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ディア・ファミリー

実話の映画化だろうとフィクションだろうと、余命何年系の作品は好きになれない。やっぱり、安直に観客を泣かせるために作られた作品が多いからだ。特に実話の映画化作品は実話であることを理由にして、ストーリー展開が唐突だったり、キャラクターの行動に矛盾があっても、実話なんだから仕方ないとして作劇から逃げているものが多いので、映画好きとしては納得のいかないものも多い。

本作も川栄李奈と有村架純が出ていなかったら見に行っていなかったかも知れない。まぁ、どちらも出番は少ないが。

川栄が制服姿を披露していたことに驚いた。朝ドラ「カムカムエヴリバディ」から2年以上経っているし、朝ドラのようなコントレベルのメイクが容認される作品ではなく、シリアスなドラマ作品だから、さすがに高校生役は無理があるんじゃないのと思ったりもしたが、昭和の女子高生と考えれば、平成や令和の女子高生よりも老け顔だから、まぁ、あれはあれでありなのかなと思ったりもした。

ところで、川栄演じる長女と、福本莉子演じる難病の次女だが、作中では、次女が高校に入学した際に校内で川栄が“あの娘、私の妹”みたいに同級生に言うシーンがあった。ということはこの2人の年齢差は最大で2ということになる(長女が高3、次女が高1)。でも、画面を見ている限り、両者の年齢差はもっとあるように見えるんだよね。
いくら、川栄が童顔だとしても、やっぱり、実年齢(学年で言うと6年)くらいの年齢差は画面上で感じるんだよね。

余談だけれど、福本莉子はいつもと違った雰囲気だった。眼鏡キャラだし。まぁ、普段のTOHOシネマズの幕間で流れている映像はどうかと思うけれどね。渡された台本通り読んでいるだけとはいえ、日本の俳優のみに“さん付け”をし、海外セレブは呼び捨てにしているのは人種差別主義者みたいだからやめた方がいいと思う。あと、コメントしている時、フラフラしているのもどうかと思う。というか、スタッフは注意しないのか?

有村かすみんに関しては川栄以上に出番が少なかったが、そのキャラ設定が超反則的なものだったので、まぁ、そういう設定なら彼女クラスの人気女優をわずかな出番でもキャスティングするよねとは思った。というか、本作を見て泣いた人のほとんどは彼女が演じたキャラが過去を明かすシーンの影響では?回想シーンも何もない説明台詞で泣かしてくれるのだから、さすが有村架純だと言いたくなる。

本作は観客動員数ランキングで初登場1位を獲得したし、実際に劇場に足を運んでみると実に幅広い層の観客が訪れていた。普段、映画館に来ないようなマナーの悪い若者もかなり来ていた。何度、後ろから蹴られたことか…。マナーCMの効果が全然ないね…。

いくら、SixTONESのメンバーが出演していてジャニオタは動員できるとはいえ出番は少ないし、福本莉子視点でストーリーが進むならまだしも、オッサンの大泉洋中心に展開されるストーリーを若者が支持しているのは何故なんだろうかと思ったりもした。

まぁ、余命何年系の話は若者に好まれるけれどね…。

それに、中高年が好きな日曜劇場とかプロジェクトXみたいな根性論・精神論全開、ブラック労働賛美の企業の開発苦労話が加わるんだから、まぁ、若者にも中高年にも支持されるのも分からないでもないか…。権力側に媚びて主人公の邪魔をする医師という分かりやすい悪役が出てくるのも日曜劇場っぽいしね。

あと、若者人気の理由の一つにはMrs. GREEN APPLEが主題歌を担当しているというのもあるのかも知れない。後ろから座席を蹴ってきた連中の1人が“映画を見てこんなに泣いたのは「ラーゲリより愛を込めて」以来だ”と話していた。同作の主題歌もミセスが担当だしね。もしかすると、ミセスが主題歌を担当している映画やドラマというだけで彼等には注目作になっているのかも知れない。

とりあえず、今年度の日本アカデミーはこの作品が過大評価されそうだなと思いました…。


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