト、young friendがデビューアルバム『HOW DID WE GET HERE?』をリリース。今作でWalliceやspill tabなどを手がけるmarinellialdnがプロデュースに関わっています。また作品には客演でAnna Sofiaややella janeが参加。
Garage Bandで作曲を始めたという生粋のベッドルーム・ポップ・アーティストである彼は、幼少期からPaul McCartneyが大好きだと語り、そのほかStevie WonderやElla Fitzgerald、Nina Simoneなどを聴いて育ったそう。そんな多様な影響源を彼自身のフィルターに落とし込み、軽快でシネマティックなポップソングに仕上げています。甘美でイノセントな歌声とともに、煌びやかでリズミカルなインディー・ポップが絡み合い、淡く透明感漂う瑞々しい音楽がたまらない。Jimi SomewhereやROLE MODEL好きにおすすめなアーティストです。


Rahul

フロリダ拠点で活動するマルチアーティスト、Rahluがデビュー
EP『DEPRESSED BUT MAKE IT COOL』をリリース。既にPigeons & Planesの「Best New Artist」でも紹介された彼は、MVの映像ディレクターとしても活動しており、音楽を作るときもその音楽に付随する映像を想像しながら制作すると語っています。
彼の作り上げる音楽で一番特徴的なのは、Frank Ocean以降とも言える歌声のピッチシフトです。地声の歌声から急にピッチアップしたり、ピッチダウンしたり、いろんなエフェクトを通したりと、歌声を一つの楽器のように扱って、多彩な音楽を奏でています。トラックもとてもクオリティーが高く、R&Bやヒップホップ、インディー、アンビエントなどを織り交ぜ、彼の描く世界観にグッと引き寄せられるようなポップサウンドに仕上げています。


Maxwell Young

Twitterでも今までの個人的なベストアルバムやEPでも何度もふれてきました、ニュージーランド拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティスト、Maxwell Youngが新作EP『Birthday Girl』をリリース。彼はいままで初期のClairoとコラボシングルを出したり、Billy Lemosやunderscoresの楽曲に客演で参加したり、Harry Teardropやstupid rich kid、Tom Verberneとシングルを出したりと、ベッドルーム・ポップ・シーンでもかなり重要な人物でもあります。
Maxwell Youngは作品を出す度によりポップさが洗練され、本当に素晴らしいクオリティーで発表しています。今作もまた彼の才能が底上げされたと感じる楽曲ばかりで、特にトラックへのこだわりや曲の展開の凝り方が尋常ではないなと感じました。儚げで繊細、そして煌びやかなサウンドに、彼の淡く甘美な歌メロが重なり、ロマンティックでまろやかな作品に仕上げています。いやー何度聴いてもめちゃくちゃいい。


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