幸せなお金の価値観
こんにちは、産婦人科医の高尾美穂です。
今日もいただいたレターをご紹介させていただきます。
初めまして。
リアルボイスを聞いて自分を振り返ったり、こんな方もいるんだと思いながら勉強させていただいています。
今年で54歳になる主婦で、夫と息子24歳と17歳がいます。
今日は自分の性格のことでお話を聞いてほしいです。
子供の頃の育った環境があまり裕福ではなく欲しいもの、やりたいことを我慢して育ちました。
思春期は父親とも喧嘩が絶えず、19歳で一人暮らしを始め、家からは何も援助してもらわずに頑張りました。
24歳で結婚してからは、夫の家族が金銭面でよくしてくれることや、パートのお金を貯蓄してきたこともあり、今は自分で使えるお金はそれなりに持っています。
ただ、いまだに貧乏性が抜けずに欲しいものを我慢したり仕事でも一人で頑張り過ぎてしまったり、何につけわざわざ苦労する方を選んでしまいます。
そろそろ好きなもの、好きなことにお金を使っていこうと思っていても、なかなか実践できません。
時々人生損しているような気分になります。
子供や友達、親切には高いものでも買えます(笑)
こんな性格の私に何かアドバイスなどありましたら教えてください。
育ってきた過程において裕福ではなかったので、貧乏性で育ったことが何となく人生損しているように思うというようなレターかなと思います。
ただこの方の場合は、お友達やお子さん、それからおそらく自分にしてもらった親切に対してのお礼など、自分が使おうと思っているものに対してはお金を使っているけれども、自分の好きなものや好きなことにお金をなかなか思い切って使えない。
その原因が、育ってきた過程に我慢をしてきた生育歴にあるのではないかと思っておられるということかと思います。
このことについて私の場合を考えてみると、私自身、自分のやりたいことを相当やらせてもらって育ってきた人間だと認識しており、実家がすごくお金がなくて困ったというような経験もしていません。
ですので、レターをくださった方とは生育歴が違うと言われれば違うのかもしれません。
しかし、私自身が今の生活の中でものすごくお金を使うような生活をしているかと言われると、決してそうでもないのではないかと感じます。
お金の価値観はいつ決まるのか
育ってきた過程の状況と成長してからの自身のお金の使い方には関連があるかないかと言われたら、関連がある可能性もあるのかもしれません。
しかし、成長してからは自分自身で自分のお金の価値観って決められるのではないかと思っています。
いま私はお金を稼ぐことや、いただいているお仕事に対しても非常に満足感高く過ごさせていただいているので本当にありがたいなと思ったりするわけですが、すごく贅沢な、ラグジュアリーな暮らしをしているかと言われると、そんなこともありません。
例えば、夕食にお鍋を作ろうと思うと、帰宅時にスーパーに寄って使い切れる程度の量であれば、割引になっている野菜を選んだり、その日に使う予定がないものに関しては日持ちするようなものを選ぶようにしたり、ティッシュペーパー1枚でも大事に使いたいタイプです。
こういったことは、やはり今自分自身がそのお金をどのように使いたいと思っているかということの方が大事なのではないかなと思ったりしています。
ただ私の場合は、自分の好きなところにはしっかりお金を使うと決めています。
何でもかんでも買うというわけでなく、好きなものを惜しまず買って大事に使っていくというようなイメージかもしれません。
私はラルフローレンが好きなので、お金を使う先になると思いますが、十年前に買ったものも今でも着ていますし、体型が変わっていないので、高校時代に買ったVANSのジャケットはいまだに着ています。
自分が気に入っているものであれば、手入れもすると思いますし、大切に着たい、汚したくない、傷つけたくないというようなそういう気持ちを持ちながら使うので、ざっくり引き算しても30年以上ですが、その間着ることもできています。
お金の価値は、ものを大事にするという気持ちと何らかの関連があるだろうと感じており、それは例え育ってくる過程において、ものが有り余っているような家庭に育ったとしても、ものを大切にする人になれるのではないかと私は思っています。
幸せなお金の使い方
今回のレターに戻ってみると、この方の場合はお友達やお子さん、親切に対して使うお金はおいしくないとおっしゃっており、まずそれで十分なのではないかと思います。
その上でご自身が何に対して使いたいかを考えてみるのはいかがでしょう。
例えば、一人で、もしくはパートナーと一緒に旅行に行きたいということであればそこにお金を使うのもありですし、何かを学びたいということであればそこにお金を使うっていうのも勿論あると思います。
いずれにしても、お子さんやお友達に使うお金がおしくないと思っておられる、このお金の価値観って本当に幸せな素敵な価値観で、人生損をしてるなど、全く思わなくて良いのではないでしょうか。
人生を考えてみた時まず、自分が本当に必要なもの、すごく気に入ったものに関しては、一生懸命そのためにお仕事をして貯金をするというのもありだとは思います。
そしてもう一つこの方とも共通していますが、人に使うお金は惜しくないと思っています。
特に自分の周りの一緒に時間を過ごし、色んなサポートをしてくれるような方、一緒に仕事をする仲間などに、ありがとうという気持ちを形に変えるであったり、そこにお金を使うということは私にとっては喜びだったりします。
それに、何かしら楽しみや喜びがあった方が嬉しかったりしませんか。
誰かの誕生日を祝う、クリスマスにケーキを買う、ごちそうをするなど、大切にしたい人とのコミュニケーションにおいてお金をしっかりと使うということは、本当に幸せなお金の使い方だと思います。
そしてもう一つは、困っておられる方のために使う。
最近であれば、被災された方への募金であったり、自分の生活範囲の中で困っている人のために何かできることないか考えてみる、まずここから始めてみることでもいいのではないかと思います。
いずれにしても、私たちはものを消費しながら生きているわけですが、形あるものは、いつかは形を変えるという原則には抗えません。
執着まで至らない程度の愛着や愛情を持ってものに接するということ、そして感謝の気持ちを持ってその気持ちと共に手放していくということも大切なことかもしれません。
お金は貯められるので、どんどん貯めることは一見良いことのようにも思いますが、それが失われる時の恐れや心配の理由になり得るとも言えます。
しかし天国に持って行けるわけでもありませんので、必要な分ぐらいは持っておいて、大切な方達に感謝の思いと共にしっかりとお金を巡らせて、良いコミュニケションを続けられるということの方が良いのではないかと思ったりしています。
お金の使い方には人となりが現れる、一円を大切にしない人はお金というものに好かれないとも言えるのかもしれません。
これについては、ほんとに人それぞれだと思うので、自身が今どんな価値観を持っているのか、人に対して気持ちの良いお金との付き合い方について考える機会になっていると捉えるのも良いと思います。
お金の使い方は、これまでのお金に対する自分の感謝の気持ちみたいなものが大きな影響を及ぼしていると思います。
もちろん自分にもメリハリをつけてお金を使えばいいとは思いますが、自分の周りにいてくれる人が喜ぶような、感謝の気持ちを伝えるために使うお金って本当に幸せだという思いを皆さんにもお届けできればと思ってお話をしてみました。
皆さんからの温かいサポートはすべて「保護ねこ活動の支援」に使わせて頂きます。 いつもご声援有難うございます。