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【01】 柄物が苦手だったのに、今は柄物デザインに夢中


 柄(パターン)のデザインにハマッています。
 私の本業はコピーライターで、服飾やインテリアとは無関係。この5年ほどは趣味で「スマートフォンを縦スクロールしながら読む絵本」を創作配信しています。

 ある日気づきました。
 そういえば柄物の布も縦スクロールだよな…

 呉服店で生地を広げて見せられた時「うわ〜」と華やぐあの感じ。まさに縦スクロールの醍醐味ですよね。

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 縦方向にどこまでも伸びる柄物のデザインを活用して、何かおもしろいことができるんじゃないか。

 が、しかし。
 私はもともとファッションやインテリアに興味ゼロ。柄物はどちらかといえば苦手でした。着る服も無地が大半で、あとはせいぜいチェックかストライプ。花柄なんてとんでもない。

 たまに思いきって柄物シャツを買っても、気恥ずかしくてタンスにしまいっぱなしでした。1989年頃買った緑色のオープンシャツは、細長い草の葉に朝露が並ぶ絵柄。草むらに身を潜めるのに良さそう。いや逆に目立つかな。ほとんど着ていないので今も新品同様です。

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 このシャツ、改めて見るとすごい。
 A5サイズほどの絵柄を反復させたデザインですが継ぎ目が目立ちません。どうやったらこんなにさりげなくシームレスなパターンが作れるんだろう。テキスタイルデザイナーの頭の中ってどうなってるの。
 
 むくむくと興味が湧いてきました。

 たとえばこういうモチーフを上下左右にリピートさせて、

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壁に貼ったり、

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布製品に仕立てたり。

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 同じ絵柄をくり返しているだけなのに、なんか楽しい。
 リズムがありますよね。音のない音楽のような。

♪  ♪  ♪

 柄物を自分の手でデザインできたら楽しいだろうなぁ。
 やってみようかな。でも、どうやって。
 デザインや美術を学んだことのない私にも柄物をデザインできるだろうか。

 ググッてみたら、あっけなく解決しました。
 今はパソコンで誰でも気軽に作れるようです。IllustratorやPhotoshopにもパターンを作るオプションがあり、私も使うことにしました。
 便利な時代になったなぁ。昔はCADでデザインしていたようです。

♪  ♪  ♪

 まずは基本のモチーフ作りから。
 モチーフを反復させてパターンを作ります。

 用意したのは紙とハサミ。
 以前テレビで柚木沙弥郎さんが厚紙を切って並べながらデザインするのを観て、それがとても楽しそうだった。私も思いつくままに切ってみました。お〜っ、この楽しさ幼稚園以来かも(笑)。切り取ったかたちを……

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スキャナで取りこんで、

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♪  ♪  ♪

 というわけで、柄物が苦手だった私が今やどっぷりデザインに浸かっています。

 夢中で作業してみてわかったことが3つ。

1)柄物は意外と簡単に作れるぞ
2)ただし良い柄をデザインするのはめっちゃむずかしい
3)だから楽しい

[柄物×縦スクロール]でそのうち何か創作してみようと思います。

  柄物 × エッセイ?
  柄物 × 詩?
  柄物 × 音楽?

 どうぞお楽しみに。
 そしてよかったら皆さんも何か作ってみませんか。パターンの作り方をググって調べてみてください。デジタル音痴な私も何とか作れました。
 良いデザインができた日のビールは最高!

♪  ♪  ♪

 目を肥やすためにデザインやモチーフのお手本を pinterest で集めています。色づかいとかバランスとか、参考になると思うのでよかったら見てみてください。

https://www.pinterest.jp/takashibooks/patterns/

♪  ♪  ♪

 街を歩いていると、老若男女問わず良い感じの柄物を着ている人を見かけます。

 おしゃれな人に背後からそっと駆け寄り、柄をじろじろ観察しながら歩いてゆく、そんな怪しいおじさんを南青山周辺で見かけたら十中八九私です。朝露の草のシャツを着ているかもしれません。

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2021年8月10日 追記

2020年夏にこの記事を書いたあと、いろいろありました:
●テキスタイルデザインのブログを開始
(読者約1,000人、現在20記事)
●米国Spoonflowerにオンラインショップをオープン
●2021年2月、同社コンテストで入選
●販売中のデザインは現在77アイテム

飽きもせず毎日続けている自分にびっくりです。
布は少しずつですが売れています。私のデザインを誰かがまとって世界のどこかの街を歩いている。そう思うと何ともいえない幸福感に包まれます(笑)。黒ポロシャツ一辺倒のおじさんだった私もすっかり柄物ファンになりました。