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「ベルカーブの世界→ロングテールの世界」になったので、現代社会はディストピア世界に変貌してしまったのでしょう。『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』

『裏道を行け ディストピア世界をHACKする』は、無理ゲー社会でハックの必要性を説きつつ、ハックの危険性を説いているビジネス書です。

「ハッカー:常識やルールを無視してふつうの奴らの上を行く者たちのこと」「ゲーマー:攻略できないゲーム(無理ゲー)はハックかチートするしかないと考える」「市場は人間の欲望の反映なのだから、そこにはつねに歪みがある」など、歪みを利用して無理ゲーを攻略する方法を教えてくれます。

特に「男女の性愛は二重の選択になっている」は、女性が選択し、その後に男性が選択するという二重の選択が婚姻率の低下につながる原因だと示しています。

つき合う選択の段階では、「男は競争に勝って、女から選ばれなくてはならない」、なぜなら「女はセックスの相手を選択する圧倒的なちからをもっている」からです。

しかし恋愛状態を続ける段階では、「関係を維持するかどうかの選択権が男に移る」、なぜなら「女が長期的な関係を求め、男が短期的な関係にしか興味がない」からです。

つまり「男:まず競争し、次いで選択する/女:まず選択し、次いで長期的な関係を勝ち取る」必要があるのです。

男女関係を無理ゲー化してる中で性愛を獲得したい方は、難易度が格段に上がっていることを認識してから恋愛ゲームをプレーする必要があるでしょう。

 

「FIRE:ミニマリズムの潮流に位置づけることができる」「ひとを絶望させるのは貧困ではなく失業」「ゲームと比べると現実には希望がない/ゲームは失敗への恐れを取り除いて成功のチャンスを高めてくれる」などを通して、無理ゲー社会を生き残るための秘訣が学べます。

特に「現代社会:快感をもたらす刺激がほぼ無制限に、かつきわめて安いコストで提供される」は、依存症が増える根本的な原因です。

「薬物耐性:同じだけの多幸感を得るには容量を増やす必要がある」とあるように、快楽を得るには段々と刺激を増やしていく必要があります。

依存する人の共通点は、「自分の人生をコントロールできていないという感覚」で、「よりシンプルでコントロール可能なゲームに惹きつけられていく」のです。

なぜなら貧困や暴力などの苛酷な日常を過ごしている人たちは、その荷重から目を逸らすために「自分の感覚を鈍らせること、深刻な問題からの逃避、過剰な対人関係の交流の重荷をおろすこと」を目的にしているからです。

ゲーム・喫煙・お酒・甘いお菓子・SNSなどの依存に苦しんでいる方は、快楽に逃げ込み依存に費やしている時間を原因解決にシフトしていく必要があるでしょう。

 

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