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【保存版】科学から見た速読の3つの嘘と1つの真実 5分間で2倍速になるコツも紹介!

「私はページの真ん中に
指を走らせる速読コースを受講し、
『戦争と平和』を20分で読むことができた。
ロシアの話だったね」。

名喜劇監督ウディ・アレンのジョークです。

ただ速いだけで、何も身につかない
「速読法」を皮肉っています。

「速読」は誰もが憧れます。
勉強が仕事の学生はもとより
本当の仕事に追われる社会人は
一刻も身につけたいスキルでしょう。

そこで今回は、まず科学的に
これまでの「速読法」を検証しましょう。

1.速読の始まりと3つの理論


「ひと目で文節全体を把握して、かつ
内容を頭に入れてしまう」

こんな一般的な速読の源流は
1959年に米国で発表された
「エブリン・ウッド・リーディング・
ダイナミクス・プログラム」
と言われています。

高校教師だったエブリン・ウッドが始めた
このプログラムは、瞬く間に全米に
広がりました。

受講生には、ケネディ大統領や
カーター大統領の名前もありました。

その後、幾多の流派が生ました。

その多くに共通する理論は次の3つです。

プレゼンテーション1

たしかにこれをすれば
スピードアップはできそうです。

でも、肝心の理解の方はどうでしょうか?

2016年、カリフォルニア大学の
キース・レイナーらの研究チームの
検証論文をもとに、みていきましょう。

2.真実:頭の中で音読するから理解できる


たしかに私達は文章を読む時に
頭の中で無意識に声に出しています。

これはブレーキにも思えます。

しかし、2014年、マロリー・ライネンガーらの
研究チームは、こうした頭の中の音読は
単語識別や理解に重要な役割を
果たしている
ことを発見しました。

そもそも人間にとって言語は目(視覚)
ではなく、耳(聴覚)で認識するものなのです。

3. 真実 しっかり見ない単語は理解できない


開いた瞬間にページ全体をスキャンして
ページをめくるたびに内容を脳に
入れていく。

一般的な速読のイメージです。

でも、残念ながら人間の目は
そのようにはできていません。

画像2

ほぼすべての本は白地に黒文字で
書かれています。それを読むには、
あなたの目がまず暗い部分と
明るい部分をしっかり
識別できる必要があります。

人の眼に光が入ると、それは
眼球の底にある網膜で焦点を
作ります。

網膜には光を受け止める視細胞があり
光を電気的な反応に変換して
脳に届ける準備をします。

視細胞は、錐体(すいたい)細胞と
桿体(かんたい)細胞があります。

このうち色(赤・青・緑)や形を
識別するのが、錐体(すいたい)細胞です。

錐体(すいたい)細胞は、
どこにでも存在するわけでなく、
中心窩というわずか直径1ミリ程度の
網膜上のくぼみに集約されています。

私達が常に世界がはっきり見えているのは
絶えず眼球を微動させ(サッカード運動)、
見たいものの像をこの中心窩で瞬時に
とらえる作業(固視)をしているからです。

大人の場合、最低0.25秒1つの単語に
固視する必要があるとされています。

逆に言えば、この自然な
サッカード運動以上に
無理に速く目を動かしてしまうと、
文字を中心窩でとらえられなくなります。

その場合は、周辺網膜で
とらえることになりますが、
ここに分布する桿体(かんたい)細胞は、
暗い場所で明度を感知する機能しかありません。

従って、いくら見たつもりでも
像がぼやけており、そもそも
何だか分からないのです。

この点、速読法には「ジグザグ読み」や
「斜め読み」などの「飛ばし読む」の技術があります。

しかし、1985年のウェイン・L・シェビルスキーらの
実験によれば、英文における”the”のような一見
意味のない冠詞であってもそれを取り除いて
読ませると、文章の理解力が落ちることが
分かりました。

プレゼンテーション1

速読を考えるときに、知っておきたい原則です。

4. 真実 何度も振り返って読むから理解できる


「一度読んだ部分は読み返さず、
ひたすら前に読み進める。」

たしかに「戻り読み」を無くせば
速く読めるでしょう。でも、本当に
「戻り読み」はただの妨げなのでしょうか?

