「パパが一所懸命作ったご飯を食べてくれなくてパパは悲しいよ」「ごめんね」
明け方、何度か目を覚ましながらまだ早いのだと意識してまた眠ります。その間ずっと、明日、つまり目を覚ましたら何曜日なのかについて迷っています。月曜日のような気もするし日曜日のような気もする。できれば日曜日であってほしいけれど悲しいことに月曜日でしたということなのかもしれない。枕元のスマホで日付を確認したら済む話なのにスマホに手を伸ばすほどには目が覚めない。眠い。ずっと眠り続けたい。でも月曜日なら起きないと。日曜なのか月曜なのか、いつまで経ってもわからない。明日がどちらか確信が持てない。思い切って日曜日だということにしてぐっすり眠ってしまうのはどうだろうか。それで月曜日だとどれだけ悲しいか。
そんなことを思いながら起きるでもなく深く眠るでもなく。どれぐらい経ってからでしょうか、ついに決着が着きました。目を覚ましたら日曜日、これで間違いない。多分そう。きっとそう。
そこから安心して深く睡眠。
しっかり眠れた気がして身体を起こしたらまだいつもの目覚ましの時間よりだいぶ早い時間でした。スッキリしているからいいような、なんだか損をしたような、なんとも言えない気持ち。
テーブルの上に置いてあったランチパックは消えていました。夜中に娘が食べたのです。昨夜はなにも食べないで寝続けてたからなあ。キッチンにはグラスがみっつ、いや、よっつ。飲み物もがぶがぶ飲んでいます。昼間に寝て夜中に起きるサイクル。やめてくれ。
私の朝食はどうしようか。冷凍してある食パンでも焼くか。
そう思っていたら娘が起きてきました。
「なんか食べる?」
「んあ」
娘には食パンだけだと可哀想です。なので、激安スーパーで買った白身魚のフライとポテトを揚げました。スクランブルエッグも用意します。カット野菜と一緒に盛り付けたらまあまあの朝食。
朝食後に薬を飲んだ娘はまた部屋に戻って眠ってしまいました。ここ数日は寝てばかりです。寝すぎです。過眠。
午前中に洗濯・乾燥まで。今日は外に干してもよかったな。
風呂掃除をしていたら娘が自分の部屋から和室に移動していました。
「ベッド取るな。あっち行け」
追い出そうとします。無反応。
「ベッド使わないで。部屋で寝て」
「眠い」
オレの話を聞け。聞いてないけど。
そのまま娘は就寝。娘が起きてこない昼は私だけカップ焼きそば。食べ終えてから散歩兼買い物。酸素系の漂白剤がそろそろ無くなりそうなので買い足します。
いい天気だ。
帰宅。娘は熟睡しています。起こさないよう家中を暗くして私もなるべく静かに過ごします。猛烈に眠い。
眠さでなにもできなくなったのでまた買い物へ。夕食用の野菜など。
帰宅。出たり入ったりしたせいでしょうか。気がついたら椅子で寝ていました。
特になにがどうということもないまま夕食の時間に。娘が起きてきたので食事の準備。昨日買った豚肉の味噌漬けを焼きます。サンチュの代わりのレタスと長ネギも用意。味噌とコチュジャンのタレも作って準備万端。昨日買った冷麺はゆで時間が短いので先に肉を焼きます。足りなかった時のためのもやしナムルとタコとワカメの酢の物も。娘は昨日からあまり食べていません。きっとお腹を空かせているはず。でも、これだけあれば足りるでしょう。
いい感じで全部テーブルに並べて食べ始めました。娘がひとりで肉をレタスに包んでいます。いいよいいよ〜。
「あのね、はいらない」
耳を疑いました。え、どういうこと。
「ごめんね。食べられない」
……なんで?
娘はたまにひとくちふたくち食べただけで「もうはいらない」と言い出すことがあります。それはわかっていますが、え、でも、今日? 昨日も今日もあんまり食べてないのに?
「……わかった。でも冷麺だけちょっと食べて」
とっとと立ち上がってテーブルから離れようとする娘を引き止めて冷麺を食べてもらいます。
「食べた」
数本でした。冷麺の麺、数本。
娘がテーブルにおいてある菓子パンをじーっと見ています。
急に腹が立ってきました。
「パン食べちゃダメ。捨てるから。これ、捨てるから」
「捨てないでパパ食べて」
え、オレ、娘が手を付けなかった冷麺も含めてテーブルの上のこれ全部食べてさらに菓子パンも食べないといけないの?
「……いいよ、お風呂はいりな」
「お風呂はいる」
娘がお風呂で鼻歌を歌っている間に全部食べました。苦しい。
風呂から上がった娘はアイスは食べるそうです。
「アイスは食べるんだ。パパが一所懸命作ったご飯を食べてくれなくてパパは悲しいよ」
「ごめんね」
これほど心のこもっていない適当なゴメンネは……。
しょうがない。
しょうがないです。
娘が風呂前に測った体重は一キロ以上減っていました。
私は1キロ以上増えていました。
ドンマイ、オレ。
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