日本の会社の典型的な組織問題を、『宇宙兄弟』のキャラが解決してくれます。『あなたの知らないあなたの強み』

『あなたの知らないあなたの強み　宇宙兄弟とＦＦＳ理論が教えてくれる』は、『宇宙兄弟』のキャラと物語を使って性格別の因子を洗い出すビジネス書です。
「ＦＦＳ理論：凝縮性(こだわりが強い)・受容性(相手を受け容れる)・弁別性(白黒はっきり分ける)・拡散性(すぐに飛び出す)・保全性(確実に進める)」「成功の共通点：特性を理解＋強みを活かす＋弱みは仲間と補完」「日本人の特徴：①受容性64％②保全性③拡散性」など、自分の強みと弱みを知り、チームとして活躍するための方法が載っています。
特に「学習スタイル：最大公約数(拡散性)・最小公倍数(保全性)」は、日本人に多い保全性と拡散性の違いを理解していないと、違う因子が上司・部下の関係になったときに問題になります。
学習スタイルだけでも、すべてを網羅して体系的に学びたい保全性と、複数の概念を求める拡散性とは根本的な違いがあるからです。
たとえば「拡散・上司」が「自由にやればいいよ」と言って体験を促しても、「保全・部下」は「階段をジャンプする」ようでストレスを感じるからです。
典型的な性質の違いを理解し、チームで仕事をするためにも、サラリーマンは全員読んでおくべきでしょう。

「因子により勝ちパターンは違う」「優れたリーダー：異質のメンバーを近くに置いている人」「強いリーダーの決断力：習得できる技術ではなく潜在的な能力を体験で鍛えられたもの」などを通して、多様性を受け入れ、イノベーションを起こす組織作りを支援してくれます。
特に前山の因子である「弁別性」の「どうして弁別性のリーダーは登場しないのか？」には納得です。
「拡散性」と「保全性」は、気質に由来する因子で、動機が「好き・嫌い」で、動く速度で比較できます。
凝縮性」と「受容性」は、社会性の因子で、判断基準が「自分軸・相手軸」で比較できます。
「弁別性」だけが独立していて、合理的に物事を「黒か白か」の判断をするだけで、判断したからと言って動くとは限らないからです。
リーダーは動く方向と速度を指示する人なので、動かない人は論外だからです。
自分の気質を理解していれば、前山がリーダーに向いていないのがよくわかります。

著　者：古野俊幸
出版社：日経BP
発売日：2020/6/11

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