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始めるには遅い。

つい1ヶ月前はまだ得体の知れない、誰の目にも見えないウィルスとやらに翻弄されてずっと自宅にいた。もしかしたらあの時間は新しいことをするのにちょうど良いタイミングだったのかもしれないが、わたしは何を始めることもなくただただ家にいた。あの薄いもやのような時期に日記を始めた人の話も何回か聞いた気がする。明らかに始めたばかりのようなジョギングのランナーに、家の中から密かにエールを送ったりしていた。

 何か、文字を書いてみようと思った。共同作業というタフなプロセスではなくたった1人で始められて誰にも知られず終わることができるようなことを始めたいと思った。体が外に出始めて、頭が動き出すのと一緒に何か違うことを考え始めたのかもしれない。noteに登録しようとページを開いてみたら、いつの間にかすでにアカウントができていた。いつこのアカウントを作ったのか全く記憶にない。どんなタイミングで、どんな心境で始めようとしたのか。そして、あくまで”始めようとした”だけでいわゆる記事は一切上がっていない。記憶を辿ってもその端っこすら掴めない。もはや他人くらい訳のわからない自分が過去にいたのだろう。

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それでもじゃあ良きタイミングは今かと文字を書き始めている。何でもかんでも手を出して、すぐにやめてしまうわたしのことだから、きっと少し書いたらまた心の状況も変わってやめてしまうだろう。それでも文字を書くことで何かが変わりそうなら、その気配だけでも掴めるならやってみようと思う。

こう書いて、今下書きにこの文章を保存した。そうしたら、「続きが楽しみです。」なんて言葉が出てきた。よくわかってるじゃないか。下書きを書いて、少し時間なんて経ったものなら途端にオープンになどできなくなる。まさか他愛無い文章の下書きを保存して誰かにほんのちょっとのエールを送ってもらえるなんて思いもしなかったよ。

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