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GWとエンタメ

ゴールデンウイークというのは映画業界が作った言葉とされるのに、4都府県のほとんどの映画館でGW中は休業しているというのはおかしな感じだ。去年のように全国のほぼ全ての映画館が休業しているのならまだしも、今年は限定的で、しかも、その休業地域には東京と大阪の2大都市が含まれているのだからね…。

まぁ、米国でも他の地域での映画館の営業が再開されても、NY、LAの2大都市では長らく休業していたので、それにならって、日本でも東京や大阪抜きでも興行ができるだろうっていう発想になったのかもしれないが。

そりゃ、2大都市がなければ数字は大幅に減るが、ゼロになるよりはマシでしょってことなんだろうね。実際、東京、大阪で上映できなくても予定通り、GW中に公開する作品も結構あるしね。

ただ、何か今回の緊急事態宣言で公開延期になった作品って、1週間とか2週間の延期が多いけれど、それだと上映作品の渋滞を起こして1作品あたりの上映回数が減るだけだよね。それに、本気で緊急事態が11日で解除できる状況だと思っているとしたら日本の映画界は呑気すぎるよねって思うかな。

GWというのは厳密には天皇誕生日だった4月29日(現在は昭和の日)からこどもの日の5月5日までのちょうど1週間のことだと思うが、前後に土日がついたり、あるいは前後の土日が中1日とか2日だったりすると、それも含めてGWとするのが一般的となっている。

自分はカレンダーに関係なくシフトで入る職場か、カレンダー上の土日祝日しか休めない職場でしか働いたことがないので、GW中の4月30日、5月1日、2日は土日にならなければ休めない=7日以上連続で休めたことなどないのだが、世間的には今年のGWは4月29日から日曜日にあたる5月9日までの11日間となっているようだ。

そして、この間に見ようと思っていた映画は次々と公開延期が発表されたり、4都府県以外では予定通り公開したりという形にされたりしてしまった。
映画でも音楽でもスポーツでも何でもそうだが、ファンというのは自分が見たいもの、買いたいものが提供されていれば、金と時間さえあれば、どこへでも行く連中だ。
東京の映画館が休業していても、埼玉・千葉・神奈川で営業していれば、行ってしまうと思うんだよね。
しかも、東京の都心部から下町地域の住民は交通の便が良いから、自宅から隣接する3県いずれの映画館にもすぐに行けてしまうんだよね。

自分の住んでいる墨田区北部からであれば、埼玉でも千葉でも神奈川でも電車に乗っている時間が1時間以内で映画館のある都市へ行くことができる。そりゃ、行ってしまうよね。

小池が「東京に来るな」なんて言うから隣接3県の知事はカチンと来ただろうけれど、本来なら小池が3県の知事に頭を下げて、「3県ほど感染状況は深刻ではないかもしれませんが、仕事や学校、娯楽などの生活圏が1都3県は一体化しています。なので、飲食店や娯楽施設の休業を一緒にやってください」って言うべきなんだよね。

自分の仕事関係でいえば、前の職場も今の職場も5〜6人のチーム制を敷いているんだけれど、前の職場では5人中、都民は自分1人だけだったし、今の職場ではかろうじて都民は6人中、3人となっているけれど、23区民と限定すると自分1人だけ。東京の職場なんて、そんなものなんですよ。

だから、関西の3府県が揃って緊急事態宣言に入ったように、首都圏の4都県も本来はセットでなくては意味がない。でも、小池がスタンドプレーで自分だけ目立とうとするから、こういう時に協力を要請できなくなるんだよね。

ところで、所在地は千葉だからということで、東京都が映画館や娯楽施設などの休業を要請していることは関係ないとして、東京ディズニーランドおよびシーは営業を続けているけれど、だったら、東京を名乗るのやめてくれないかなって思う。3県の知事や住民が小池の「東京に来るな」発言にカチンとくるように、都民も東京ディズニーランドのやり方には腹が立つかな。

