見出し画像

#家で一番古い本 |10月4日の種

 わが家の本棚で一番古い本はどれだろう。
 ふと思い立ち、調べていたら気づいたことがあります。

 古書には2種類ある。

  ①かつて誰かの蔵書だった本
  ②自分が昔買った思い出の本

 ①②に分けて私の一番古い本を選びました。

①かつて誰かの蔵書だった部門

 神保町の古書店で買った類語辞典(昭和31年)。
 ヤフオクで落とした高野素十の句集初版本(昭和27年)。

 並みいる強豪を破って1位に輝いたのがこちらです。

 漫画『正チャンの冒険』。なんと大正14年発行。

 97年経って色あせてないのがすごい。
 どこかの家で大事に読まれてきたんだな。

[追記]
 ‥‥と思っていたら、先ほど本屋さんから連絡もらいましてオリジナルではなく復刻版(1978年)と判りました。商品ページにも説明されていたのを私が忘れていたようです。すみません。復刻されたのが昭和なのでまぁ古書には変わりないんですが。

 少年とリスが不思議な人々に出会いながら冒険を繰り広げる話。タンタンの冒険(1929年〜)を彷彿とさせますが、何と正チャンのほうが先(1925年)でした。

 note友のヨシカワさんの古書店で数年前に見つけた稀少本で一目惚れでした。この店、ヨシカワ さんの目利きが素晴らしい。古い絵本から雑誌、専門書まで全部並べたらおしゃれなブックカフェがひらけそうな品ぞろえです。

②自分が昔買った思い出部門

 ②にエントリーできる本は少なかったです。
 父が転勤族だったため私は風の又三郎で、引っ越しするたび本はどこかへ紛れてゆきました。ただ、記憶が正しければ中学2〜3年の頃買った数冊のピーナツブックスだけは捨てずに家のどこかにあるはず。

 家中ひっくり返してようやく出てきました。なぜか箱にしまいこんであった。
 数十年ぶりに再会したのが1974〜1975年頃買った5冊。

 日本語英語併記のピーナツの漫画は、私の将来を方向づけました。
 英語に興味を持ったし、何より谷川俊太郎の日本語訳の響きに惹かれました。大学は英文科へ進み、卒業後は海外向け広告制作の会社へ。すべての原点はピーナツだった。

 懐かしさにページをめくっていたら、驚愕の事実を発見しました。中坊の私がなぜピーナツブックスを買いはじめたのか長年の謎でしたが、この本の

 最後のページに書かれていたメッセージで謎が解けたんです。

 14歳の秋、私は東京の中学から福岡へ転校しました。負けるな牧君。この1冊は友人が餞別にくれた本だった。

 負けるな。

 当時私はいじめを受けていました。
 掃除当番が終わって教室に戻ると、私のマジソンスクエアガーデンの鞄をボール代わりに男子生徒たちがサッカーをやっていた。

 もし父に転勤の辞令が下りなければ、彼らの行為は激化していたと思う。小学校からの友人O君は私の転校後にそれを知り、本を送ってくれたんでしょう。中坊なのに小粋なことするね。O君ありがとう。というかすっかり忘れててごめん。

 ずっと眠っていたピーナツブックスを本棚に並べました。
 古書っていいにおいがしますね。

 あなたの #家で一番古い本 は何ですか。
 何か思い出、挟まってるかも。

 あさって10月4日は #古書の日

 ちなみにきょうは #スヌーピーの日
 1950年10月2日、ピーナツの新聞連載がアメリカで始まったそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?