2014年、こんなタイトルの論文が発表されました。

「一度読んだだけものを信じないで-
理解度は読書中の戻り読みで決まる」

執筆した南カリフォルニア大学の
エリザベス・R・ショッターらの
研究チームは、こんな実験をしました。

参加者の視線の動きをモニターしながら
参加者に次の2種類の文章をよんでもらいます。

A群)通常の文章
B群)単語の各文字について読み手の視線が
  通過するとバツに置き換わる特殊な文章

つまり、B群は強制的に戻り読みができず
いやでも前に進むしかなくなります。

速読理論からすれば理想的です。
事実、速読用アプリには単語を1つずつ順番に
素早く表示するRSVP(rapid serial visual presentation)
とよばれるものが人気です。

しかし、結果は予想外でした。

最後に行われた2択の内容確認テストでは、
戻り読みできるA群の方ができないB群よりも
約50%の精度で回答できていたのです。

さて、いくら速くても、半分も内容を
つかめていない読書は意味があるのでしょうか?

そもそも文章は戻り読みを前提に
書かれています。「これ」「あれ」「それ」
といった指示語が存在するのもそれ故です。

読み返してはじめて全体がつながって
理解できたら、読み落としに気づく
ことも多々あります。

戻り読みは大事な著者との対話なのです。

5.  科学的にみた読書速度を上げるただ1つの方法


読書の速度を上げる方法ならば
いくらでもあるでしょう。

でも同時に理解度を上げるとなると
途端に通じなくなる方法がほとんどです。

象徴的な実験があります。
1980年、カーネギーメロン大学の研究チームは
次の3つのグループに文章を読んでもらました。

A群)速読者チーム
(1分間に約600~700単語読める)
B群)一般人チーム
(1分間に約250単語読める)
C群)読み飛ばしチーム
(1分間に約600~700単語見てもらう)

最後に要点確認テストをすると
面白い事実が分かりました。

一般人の約2.5倍速で読めるA群)
速読者チームの点数は、C群)読み飛ばし
チームよりはマシなものの、
あきらかに普通に読んだB群)一般人チーム
より下でした。

さらに面白いことが分かりました。
文章を背景知識のない高度な科学論文にすると
A群)速読者チームの点数は最下位に
なってしまいました。

結局、理解とは今までの知識と新しい知識の
結びつきで起きるものです。いくら速く読めても
全く知識がないものを、理解することは
できないのです。

2016年、カリフォルニア大学の
キース・レイナーらの研究チームは
速読法の歴史を総括した上で、
次のように述べています。

プレゼンテーション1

誰でもどんな本でも素早くよみこなす
速読法は存在しえません。

ただ入門書からはじめて、徐々に
専門用語と理論展開になれていくで
徐々に読む速さは上がっていくのです。

6. 理想的で実践的な速読法「スキミング」

とはいえ、これで終わりでは
つまらないですよね。

キース・レイナーらの研究チームも
ある手法については一定の
評価を下しています。

それが「スキミング」です。

文書全体ではなく、自分にとって
重要な部分だけを選んで精読
して行く方法です。

実は私達も本以外であれば、普通に
スキミングをしています。

会議前のレジュメやテスト前の教科書は
そうです。最も顕著なのは、新聞でしょう。

パーッと見出しや写真だけを見て
一番興味がでたものから読んでいく。

ちなみに平均的な新聞の朝刊1部は、
何文字書かれていると思いますか?

