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「ゴーストブック おばけずかん」やっぱり、山崎貴作品はクソ映画だな…

シネフィルとか映画マニアを自負する者、もしくは他者からそう見られている人で山崎貴作品を絶賛する人はいないと思う。

でも、何故か、山崎作品は世間的には人気があるというかヒット作が多い。

ここ5年間の山崎作品を列記してみよう。

「DESTINY 鎌倉ものがたり」(2017年12月)興収32.1億円
「アルキメデスの大戦 」(2019年7月)興収19.3億円
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」(2019年8月)興収14.2億円
「ルパン三世 THE FIRST」(2019年12月)興収11.6億円
「STAND BY ME ドラえもん 2」(2020年11月)興収27.8億円
「GHOSTBOOK おばけずかん」(2022年7月)

本作は観客動員数ランキング初登場5位と苦戦を強いられているが、それ以外の作品は全て興収10億円以上のヒット作品になっている(出所:日本映画製作者連盟)。

2019年なんて、3本も新作を発表しているし、フィルモグラフィーには実写やアニメもあり、どちらでもヒットさせているのだから売れっ子監督であることは間違いないと思う。

洋画・邦画問わず、実写とアニメの両方を手掛けている監督はいるが、どちらの分野でも成功している監督はそんなにはいない。

押井守や庵野秀明の実写作品は世間一般的にはほとんど知られていない。
米国ではウェス・アンダーソンがアニメ作品でも高く評価されているが、彼の作品は基本アート系(ミニシアター系)だ。

メジャー級だと、両方で成功していると言える監督でパッと思いつくのはティム・バートンくらいだ。まぁ、元々、ディズニーのアニメーター出身だけれどね。

実写作品の監督として人気を得るようになってからも、監督としてアカデミー長編アニメーション賞にノミネートされた「コープスプライド」など、プロデューサーとして、毎年ハロウィーンからクリスマスの時期にかけて再評価されている「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」などを手掛けているので、彼は両分野での成功者と言っていいと思う。

山崎貴に話を戻そう。ここ5年間の作品は全て東宝配給作品だ。東宝の強力な興行網、パブリシティによって、シネフィルや映画マニアではないライトな観客層が騙されて見てしまった結果と言えなくはないので、彼に関しては、実写作品の監督としても、アニメ映画の監督としても評価されているとは言えないのではないかと思う。

山崎作品が酷評される最大の理由はポリシーのなさだ。

同じ戦争映画でも、ネトウヨ作家・百田尚樹原作の「永遠の0」や「海賊とよばれた男」のような作品もあれば、「アルキメデスの大戦」のような反戦的メッセージの強い作品もある。
要は金を使えて、CGやVFXを駆使してできれば、作品のテーマや思想はどうでもいいんだよね。実写だろうと、アニメだろうと構わず手掛けるのもそういう発想なんだと思う。

そして、そのポリシーのなさは山崎作品のタイトルにも現れている。

上記作品は全て“原作あり”の作品だが、このうち、“メインタイトル+サブタイトル”という構成のタイトルになっていないのは「アルキメデスの大戦」だけだ。

しかも、意味不明なタイトルばかり。
「ルパン三世 THE FIRST」は三世なのか、THE FIRSTなのかハッキリしろよって感じだし、「STAND BY ME ドラえもん 2」だって、本来は「ドラえもん」シリーズの作品なんだから、「ドラえもん STAND BY ME 2」とすべきなんだよね(つまり、1作目の時点でおかしなタイトルだった)。それに、本作は「GHOSTBOOK おばけずかん」だ。同じ意味の言葉を繰り返してんじゃねぇよって感じだ。

こういうタイトルの付け方からして、山崎作品が原作に敬意を表していないことは明らかだ。だから、ストーリーや設定の改変も平気でしてしまう。

その結果、「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」のように、原作ゲームのファンに酷評されたり(個人的にはあのオチは嫌いではないが、原作ゲームのファンが自分を否定されたと思い、怒る気持ちも分からないでもない)、「STAND BY ME ドラえもん 2」のように、辻褄の合わないストーリー展開になったりするんだよね。

そんなわけで、何も期待せずに、山崎貴最新作を鑑賞することにした。

本作の鑑賞動機の一つは、山崎作品が相変わらずクソかどうかを確認することだが、もう一つは、本作がガッキーにとって4年ぶりの出演映画であり、星野源と結婚後初の出演映画でもあるということだ。

そもそも、新垣結衣は長澤まさみや綾瀬はるか、北川景子、宮﨑あおいといった同世代の女優と比べると出演映画の本数が少ない(宮﨑あおいは岡田准一と再婚後は映画に出ていないし、テレビドラマも単発もの2本に出ただけだが、それまでは出演作品は多かった)。

