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山を滑るということ

知り合いというよりは近く、友達というには少し遠い存在が、この世を旅立ってしまった。

あなたが山に対してとてもリスペクトしていたことは知っていたし、決して無鉄砲ではないこともよく聞いていた。
ライディングも柔らかいのに剛くとても美しかった。

会えば気持ちよく言葉を交わしていた知り合い以上友達未満が、冬山でこの世を去ったのはもう3人。会って話をしたことがあるまで入れれば4人。
すべての方が山に対して大きなリスペクトを持っていたし無鉄砲でもなんでもない素敵な人たちだった。

悪いロシアンルーレットならばすぐに終わってほしいが

今日も完璧な雪も地形も美しい景色もピリッとした空気もそこに変わらず存在しているのだろうし、そこを目指し味わうみんなもいるだろう。

簡単そうで簡単じゃないのかもしれないが

みんな必ず帰ってきてほしいし
もちろん間違いなく自分もだ。

今朝も太陽に照らされ、白く尖った世界は
とてつもなく美しい。

こんな気持ちの朝も
運転しながら妄想でラインを刻む。

『おれはまだそっちに行かないよ』


どうぞやすらかに。



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