「メディアポ」のサイトによると
なんと【約50万4,000文字】。
(1紙40ページ、1ページ上下15段、
1行入る12文字換算)

400字文字原稿で換算すると、1260枚。
文庫本約3冊分です。

毎朝、文庫本3冊読んでいる方が
周囲にいたら尊敬しますよね。

でも、ゆっくりした朝に
朝刊全体をながめたあなたは、
それだけの読書ができているのです。

しかも、新聞を読んだあとで、
家族や同僚とその話題である程度
話せるので、それなりに理解もできるのです。

スキミングの要は「目的意識」です。
「これだけは知りたい」という指針です。

研究チームは、より効果的な
スキミングの方法として次のものを
提唱しています。

プレゼンテーション1

そして、自分と関連しそうなところ
だけを注意深く読んでいきます。

これを本にも応用すればいいだけです。

しかし、私達はどうも本には気を
使いすぎています。

学校教育の影響か頭から読んで、
一言一言理解しなければ読書でないと
思い込んでいます。

でも、読書の主役は「あなた」です。
あなたが今まさに必要な点だけを
拾って持ち帰ればいいだけです。

それ以外の部分は気にすることはありません。
目次や見出しをみて、特に今は必要が
なければ読む必要すらありません。

そうです。究極の速読法は、
今の自分に無関係の本は
最初から読まないことなのです!

7. 科学的速読メソッドの1つ「ストレートリーディング」

現在、私はこうした科学的な根拠と
実践をもとに4C読書法という方法を
広めています。

結局、人は無理はできません。
できても続きません。

負荷のあまりにも多い速読は
できても教室内どまりです。

たしかに、何かをスピードアップさせるには
負荷をかける必要があります。
スポーツの練習と同じです。

しかしその負荷は
せいぜい【2%】までです。

そんな2%の背伸びの集積である
4C読書法から、最後に1つの
ノウハウをご紹介しましょう。

それが「ストレートリーディング」
という手法です。

やり方はとっても単純で、
あなたが今読んでいる行にそって
指を動かしてガイドするのです。

ポイントは速く指を動かすことです。
3倍くらいの速さでも構いません。

これだけでも読む速度は倍になります。

それだけ私達の目は寄り道を
しがちなのです。たとえれば、
ジグザグ・ダッシュ・ストップを
しながら歩くようなもの。
遅くなるばかりで、疲れる一方です。

前述のように、私達がものがはっきり
見えるのは、中心窩というわずか
直径1ミリ程度の網膜上のくぼみで
対象をとらえたときだけです。

そのために、眼球は絶えず動く
サッカードと呼ばれる運動を
しています。

しかし、この運動のタイミングには
ムラがあります。いつ次の単語に
移動するかはその時々なのです。

そこで指を読むべき対象にそえて
動かすことで、眼球運動に一定の
リズムを与えます。

いわば音楽演奏でのメトロノーム代わりです。

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また、「理解への集中」という利点もあります。

1993年、脳科学者
アレキサンダー・ポラツェクらの
研究チームは、ある一文に固定線を引き、
その下の文章の有無で読者の内容理解が
変わるかを調べました。

15人の参加者に試した結果、
固定された線の下に何の文章も
続いていない場合の方が、
続いている場合よりも
【6%】読む速度が速かったのです。
さらに、理解度には差はありませんでした。

つまり、読者にとって現在読んでいる行の
上下の行の存在を意識することは、
あまり益があるとはいえないのです。

この点、指を今読んでいる行に
そわせることで、他の行へ意識が
向くことを防ぐことができます。

なお、さらにスピードアップさせたい場合は
「指をそわせる」のではなく、
一行の中の文章のかたまりごとに
「指を置いていく」ことも有効です。

一行60文字ならば、20文字ぐらいを目安に
その箇所に指をどんどん置いていくのです。
あなたの目はそれを追いかけて、より素早く
読むようになるでしょう。

本日もお読みいただき
ありがとうございました。

こうした科学的に正しく
実践したくなる速読法に
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参考文献(P100~101)






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