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【読書メモ】ピッチ数をマニアックにデータで考える!?:『ダニエルズのランニング・フォーミュラ 第4版』(ジャック・ダニエルズ著)

『ダニエルズのランニング・フォーミュラ』の第2章では、ランニングにおけるトレーニング、ピッチ、接地などについて徹底的に書かれています。いずれもデータに基づいて、かつ豊富な実例を交えて説明してくれるのでランニングを考える上でとても参考になります。

ハードな練習の筋疲労は48時間後

著者はビジネスパーソンの忙しさに共感してくれた上で、平日の二日連続+週末の二日間というトレーニング・スケジュールを推奨しています。というのも、ハードな練習をした後の筋肉疲労は24時間後よりも48時間後の方があるからだそうです。

そのため、たとえば火曜日に追い込んだ練習を入れた翌日の水曜日はジョグにする、といった提案をしています。直感的には連続で走る方が疲労が蓄積すると考えてしまっていたので、1日おきに走るということをしてきたのですが、この考え方は改めます。

トレーニング強度を上げるスパン

トレーニング・メニューの考え方についても学びが多くあります。まず、同じメニューを繰り返していても走力の向上を図ることはできません。だからといって頻繁にメニューを変えることも問題だと著者は以下のように指摘しています。

トレーニングストレスを増やすというときは、まず6~8週間、トレーニングストレスを一定に保つこと。変更を加えるのはそのあとである。1週間ごと、あるいは1回ごとにトレーニングの質を上げようとするのは間違いだ。

p.58

トレーニングの強度を上げることは大事です。ただ、6-8週間というスパンで同じ強度で行った後に一段階引き上げるという機関の捉え方が重要のようです。

ピッチは180回が理想

ピッチというデータも重要な指標となるようです。著者は180回/分が望ましい値であるそうです。ピッチを180にすることで接地の衝撃を小さくすることができるようです。

接地の衝撃が小さくなることによって怪我のリスクが軽減されます。これには痛い思い出があり、ランナー膝を発症した2018年の亀岡ハーフマラソンの時は、長い緩やかな下り坂で飛ばすために歩幅を広く(=ピッチを減らす)してしまったのです。接地の衝撃が大きくなったためにランナー膝になったことが考えられるのでピッチを意識することは大事です。

2023秋-2024春シーズンの3回のレースでのピッチを見てみると、東北・みやぎ復興マラソン(2023年11月)と大阪マラソン(2024年2月)が174、長野マラソン(2024年4月)が177というスコアでした。自己ベストを大幅更新した長野のスコアは相対的には良いものの、著者が勧める180は実現できていませんのでここは今後の課題でしょう。

面白いのでさらに過去のレースに遡ってみると興味深い傾向もわかりました。長野マラソン(2023年4月)=172、湘南国際(2022年12月)=173、黒部名水マラソン(2022年5月)=174、東京マラソン(2022年3月)=171、鶴見川マラソン(2020年12月)=170、となっていました。基本的にはピッチ数とタイムは相関するようで、ピッチには自覚的になった方が良さそうです。

身体の重心で接地せよ

ではピッチをどのように上げていけば良いのでしょうか。著者は接地する場所が鍵だとしています。これはアシックスのランニングラボでも同じ指摘を受けましたが、足を身体の前に接地させるのではなく身体の重心(つまりは下)に接地させることが大事です。前に接地させると前進している身体にブレーキがかかってしまい、スピードが削がれるのとともに足にかかる衝撃も高くなってしまうからなのです。

つま先が外に向くのはキケンな兆候

また接地の際のつま先の向きについても著者は指摘しています。ズバリ、つま先が外に向いていると膝に痛みが生じやすくなるという警鐘をならしていて、これは痛いほどよくわかります。。。ランニングフォームを正しくしないと、健康なランナー生活は送れないようなのでしっかり治していこうと思います。


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