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ロックダウン下のアメリカから見る日本経済①:水面下で起こっているかも知れないこと

アメリカ失業者2,200万人の衝撃

アメリカの失業者の増加が止まらない。

ロックダウン継続中の本日時点で、アメリカ全土における1ヶ月の失業保険申請件数が合計2200万件を超えた。

東京都の人口が約1000万人だから、東京都の総人口の2倍強の仕事が、コロナショックで吹き飛んだ形だ。

赤ちゃんから老人まで、東京都に住む全ての人たち、その2倍強の人々の雇用が、アメリカという国だけで、しかもたった1ヶ月のうちに吹き飛んだのだ。

アメリカの人口は約3億2800万人、就労人口は約1億5700万人だから、2200万件ということは、就労人口の実に14%が失業申請をしたことになる。

続報:アメリカ全土の失業保険申請件数は合計2,600万人に

コロナ経済ショックは超長期化へ

本日の米ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、コロナウイルスに見舞われる以前の1ヶ月間の失業保険申請件数が最大だったのは、1982年秋の270万件とのこと。

コロナが一次的(1-2ヶ月)に雇用を吹き飛ばした形に見えるとはいえ、過去最高(270万件)のさらに8倍(2200万件)の申請件数というのは、想像を絶する規模だ。

一方で、コロナショックが経済に与える影響はロックダウン期間だけだと考えるのは間違っている。

確かに、一過性の「骨折」は、長期に渡り治療が必要な「がん」や「難病」にかかるのとは訳が違う。

しかし、それが「複雑骨折」だった場合、その人は、以前と同じように歩けるようになるかどうかは分からないのだ。

外食、小売、サービス業以外にも忍び寄る影

アメリカでも、最初に職を失ったのは、外食、小売、宿泊施設、サービス業など、コロナウイルスの感染拡大を物理的に止めるために閉鎖された業種だった。

こうした現象から、金融や製造、会計や法務、また例えば「デジタルの世界は安泰だ」と思う人が多いのだが、それは間違いだ。

実際にアメリカで起こっていることもそうではない。同じく本日の米ウォール・ストリート・ジャーナルでは『米コロナ失職の第2波、あらゆる職種に迫る』と題した記事を掲載し、アメリカ国内において、「在宅勤務が可能な業種で働く人々」も幅広くレイオフ(解雇と失業)に直面していると報じている。

薄氷の上に立つインターネット産業

インターネット産業も例外ではない。

先週、アメリカのYelp(アメリカ版の「食べログ」)が1,000人の解雇と、さらに1,100人の一時休職を発表した。

これは、6000人の従業員の約3分の1にあたる、大規模なレイオフだ。街のレストランの広告掲載料で成り立っているサービスだったのが、3月の一ヶ月でサイトのページビューが60%も落ち込んだとのこと(フィットネスクラブなどサービス産業向けのページビューは40%の落ち込み)。

コロナの状況下、「広告掲載料を無料にすることにした」そうで、売上が激減したそうだ。Yelpの株価は1ヶ月半で50%下落(半値に)。食べログの運営会社であるカカクコムも、株価が1ヶ月半で50%も下落した。

店舗ビジネスなくば、インターネット産業もあらず

外食や小売、フィットネスクラブなどサービス産業といった基本的な生活を支えるビジネスが、こうしたインターネット上の「上前をはねるビジネス」を成立させていたことを再度認識しないといけない。

経済というのは複層的にできていて、とりわけ最も基本的な層が崩れると、その他の層も崩れてしまう可能性が高い。

特に物理層(外食や小売などの店舗や、サービス産業)が崩れると、これを作るのにはデジタル以上に「お金」と「思い」、さらに「時間」がかかるので、その国は長い間、「複雑骨折」の後遺症に悩まされることになる。

もちろんその手前で、その上に成り立っていたビジネスも崩れてしまう。

従業員を守り、箱ごと倒産する日本企業

日本ではアメリカのように解雇(レイオフ)が容易ではなく、重たい人件費を抱えたまま(従業員を解雇するということに慣れておらず、また法的にも解雇するという選択肢を取れない結果として)企業ごと、箱ごと倒産するという傾向にあるので、余計に注意が必要だ。

我慢して、我慢して、我慢して、一気に倒産する。

それが緊急事態宣言、人通りの減少と接触自粛によって、急激に加速する。

現在日本国内で統計に出てくる失業者数、倒産件数などは、本当の本当に「氷山の一角」に過ぎないだろう。

また、倒産と失業件数は、「ロックダウン期間」が少し上振れするだけで、指数関数的に激増する。水面下には隠れているものの、「日本経済が、実はアメリカと同じ状況にあるかも知れない」ことを、忘れてはならない。

(記事終わり)

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