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すこし映画の話でも。

この写真、なんだか映画のワンシーンみたいで気に入ってます。自分で撮ったやつですが。いまブルーの車両に刷新されている相鉄線。このオレンジのシートの車両は現存しているんでしょうか?とにかく私の大学時代はこのオレンジの相鉄線とともにあります。

さて、急に映画について書いてみようと思い立ちました。なんでかというと、今回の自粛により、映画館が窮しているという話が聞こえてきているから。特にミニシアター。私の学生時代を語るのに映画を欠くことができません。水曜1限の英語の授業が終わると、主に渋谷(時に新宿・銀座・有楽町)に向かい、単館で映画鑑賞。その後カフェでパンフレットを眺めながら、映画の内容を反芻し、帰路につく。そんな大学生でした。

少し前に実家に帰って自室の棚を整理していたら、当時観た映画のパンフがわんさか出てくる出てくる。どれも捨てがたく、結局そのままにしてきました。私は、邦画好きです。たぶん日本語の(母語の)ちょっとした言い回しの違いとか、間とかが好きだからでしょう。宮崎あおいさん主演の『害虫』『EUREKA』とか、結構重ためのも観てました。中江監督の『ナビィの恋』『ホテル・ハイビスカス』とかも好きでした。是枝作品も観てたかな。『かもめ食堂』とかも好きですね。ほのぼの系。

他には、ヨーロッパやアジアのシアター系の小作品もよく観ました。小作品かわからないけど、『アメリ』は公開初日に渋谷で観たのを覚えてます。ウォン・カーウァイ作品もよく観たかな。とにかく雑食。とはいえ、ハリウッド系はあまり観てなくて、王道を外しがちなのは、当時から私らしいなと思います(今はそうでも無いかも?でもハリウッドはやはりあまり観ないなぁ)。

そして、もっとも影響を与えた作品の一つが、行定監督の『ひまわり』。有名な『GO』より前の作品です。それこそ単館で上映されていた作品で、私は新宿で観ていました。観ましたではなく、観ていました、です。なぜなら3週連続で観に行ったから!後にも先にもそんな頻度で観た作品はない。レディースデーを利用し、8月(だったはず)3週連続で観に行きました。決してすごくヒットした作品ではないと思われます。でもなんなんでしょうね、そういう世間的にどうこうではなく、私に強く響いた作品でした。DVDも持ってます。元々岩井俊一監督作品が好きで、その助監督だった行定さんの作品だったから、何か似ているものを感じ取ったのかもしれません。

その影響をガツンと受けて、私は映画を学びに行ってしまいます。早稲田にある「ニューシネマワークショップ」で映画づくりをかじります。映画監督になりたいとか、将来映画業界に入りたいとか、そういう野望はなく、ただただ映画づくりというものを学んでみたいという一心で。横浜で大学の授業が終わると、ダッシュで坂道を下り、相鉄線に乗り、電車乗り継ぎ早稲田に向かい、19時スタートのレクチャーに駆け込む。なかなかハードな日々でした。その時に一緒に作品づくりをした人たちとは今でも・・・と言いたいところだけど、そんなことはほぼ無くて・・(笑)。作品づくりは、非常に過酷で、自分の内側をえぐられるような経験でしたが、まぁそれも良い思い出。『ひまわり』を観ること無くして、あの経験はありません。スクールでは、シナリオを書く機会があり、それはまさに文章を書くことが好きで得意な自分を十分に活かせた瞬間だったのだろうと、今は思います。

脱線しますが、ひょんなことからスクールの講師にいらした中江監督と、懇親会の帰路、地下鉄の中で1対1で話をする機会がありました。「売れると(儲かると)悪く言われるけど、売れるということはたくさんの人に支持されているということだから」みたいなことを仰っていたことが印象的でした。きっと何か刺さったのでしょうね、当時の私に。

脈絡のない映画話ですが、最後にもう1作品ご紹介。これは学生時代ではないけど、『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』。これも偶然なのか、行定作品。芦田愛菜ちゃんの演技がピカイチです!きっと思うに、私がミニシアター系の作品を好むのは、人生というものに対して、ちょっとしたこと、何気ないこと、日常の中に大事なことが垣間見れる気がしているからかもしれません。ふと曇った表情とか、飲み込んだその一言とか、その中に真実があるような気がしていて。大抵そういうものは派手ではなく、時に観客にモヤモヤを与えることもあります。裏を返せは、私は映画に娯楽としてスカッとすることを求めていないんだなとも思います。なんなら、学生時代、映画を観るときは必ず1人、ポップコーン禁止でした(爆笑)。映画に真剣に向き合うために、です。今はビールとポテトをお供に観ますけどね。

ということで、ただただ私の単館映画歴と持論を並べましたが、そろそろ緊急事態宣言も解除されつつあるものの、まだまだ映画館には足を運びにくいという方はアップリンクのオンライン映画館、観てみてください!こんな機会でもなければ観ることのなかった作品、絶対あります。そういうのが人生をいい意味で狂わせてくれますから。


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