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わかったらできること、わからないとできないこと、わかってもやらないとできないこと、わからなくてもやってたらできること

いい年齢なのでこれから先のことを考えるということはつまり老後を考えるということとイコールです。そして現状のままだと私の老後は娘の老後と不可分です。まあ、私がどうにかなったら娘はどうにもならないのでそこから先は考える必要はないと言えばないのかもしれません。(元)妻はそうなったら引き受けるとは言っていますが、どうかな、最近もまたチャリで怪我したとか言ってたからなあ。離婚する前も自転車に乗ってて骨折とかあったからなあ。なぜそうなるのかと聞いても逆ギレされたりするだけなんだけど、とにかく危なっかしいというかなんというか。さすが娘の母親だけある。

それはともかく、仕事のことも色々と考えるわけです。ここ最近は社内で聞けない話を聞こうと心がけています。仕事のことでそもそも知らないことは幾らでもあるわけですが、知っているつもりでも昔と今とですっかり変わってしまったことも増えています。猛烈に増えています。世の中の変化はコロナで加速しました。年齢や経験とは無関係に「初めて取り組むこと」は多いです。今まで通りでどうにかなることなんて少ないんじゃないかなあ。この業界だけかなあ。

仕事でも仕事じゃなくても、わかったらできること、わからないとできないこと、わかっても練習しないとできないこと、わからなくても練習したらできること、ざっくりそういう分類は可能です。これで行くと私は「練習」が苦手です。なので、わかってもわからなくても練習しないといけないことは避けて通るのが常です。となると「わかったらできること」しかできない。「わかったらできること」と言ってもそれはあくまで「わかったところまでしかできない」でもあるので、練習してできることを広げる生き方と比べるとできることは圧倒的に少なくなります。

そんなことはわかっちゃいるんだ。いるんだけど、わからないとできないんだよ、みたいな魂の叫びは自分以外からも何度も聞いたことがあります。わからないとできないと思いこんでいるヒトは多い。自分もそのひとりです。で、そうなると先程の通り「わかる範囲のことしかできない」になってしまうわけです。

それでも自分としては「ちゃんとわかってやったほうがしっかり次に活かして同じ失敗を繰り返さず効率的にできるはずだ」みたいな気持ちもないわけではありません。わかんないままやってもできたかできてないのかもわからなくなってしまうのではという懸念もあります。それは意外と大きいかも。

でも、最近になって思うのです。人生は一回きりです。「次に活かす」の次なんてないかもしれないのです。というか、仕事のことで振り返ると何をやっても大抵は前と違うことだったり前と違うヒトだったりするわけです。まったく同じことを繰り返していると思っているのは自分だけで、なんだか少しずつ違うことしかやってないのです。

それならわかってやってもわかってなくてもあんまり変わんないんじゃないだろうか。

本当に最近になって突然そんなことを思い出しているのです。なんだかしっかり理解しようとか次に活かそうとか、そういうの、いわゆる取り越し苦労というものなのではないかと。

そうなると今までの自分のやってきたこと考えてきたことがガラガラと崩れてしまう気もするし、やっぱりそれもそんなことはなくて、というか自分で思っているほど緻密に考えてどうこうしてきたわけではなく、都度都度ああだこうだ行き当たりばったりで続けてきただけなのではないかと、改めて振り返るとそうとしか思えず落ち込む、わけでもなく「ああ、そうだったのか」というなにかこうややすっきりとした気持ちに近い感情がこみ上げてくるのです。そこまで大げさな話ではないのですが。

人生は一回きりなのでリセットして最初からやり直すことはできません。ですが、進む方向は今からでも幾らでも変えられます。もちろん、そのためには「わかったらできること」を超えないといけません。だって、わかったらできることの積み重ねは今までの人生そのものじゃないですか。多分私のようなタイプの人間はわかる範囲で人生を選んできたはずです。たまに自分のわかる範囲をドカンと超える事態に遭遇してもなんとかわかるところまで消化しようとする。消化できない場合は蓋をしてしまってしまう。それだと今までと何も変わりません。今までずっとそうしてきたじゃないか。そういうことの積み重ねで今に至っているんじゃないか。わからなくてもやるんだよ。そしたらそのうちできるかもしれないじゃないか。でもできないかも。できなかったらまたなんかやりゃあいいんだよ。

ということを娘に伝えたいのですが、娘はそもそもなんもやんねえからなあ。本当になんにもしないんだよな。

閉じた世界はいつか開くのかなあ。

生きてるうちにどうにかなってくれるといいんだけどなあ。


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