広義のエンタメ産業に含まれる中では、映画、演劇、スポーツ、遊園地といった業界に都の要請に非協力的なところが目立つ気がする。
寄席が一時期、社会生活維持に必要だと主張して公演を続けていたのも(結局、批判を受け中止するなら最初から中止しろよって思うが)、都内では一部ミニシアターが営業を続けているのも、都民の越境鑑賞が予想されるのに、近接3県での新作上映を強行する配給会社が目立つのも、そういう非協力的な姿勢のあらわれだと思う。
まぁ、金曜日の夜に緊急事態宣言を正式に発表して、日曜日の午前0時から対応しろよってのはふざけた話だけれどね。

そんな中、一番、協力的なのが地下アイドルを除いた音楽産業だと思う。

GW期間中に開催予定だったもので、自分がチケットを取っていた公演は延期されてしまった。

こちらは、一旦全員に払い戻しをするということになった。まぁ、チケット会社からチケットを配送してもらった際の配送料とか、コンビニなどでチケットを発券した際の発券手数料とかが返金されないのは諦めの部分もあるが、電子チケットによる発券で取られた手数料まで返金されないのは納得いかないよなって気もするが。
電子チケットの場合って、支払いもキャッシュレスのことが多い。つまり、印刷や配送などで人の手を煩わせていないのに手数料を取られるってのはなんだかなって気がするな。結局、クレジットカード会社に払う手数料などが高いから日本ではキャッシュレスが進まないんだろうね。

そして、五輪開催のために緊急事態宣言を終わらせるとされている5月11日の翌日以降の開催日のものでも公演が延期された。おそらく、フルキャパでチケットを売っていたが、定員の半分以下もしくは最大5千人という方針が継続されることになったので、仕切り直しになったのだと推定される。

ただ、延期するのはいいんだけれど、週末開催予定のものを平日に変更するのはやめてほしいよね。逆ならまだしもね。まぁ、払い戻し対応が予定されているらしいので申し訳ないが、キャンセルさせてもらうよ。

それから、有観客で開催予定だった乃木坂46の3期生・4期生のライブは一旦、チケット当落の発表が延期された後に、無観客配信ライブに変更されてしまった。いつになったら、4期生のライブを生で見ることができるのだろうか…。
「I see…」を生で聞きたいんだけれどね。一緒に「WOW WOW WOW」と声を出すことはできなくても、現場で聞けば盛り上がることは間違いないしね。

ところで、最近、Charaや緒方恵美などが「無観客配信は金にならない。1人1枚ずつ配信チケットを買え」みたいなことを言っていたが、それはアーティスト側がしょぼいものを見せているから売れないのではと言いたくなるな。
ライブDVDとか、WOWOWなどで放送されるライブ映像を見ても、しょぼいと思ったことはないけれど、配信ライブの映像ってしょぼいよね。それは、コロナ前から行っていたAKBグループなどの公演の同時配信にも言えることだけれど、要は撮影に金をかけていないんだよね。あくまでも参考資料として動画で鑑賞しますっていうレベル。

劇場ロビーとかに設置してあるモニターで場内の様子が映し出されていることがあるけれど、あのレベルのものもあるし、良くても、ライブ中にステージ上にあるモニターに映し出されている映像レベルだったりする。
ライブDVDやWOWOWのライブ中継レベルの映像クオリティなら、金を払ってもいいと思うけれど、あの程度じゃねってのが本音かな。まぁ、カメラに金を回すほどの余裕がないんだろうけれどさ。

ということで、強引に話をまとめてしまうが、日本のエンタメ界(アート、スポーツ含む)って、コロナ禍になってからのこの1年数ヵ月、何をやっていたんだろうねって思う。
いつまで経ってもコロナ前と同じことをやろうとしているしね。それで、休業要請はおかしいとか支援が足りないとか言っているのは自業自得としか思えないな。
米国のエンタメ界なんかは、たとえ、一部勢力からは反発されても、自分たちが生き残るために新たな商機を見出しているのにね。
ディズニーのディズニープラスとか、ワーナーのHBO Maxの戦略は、映画館からすれば「ふざけるな」って話かもしれないけれど、映画会社や俳優からすれば、自分たちがコロナ禍で生き残るための至極真っ当な策だと思うしね。

日本のエンタメ業界って、自転車操業で金も時間も精神的余裕もないから、新たなことを考えられないんだろうね。だから、一度決めた路線からなかなか脱却できない。

このご時世なのに、五輪開催の判断どころか、聖火リレーの中止もしくは中断すら決断できないことなんて、その最たるものだよね。

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