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❨509❩1973.1.22.月.雨/批判!/アマゾン川:ブラジル

長い時間、強い雨が降った。
狭い場所が、降り込む雨で一段と狭められた。全く、タコ部屋同然だぜ。
朝と夕方と、二回体操をやっているが、上半 身の筋肉が少し締まって来た様に思える。

メシは、最高にまずい。
芯のある米とフェジョン(カボチャ・肉入り)ばかり、味なんか塩だけだ。いつもレモンをかけて食う。

床が濡れており、寝床を変えた。
気にしまいとするのだが、奴等があまりにも無神経すぎる為、つい腹が立って来る。


批判!
これが真実なのか?あゝ悲しくなる。
ブラジル人を観れば観る程、俺の心は、暗くふさがって来る。
人情豊かな、明るい心の人々。その印象が、個人主義ではない、利己主義な人間に思えてくる。

さっき、俺の横のハンモッグに寝ている子連れの婦人が、俺の寝ている所へ近寄り、何か用があるかと思って起きると、ゾウリでヅカッと俺のシーツを踏んだ。

思わず俺はその足を払った。無言のまま足を引きはしたが、何も言わない。
よっぽど俺も、靴をはいてあの女のハンモッグを踏みつけてやろうかと思った。

この女だけでなく、殆どの奴が平気で人をまたぎ、平気で荷やシーツを踏む。
それで何とも感じないのだ。教養の無いことによるものか。

狭い船の上、同じカマのメシを食っている人と思い、出来るだけ堪えているが、それが果たして最後まで持ち続けばいいと思っている。

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