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齊藤宇開理事長共編「自閉スペクトラム症教育の基本と実践」出版

今秋、『自閉スペクトラム症教育の基本と実践』発刊

慶應義塾大学出版社より、視覚障害教育、聴覚障害教育、知的障害教育、肢体不自由教育、自閉スペクトラム症教育の”基本と実践”をまとめた特別支援教育テキストの決定版が出版されました。宍戸和成先生・古川勝也先生・徳永豊先生が監修される全5巻シリーズです。

障害福祉及び特別支援教育の人材育成が必要

弊法人理事長の齊藤は、前職国立特別支援教育総合研究所で、ASDの教育のための基軸的な行動指標を研究開発し、「J ☆sKepsTM(自閉症教育の7つのキーポイント)」として特別支援学校を中心に広く普及してきました。現在は、公益財団法人日本知的障害者福祉協会人材育成委員副委員長、早稲田大学教育総合科学学術院非常勤講師、東京都立特別支援学校外部専門員(14校)、日本LD学会理事などを務め、特別支援教育及び障害福祉の支援者の人材育成に携わっております。

エビデンスに基づいた療育・教育・支援を!

日本知的障害者福祉協会は、知的障がいのある方の自立と社会・経済活動への参加を促進するため、知的障害のある方の支援及び福祉の増進を図る協会です。齊藤は、この協会で人材育成委員副委員長を務めています。障害福祉に携わる支援者に対し、スクーリングやワークショップを行って専門職員の育成に携わっております。共編した本著は、自閉スペクトラム症(ASD)の概念の基本理解から、教育課程の編成、通級・特別支援学級・学校での指導のあり方、就学前・卒業後の支援までを幅広く網羅しています。
その冒頭では以下のように書かれています。

「自閉スペクトラム症への教育的支援は、知的障害へのそれとは違う」現在ではこの言葉を聞いて、当たり前と思う方も多いでしょう。しかし我が国では20数年前まで、ASD教育は知的障害教育のバリエーションの1つとして行われてきました。

「自閉スペクトラム症教育の基本と実践」はじめに より

教育だけでなく福祉分野においても、同じような状況でした。障害福祉サービス事業には、知的障害のある方、知的障害を伴う自閉スペクトラム症のある方が多く通って来られます。それはサービスの種類に関係ありません。
つまり、就労継続支援A型・B型でも、生活介護でも、自立訓練でも、就労移行支援でも、この2つの障害特性の違いを正しく理解することが欠かせません。これは療育・教育・福祉のどの分野においても基本です。

ASDの特性に考慮しない対応の結果、ASDのある人に対し、1990年代に本格的に「強度行動障害特別処遇事業」が開始されました。この事業に着手せざるを得なかった背景に、ASDのある人たちの二次障害の深刻さがあり、この事業はASDの特性を考慮しない対応の不適さを浮き彫りにしたものです。「強度行動障害」の現実は、周囲の大人の対応が原因であり、「つくられた障害」、そして「避けられたかもしれない障害」です。

「自閉スペクトラム症教育の基本と実践」はじめに より

人生100年時代。18歳で学校を卒業した後も人は経験を重ね、成長していきます。定型発達の方と同じペースではないかもしれませんが、心も身体も変化していきます。一人一人の障害の状態、一人一人の想いに応える支援を継続していくために、”まず本人を理解する”ことが重要だと考えています。

本人主体で生涯を送ってもらうために

私たちは、本人主体で生涯を送ることができるように、意思決定を支援します。
そのために、知的障害を理解し、自閉スペクトラム症を理解し、そしてご本人のキャラクターや想い、得意と不得意を理解してサポートします。

[書籍の紹介]
自閉スペクトラム症教育の基本と実践(特別支援教育のエッセンス)
出版社 ‏ : ‎ 慶應義塾大学出版会 (2023/9/10)
発売日 ‏ : ‎ 2023/9/10
監修者:宍戸和成・古川勝也・徳永豊
編 者:齊藤宇開・肥後祥治・徳永豊
定 価:2,420円



<私たちのこと>
社会福祉法人宝ものは、本人主体で生涯を送ることができるように、意思決定を支援します。ここに集う方は皆さんが「宝もの」です。家族、地域社会、人類にとっての「宝もの」として光り輝く存在になるよう、共に努力を重ねることを誓います。
法人概要:社会福祉法人宝もの
所在地:東京都国分寺市内藤二丁目41-69
設立日:令和4年9月28日
事業所:令和5年7月1日開所 
    多機能型事業所(自立訓練6名・生活介護14名)
    相談支援事業 *準備中

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