地方創生が本当に難しい理由(内的要因・外的要因)

本日は主題のテーマで私の個人的な見解について述べさせていただきます。

まず初めに私は人口400人に満たない小さな村で生まれ育ち、高校入学と同時に村を出たバックグランドを持っています。大学卒業後、社会人として約5年程度過ごしてきましたが、社会人の観点から村にに対する見方に変化が現れてきました。

一個人としては、地方創生は必要だと思います。しかしながら、それを推し進める気持ちをもって話をすればするほど、その困難さに気づかされました。

まず第一に、地方創生は究極的には人口増による地方の開発であると考えます。そのため、少子化対策のための教育の充実化、移住者へのインセンティブ、産業開発等の様々な地方自治体としての政策が存在し、それらを実行していくことで地方創生に貢献していくものであると考えています。

私が主張したい点としては、これらの政策立案・施行は地方自治体が主体となりますが、その政策の受益者となるのは、地方自治体に居住する住民になります。そして、その住民は移住者と地元住民が共存するコミュニティーに共存しています。

私たちが忘れてはならないのが、地元住民の存在です。都会に住む方と田舎に住む人間には大きな価値観の差があると私は感じます。特に人間関係においては、田舎では社会が狭いが故に人同士の関係性がより深くなります。これにはデメリットも多くあり、人間同士の関係が強いためにその関係は良い場合もありますが、悪い場合も往々にして存在します。

よく言われる話ですが、田舎では噂の広まるスピードが非常に早く、多くの場合でその情報は誇張されて広がる傾向があります。ある人にまつわる悪い噂である場合はそれはよりネガティブに誇張されて広まる傾向があるということです。そのため、田舎の住民はこのような煩わしい生活環境の中で生活しているという側面があります。

地方創生の進まない理由の一つとして、しばしば「地方には若者にとって良い仕事がない」という話を聞きますが、それは最初にやる人がいないからという話です。真の問題は誰かが最初に起業したり、既存の組織に入り中から変えようと思えない環境にあるからです。

日本人はただでさえ変化を嫌う民族ですが、これが地方の住民となるとより変化を嫌う傾向が強くなります。また、肩身の狭い煩わしい人間関係が蔓延る小さなコミュニティーで生活をしていかなければならない環境下であるため、余計に上記のようなエネルギーを持った行動をとろうと思える人間がいないということです。

これが、地方創生が進まない地方自治体の隠れた内的要因だと考えています。実際に村で育った私の経験や友人等から話を聞いた情報に対する私の個人的な見解であるため、実際に都会に住んでいる方からすればなかなかイメージしずらいかもしれません。

こういった問題に対しては、強いリーダーシップが唯一の解決策だと考えます。村社会のコミュニティーでは、比較的に同列な立ち位置で物事を考えられている方が多い傾向にあり、一方で、自分の発言には比較的責任感を持たない人や個別最適で物事を話す方が多いです。こういった人たちを牽引するリーダシップが将来的には必要になる場面が必ずあると思います。

逆に、地方自治体の観点から外的要因を挙げるとすれば、国家運営の方針として地方分権ではなく中央集権化を優先したという一言に尽きるでしょう。その結果として、地方自治体の自治権が主体的なものではなく、国のルールの範囲内で動かざるを得ない構造になっています。そのため、地方自治体独自の自治権を行使する事に大きな制限がかかっている事だと思います。

現在、様々な地方自治体で自治権の範囲内で変化を起こし、人口増等の一定の成功を収めているという社会的評価を得ている自治体が存在する事も知っていますが、政策としては、子育て支援や教育支援等が主になっており、これらの効果が出る理由は、移住者が他の地方自治体を比較をしているためであります。つまり、各地方自治体同士の競争であるため、日本全体で考えた場合に効果が出ているのかという観点の評価も必要であると言えます。

仮に、本当に地方自治体同士の競争である場合、今後は日本全体で地方創生を考えていく必要があると言えます。


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