1−4 インフレの背景と複利の影響
ここまでが日本の背景なんですが、では外国の背景はどうかというと、外国はお金の教育が進んでるんですよという話を聞いたりしますよね。例えばアメリカの例を伝えます。
アメリカはどうして教育が進んでるか?ですが、
アメリカはこのインフレが平均的にずっと
2から3%ずっと生じていたんですね。
もちろんテロや金融ショックなどの影響で、
一時的に経済が一瞬落ちる込むことはありましたけど、
平均すればずっと上がってるわけです。
そのため、ものの値段が上がるのが普通なので、
それに負けないようにしておかないとだめだよね。
というところから資産運用をするのが日常なんです。
むしろしないと損だよねという話だったんです。
アメリカをはじめ外国の経済はインフレが普通だからです。
一方でデフレが続いている国は地球上で日本だけです。
他の国は、インフレしてるから負けないように運用しないとねと
いうのを親から学ぶんです。
ただ、私たちはデフレで物の値段が下がるという特殊な状況にいたからこそ、
別に運用なんかしなくても良かったという
偏った経験が定着したわけです。
そして今になり
『アメリカは投資が進んでいる、
金融教育が素晴らしい。』
もちろん確かに、小学校からお金の授業で習います。
ただ、そもそも置かれてる環境が日本は圧倒的にまずいわけです。
そして金融教育の制度が伴ってないという
ダブルパンチのまずさをここにあります。
実際に日本のインフレ率の推移はどうだったか?と言うと、
日本もある時点までちゃんと伸びてたんですね。
ただ、途中から折れ、失われた30年というようなものになったわけですね。
そのため、上がり続けるアメリカと、少子高齢化、そして失われた30年という超長いデフレが続いているという2つのトピックスが日本のまずさなんですね。
ではここで日本とアメリカで資産運用、
お金を金融投資に回してる割合のデータが総務省の方から出ています。アメリカ人は現金でどれぐらい持ってると思いますか?
アメリカは大体10~20%です。
一方で、日本はどうだったかと言うと51%が
現金預金なんです。
別にこれが良い、悪いじゃないです。
ただ、知ってて、この51%を選択しているのか、
知らずに51%を選択しているのか、
というところにものすごい差はあります。
だからこそ、
周りの人とかにこういう背景があるんだよっていうのが
広まって欲しいなっていうのは本当に思います。
なぜなら、
この51%はインフレには勝てないからです。
日本の場合は金利が0.001%であり、実質金利はマイナスの状況です。
家計の所得のうち労働をして得たお金と運用で得たお金の割合がどれぐらいなの?というのが日本とアメリカでデータが出てます。
アメリカは勤労と運用が3対1と言われてます。一方で
日本はどうなの?というと8対1です。
現状日本っていうのがまだまだ勤労にかなり重点が向いている。こういうのが背景から取れます。
ここからはインフレと言っても、じゃあインフレ全て起こればいいのかっていうとそうではないという話を今からしていきます。
良いインフレと悪いインフレという話になります。
そもそも何で物価が上がる?ということなんです。
インフレは需要(買いたい!)と供給(売りたい!)のバランスが
需要>供給となった時に生じます。
需要>供給となるには、
・景気の好調などで、皆豊かになり物を買う量が増えたことで需要が大きくなり上回るパターン
・物の供給の過程で制限などがあり、供給の効率が下がることで相対的に需要が上回るパターン
この2種類が存在します。
前者の景気が引っ張り生じるインフレを
ディマンドプルインフレ、
後者をコストプッシュインフレと言います。
今回の戦争による小麦の高騰や、
鳥インフルエンザ蔓延に伴う卵の高騰などがこれに当たりますね。景気の良し悪しにこちらは関係なく生じるという点がポイントです。
では良いインフレと悪いインフレはどちらだと思いますか?
・・・
・・・
・・・
正解は
ディマンドプルインフレが良いインフレ、
コストプッシュインフレが悪いインフレとされています。
最近のインフレという報道でも、
このインフレの定義がぐちゃぐちゃで言われています。
そのため、
同じインフレという言い方をしても求められる態度が違う訳です。
そもそもの論点が違うからなので
定義を知った上でニュースなどを見てもらえると良いのかなと感じます。
では、どうしてそれぞれが良い・悪いインフレとされているかについては、
別の記事に記載していますので、
良かったらご確認をお願いします!
