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競争に負けた企業はどうなるの?

デフレの時には、
企業間の競争はしない方が
良いというのはわかったけど、

中には反論で、
『デフレは供給過剰なら、
企業の数が減ったらよいのでは?
そのために、競争を激化させると
弱い企業が淘汰されて、
結果的に供給は整ってくるのでは?』
などがあるかもしれません。

実際に、
平成の構造改革の時には、
非効率な企業や産業が
温存されているから、
構造改革が進まず、
経済が停滞しているのだ。
などの意見もありました。

中には
ゾンビ企業というような
発言も見られました。

確かに、
企業が倒産すれば、
その分、供給は減少します。

ただ、
ちょっと考えてほしいのですが、
企業は投資をしますが、
投資とは需要です。

したがって、
企業が倒産すると
その企業の投資を行っていた分の
需要が減少します。

また、
企業が倒産すれば
そこで勤務していた
労働者は失業します。

その結果、
失業に伴って、
個人の消費による
需要も減少します。

つまり、
企業の倒産は、
供給の減少と同時に、
需要も減少させてしまうことになります。

そのため、
競争により企業が
淘汰されると、
供給だけでなく
需要も減少するために、
結局、デフレの解消には
つながりません。

にもかかわらず、
非効率な企業が淘汰されると、
経済は成長するという
意見が根強く存在します。

おそらく、
国の経済運営と
企業経営のやり方が
混在しているからでは
ないでしょうか?

多くの企業では、
無駄な部門などは排除して、
企業体質を
無駄の少ない筋肉質の
経営が求められます。

その観点で、
国の経済を見ると、
経済構造を筋肉質にしたいがために
そのように考えるのではないでしょうか?

確かに、
企業で見れば、
無駄を排除して、
中には、
解雇などを行うことも可能です。
会社からいなくなって終了です。

ただ、
国といった経済全体でみると、
そのようにはなりません。

企業がつぶれたら、
従業員は
国の経済の中から消えずに
失業者として存在することになります。

失業者の定義は、
働く意思、能力はあるのに、
定職についていないもの
となっていますので、
もったいない人的資産になります。

つまり、
国で考えると、
失業者が多くいる経済は
人的資産が遊んでいる経済、
筋肉質とは反対の
非効率な経済となります。

そのため、
国と企業の経営とは
全く視点が異なったものであると
考える必要があります。

よく、
○○会社の取締役などが
国の参考人として
参加したなどの場面をニュースでみますが、
民間のビジネスセンスで、
国の経済運営を考えると
間違った結果となるのは
このあたりが関係しているといえそうです。

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