自分を労う

自分は見た目にコンプレックスがある。
決して美しい見た目ではなくて、
人前に出る仕事なので、
すごく困る。

どうしても美容整形とか、美容医療には、
ずっとやり続けなければいけない、というのが嫌で、
手を出したくなくて、

保湿をしっかりしたり、
顔ヨガしてみたり、
良いと呼ばれることは一通りやってみて、
ちょっとシュッとするな、とかはあるけど、
別に顔が変わるわけではない。

そして、
ここのところ家族が壊れるとか、
自殺とか、
色々な別れや辛さがあり、
数年にわたって毎日のように泣く生活をしていたら、
すっかり、疲れた顔になった。

客観的に動画とかに映る自分を見て、
おおぅ、こんな顔になっとるのか、自分は、
と、予想通りだったり、
なんか諦めのような気持ちになったりする。

自分の知り合いの中には、
弟が自殺をした、という人もいるし、
その他にも、自分の大事な人が亡くなって、
それでも美しく、逞しく生きている人がいる。

みんな、すごいな。
自分は、なんでこんな見た目なのかな。

そんな風に思わないでもない。

でも、
とある日ふと感じた。

その時、自分は鶏もも肉を焼こうとしていた。

パートナーがいたときは、
テレビで筋や脂を取り除いて焼くと美味しい、というのを見て、
おし、やってみるか！
と、そういう細かいことを結構やって料理していた。
実際そうすると、柔らかいし美味しい。

でも、1人になると、
そういうことが徐々に雑になった。

筋なんかとらんし、
皿に盛らずにタッパーのまま食べたりするし。

それはそれで、
楽だし、気を使わなくていいのだけど、

でも、ふと思った。

自分にも同じように丁寧に何かをしてあげたことがあっただろうか？

単に美味しいものを作ろう、と思ったことはあるけど、
それを自分のために、
そう思ったことがあっただろうか？

他人を思うように、
自分を思ってあげたことがあっただろうか？

自分は自分の扱いが雑なのだ。

うたた寝してしまったら毛布をかけてあげるような、
さりげなく相手の話を聞いてあげるような、

自分ができる、相手を思うことって、そんなことだけど、

そんな優しさを、自分にもしてあげたい、
そう思った。

ここ最近、自分を大事にする、ということが頭にあった。
ちゃんとその方向に向かってるものだな、そんな風にも思った。

そうすることで、人も大事にできる、
そう思いたい。

時々やるせないほど空っぽのような見た目に見える自分を、
ダメだろうそれじゃ、って言って、
美容医療とか、
そうでなくても頑張って保湿したり、顔ヨガをしたりするんじゃなくて、

大変だったね、お疲れ、
よく頑張ったな、

まずはそう言って
労ってあげたい。

自殺するまで頑張ったんだもの。

自殺の意味とかは落とし込めたけど、
そこに関わる気持ちは無くなるわけではなくて、
なかったことにはならない。

頑張ったことを、
もっときちんと自分で認めてあげたい。

もう頑張らない、と決めて、
頑張ってきたことを否定しがちな面もあった気がする。

いやいや、よくやったよ。
でも、もうそんなことしなくて大丈夫なんだよ。

そして、
そんだけ大変なことをしたんだから、
喪失感のある見た目になったって、当たり前じゃないか。

よく頑張った。
まずは、そんな自分にしっかり優しくしてあげよう。
あったかくして、
美味しいもの食べて、
優しい言葉をかけてあげよう。

人のために正しいことだって必要だ。
人のための厳しさだって、
楽しさだって。

全部、人のためになってきたこと、
自分にもきちんとして、実現していくことによって、
社会と関わっていきたい。

そう感じるようになってきた。