https://www.takablog.top/経済に関する言葉を学ぶ!-ディマンドプル型イン/
重要なポイントとして、
消費が行われた時に需要というものは刺激されますから、
企業の利益が増え、
職員の給料が上がり良いサイクルが回ることで
ディマンドプルインフレの2% を達成しましょうというのが
世界全体の共通認識なんです。
もちろんこれは必ず給料に反映されるという前提があるため、
多少の乖離はもちろんありますが、
利益が増えすぎたら法人税を払いたくないから、
じゃあ人件費で支払っておこう。
と給料が増えやすい環境になると言えます。
(法人税下げて、消費税が上がると人件費が抑制されやすくなるので、この点でも避けてもらいたいところ…)
給料が上がれば、
別に物価が上がっても買えるからいいよね。
という高度経済成長のインフレであったわけです。
続いてコストプッシュインフレの説明も
別の記事で記載しているのでそちらの確認をお願いします!
https://www.takablog.top/経済に関する言葉を学ぶ!-コストプッシュ型イン/
要は、コストプッシュインフレの場合は、
利益が減るわけです。
その結果、給料などにも反映はされません。
そうなると消費が冷え込むことから、
景気の向上は生じません。
そのため、コストプッシュインフレはデフレに繋がる可能性があるわけです。
ここまでが、良いインフレと悪いインフレという話でした。
では、インフレするとお金の価値が下がるという話をしました。
年間どれぐらいでしたか?
・・・
・・・
・・・
2%でしたよね。
ただ、2%というと。
まあ、ちょっとのことじゃない?100円が102円でしょ?
と言われることも多いです。
ただこれが積み重ねなんだよという話をしたいと思います。
30年間で、
実際に僕たちが買ったりする商品がどれぐらい値段が変わったか?
という話ですが、
1985年から2015年で
タバコは2倍、大学の費用は2.1倍、はがきは1.7倍になりました。
つまり毎年毎年で見れば
1%や2%とかっていう話にはなるんですが、
塵も積もれば山となり、
30年になると2倍など結構大きいですよね。ただ僕たち日本人にはデフレでの対策が染み付いています。
このインフレの場面で困るのは預貯金です。
この0.002とか0.001%のことを〇〇金利と言いますが何でしょう?このままの金利のことを名目金利と言います。
で、実際買える力っていうのは物価の影響を考えて考慮して見ないといけない。つまり名も僕からこのインフレ。の影響を引いたものを実質金利と言います。
【名目金利-インフレ率=実質金利】
インフレ率は2%でしたので、
実質金利は現在の日本の50%を超える多くの方が預貯金が多いことから、
名目が0.001%のため実質金利は-1.9%であるわけです。
つまりインフレが進むと困るのが預貯金なんですね。
もちろん預貯金に求める機能は
様々あるかと思います。
ただ資産の価値を守るという意味においては、
貯金だけはまずいです。
そのためお金の価値っていうところは、この名目と実質をちゃんと把握して、情報をしっかり得た上で自己責任で運用してください。と国は言っているわけです。
ここまでがインフレの影響です。
では、これらを踏まえて、
最後複利の話をしていきます。
便利なツールを先に紹介します。
Googleの検索で『Google 計算機』を調べてみてください。
この機能は、複利の計算を行う上で使いやすいのでおすすめです。
では、複利の影響は
・自分の資産が増える要素
・自分の資産が減る要素
に分けることができます。
まず自分の資産が増える要素についての
複利の式としては
元本×(1+運用利率(%))経過年数
となっています。
一方で、
自分の資産が減る要素としては、
先程までに説明したようなインフレ率なども同様です。
複利の式としては
元本×(1-変動率(%))経過年数
となっています。
例として、
元本100万円を、利率5%の商品で10年運用したら、
元本はいくらになるでしょう?
正解は約163万円(16288946円)となります。
では最後に、
単利と複利の話を整理して終わります。
単利:元本に対して利益が発生する。
その都度利益を受けとる。
複利:元利合計に対して利益が発生する。
これが実際にどのような差が生まれるかというと、元本100万円を年利10%で30年運用したとします。
単利の場合は、年間10万円の利益が30年なので300万円の利益となり、元本と合計すると400万円となります。
では複利ではいくらになると思いますか?
・・・ 正解は1750万円(元本100万円込み)です。
担任の方は 30 年間 10万円が積み重ねるので、最後の金額は 400万円になります。そのうち 100万円は元本です。つまり利息は?ま 300万円だったよ。っていう話ですね。じゃあ複利ってどうなんでしょうか?特にはどれくらいだと思いますか?
この差はすごくないですか?異なるのは複利と単利だけです。
複利というのは後になればなるほどパワーが出るので、
徐々に徐々に雪玉を転がしていったら大きくなるようにという例えからスノーボールと
言われたりします。
またアインシュタインは
『人間の最大の発明は複利である』と。
別の偉人は、『複利を敵に回すな味方にしろ』と言います。
複利はパワーがありますが、味方にも敵にもなりえますので、
知っておきたい情報になります。
なので、この複利などの情報を知ってインフレに対応していくというもの。今後求められるような背景なんですよ。っていうお話でした。
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