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JOBIE, AntsLive...今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-1

今年も毎週世界中の音楽から厳選して紹介していこうと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください。
今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜

JOBIE

アメリカのバージニア州を拠点に活動するシンガー・ソングライター、JOBIEがデビューアルバム『Grendel』をリリース。2022年4月にはSidney Gishのライブのオープニングアクトを務めるなど、徐々にその知名度をあげているアーティストです。
カントリーやフォークの牧歌的なサウンドをベースに、インディー・ポップなどを織り交ぜた、親しみやすい音像は心に寄り添うものに仕上がっています。全体的にメランコリーなムードで郷愁を誘うような作品ですが、そこに乗る儚げでポップな歌メロが秀逸です。
着目すべきは透明感のある甘美な歌声なのですが、少しダウナーな質感なものからソウルフルで鮮やかな声まで、そのレンジの広さには驚かされます。
彼女自身はBob DylanやElliott Smithといった往年のものから、Pinegrove、Waxahatchee、Phoebe Bridgersなど近年のUSインディーなどから影響受けているそうです。個人的にはTaylor SwiftとPhoebe Bridgersの間を縫うような非常にポテンシャルを秘めたアーティストだと思いますので、今後も要注目です。


AntsLive

早速2023年のUKのラップシーンで期待のノースロンドン拠点に活動する新人アーティスト、AntsLiveがデビューEP『Just A Matter Of Time』をリリース。
現行の808のトラップやUK独特のグライムシーンのビート、アフロビーツなどをブレンドさせた重心低めな独特のリズムに、メロウでメロディアスなサウンドが合わさった、キャッチーなトラックに仕上がっています。そこに言葉巧みな彼の唯一無二のフロウが重なり合うことで一瞬で心を持ってかれますね。少し浮遊感がありつつも地に足付いた、エナジーあふれるフロウには圧倒されます。slowthaiのような悪ガキな感じもあるんですが、よりスマートな振る舞いがクールですね。今年より注目されること間違いなしのアーティストです。
あと今回のリード曲のMVが、普通だと車などを乗り回すようなMVが多いかと思うのですが、彼は馬で駆け回るというのは斬新さにはぶったまげました。


poolblood

トロント拠点に活動するMaryam Saidによるソロプロジェクト、poolbloodがデビューアルバム『mole』をリリース。今作は共同プロデュースでShamirが参加しているそうです。
とても穏やかで心温まるようなアルバムでした。全体的に弾き語りをベースにした初期のベッドルーム・ポップのローファイなムードを感じさせる仕上がりになっています。フォークやオルタナ、グランジ、ノイズなどのエッセンスも散りばめた、独特なアプローチも魅力的です。また管楽器や弦楽器なども取り入れて音の厚みや壮大さもアレンジとして加えているのですが、最終的にはあくまでも"ベッドルーム"的な広さから出ない、こじんまりとしたサウンドデザインが個人的などストライクでした。
ちなみにフォーク的なアプローチをとっていますが、彼女自身フォークはあまり詳しくないそうで、ナチュラルにこのサウンドになったのもすごいですね。 Fiona AppleやNick Drakeが彼女の核にあるそう。


Ari Rivera

LAを拠点に活動するシンガー・ソングライター/プロデューサー、Ari Riveraが新作EP『leaving flowers out ↶*ೃ.•° ✿ ✧˚. ❃ ↷ ˊ-』をリリース。彼はこれまでもいくつか作品を出していて、2020年のベストアルバムにもあげたjerodが客演で参加したりと深く関わりがあるようです。
DijonやMulherin、Zack Villere、Clairoなどベッドルーム・ポップ・シーンのアーティストから大いに影響を受けたそうで、しっかりそのシーンを昇華して自身のサウンドにしています。特にDijon味のある、エモーショナルで儚げな歌声が本当にたまらないです。そこにアコースティック・ギターの切ない旋律に、エレクトロニックやグリッチ、アンビエントのエッセンスも取り入れ、叙情的でノスタルジアなサウンドを奏でています。生感あるサウンドと、電子音楽のSci-Fiなサウンドの組み合わせが絶妙で、その境目を漂うようなサウンドメイクには脱帽です。個人的にどストライクなEPでした。


ana kennedy

このブログでも以前紹介したことのある、アメリカのカンザス拠点でもともとRILEY THE MUSICIANという名前で活動していたアーティストが、ana kennedy名義で昨年の暮れにアルバム『i know you're not the one i'm looking for, but i am so cold and a fire is a fire』をリリース。2021年12月に"RILEY THE MUSICIAN"というステージネームと決別することと、その時の痛みについてSNSで語っています
今作はグリッチやエレクトロポップ、デジコア、グランジ、インディー、エモラップなどさまざまなジャンルをブレンドさせたポップなサウンドに乗せています。繊細だけど脆弱な自身の想いを、とてもウィットに富んだ電子音楽とともに奏でているのが個人的にはグッときました。


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