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【先行研究】キャリア・アダプタビリティの先行要因(14)ビッグファイブ/FFM

キャリア・アダプタビリティに影響を与える要因として、ビッグファイブ/FFM(Five Factor Model)があります。この先行研究は、多くの国で追試が行われており、ふんだんに蓄積されています。

誠実性がキャリア・アダプタビリティと相関が高い

サビカス先生は本書で13の先行研究をまとめています。その中で誠実性(conscientiousness)がキャリア・アダプタビリティと最も相関が高く出ています。

Savickas(2021)p.200を基に加筆・修正

上の表にまとめているように、誠実性の次に相関が高く出ているのは開放性(openness to experience)です。他の三つも相関は全般的に見られており、調和性(agreeableness)だけ一部で負の相関も見えるので留意が必要かもしれません。

好奇心がビッグファイブとの相関が高い

次に、キャリア・アダプタビリティの下位次元とビッグファイブとの相関を見ていきます。

Savickas(2021)p.201を基に加筆・修正

結論としては四つの次元のうち好奇心(curiosity)がビッグファイブとの相関が最も高いようです。上の表を見ていただくと、ビッグファイブの中でも開放性との相関が最も高いことがお分かりいただけるでしょう。

代替五因子モデルでも相関あり

FFMを修正したモデルとして、代替五因子モデル(AFFM:Alternative Five Factor Model)というものがあります。FFMと同様にキャリア・アダプタビリティに影響を与える要因となっていることが先行研究では明らかになっています。

Savickas(2021)p.204を基に加筆・修正

HEXACOモデルも同様に相関あり

HEXACOモデルというものも性格特性を測るものとしてあります。HEXACOは六つの特性の頭文字を取っているもので、Honesty-Humility(誠実さー謙虚さ)、Emotionality(感情性)、eXtroversion(外向性)、Agreeableness(調和性)、Conscientiousness(誠実性)、Openness((経験への)開放性)、です。

Udayar et al.(2018)をはじめとしたキャリア・アダプタビリティとの相関を明らかにした先行研究によれば、誠実性が最も相関が高く、外向性との相関も出ているようです。



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