おそらく、ガッキーはそんなに映画出演に対するこだわりとかないんだろうね。というか、そもそも、ガッキー出演映画って、ほとんどがツッコミどころ満載のクソ映画だから、きちんと映評するようなものでもないしね。

クソ映画ソムリエとしては、山崎貴とガッキーが組んでいる時点で気になって仕方ないしね。というか、このコンビによる「BALLAD 名もなき恋のうた」もなかなかのクソ映画だったしね。

さらに、クソ映画度数を増大させている要因と言えるのが、主題歌をガッキーと結婚した星野源が担当していることだと思う。
基本、夫婦とか恋人が公私混同状態で関わっている映画ってクソ映画かツッコミどころ満載映画になることが多いしね。
デミ・ムーアとブルース・ウィリスの夫婦時代の共演作「愛を殺さないで」なんて、クソ映画中のクソ映画だったしね。

そして思った。ガッキーも星野源もアイドルだったんだなと。

自分は一応、ガッキーの結婚後初映画ということで、ご祝儀的な意味合いで見ることにした。
これまでのガッキー出演実写映画は全て見ているけれど、もう人妻だし、そもそも、ガッキーは女優としてよりもアイドルとして好きだった要素も強いので、今後の出演作品は内容とか監督によって、見たり見なかったりするということになると思う。そうした決別宣言的な意味も込めての鑑賞にした。

おそらく、ガッキーを女優ではなく、アイドルと見ていた人は多いのではないだろうか。結婚発表時に、“ガッキーショック”でビットコイン相場が荒れたなんてのは、その最たる証拠だと思う。

そして、一般人がアイドル視していたというのは、アーティスト、ミュージシャンであるはずの星野源にも言えることだった。
Billboard JAPANのチャートを見ていると、ここ最近の星野源の楽曲はストリーミングのポイントの伸びが良くないようだ。
勿論、「恋」とか「アイデア」のような一般受けする楽曲ではなく、洋楽寄りのサウンドになっているので、洋楽を聞かない邦楽リスナーにとっては、つまらない楽曲に聞こえたというのもあるとは思う。というか、洋楽好きの自分でも中途半端だと思ったくらいだった。

でも、久々に一般受けするタイプの楽曲「喜劇」ですら、Billboard JAPANのHot 100でかろうじて、トップ10入りするくらいだったから、星野源人気が落ちているのは間違いないと思う。
個人的には、この「喜劇」は、「アイデア」以来、久々に良いと思った星野源ソングなんだけれどね。
「喜劇」同様、テレビアニメ「SPY×FAMILY」タイアップ曲であるOfficial髭男dismの「ミックスナッツ」がBillboard JAPANで首位を獲得していることを考えると、やっぱり、結婚による客離れは起きているんだと思う。

結婚発表直後、風俗店を利用した際に延々と“星野源が結婚してショック”という話を嬢から聞かされ、少なくともプレイ中くらいは客のことを好きなフリしろよって腹立ったことがあったけれど、それくらい、ガチ恋ファンが多かったんだろうね。

それにしても、ご都合主義だらけの映画だったな…。

「おばけずかん」と銘打ちながら、“おばけ”7体を退治しただけで、ミッション完了ってなるのは少なすぎるでしょ。

もっとも、おばけを退治して自分の子分にするというプロセスを7回も繰り返すのは映画としては非常に退屈な構成だけれどね。

というか、こういう内容は実写でもアニメでもいいが、テレビ向きでは?
まぁ、テレビでやれば、単なる「妖怪ウォッチ」になってしまうけれどね。
あと、子ども4人とガッキー演じる教師の合わせて5人がお揃いのTシャツを着て、ラスボス退治するところって、完全に「ゴーストバスターズ」のパクリでしょ?

服装と言えば、異次元世界に巻き込まれたはずの子どもたちの中に寝巻きを着ていたのがいたのは何故?この子どもは近所の年寄りと仲良しで、ガッキー先生の祖母とも仲が良いから、ガッキー家にお泊まり用の寝巻きが置いてあったとでも言いたいのか?
まぁ、この年寄りと仲の良い子どもがおばあちゃんっ子だから、時代劇の言い回しが自然と言えるというのは納得。自分もそうだったからね。
でも、大河ドラマ以外の時代劇が地上波ではほとんど放送されていない現代では、その設定は無理があると思う。
というか、この子が黒人とのハーフなのは何故?両親は出てこないし、祖母も台詞で出てきただけだから、どういう家族構成なのか分からないしね…。東京みたいな大都市なら、ハーフとか外国籍の子どもは珍しくないけれど、本作の舞台は田舎だからね…。

そう言えば、作中でガッキー先生は平成世代みたいなことを言っていたが、ガッキーは昭和生まれだろ!まぁ、演じた役が平成生まれってことなんだけれど、ツッコミたくなるよね。

そして、本作も山崎貴作品ならではの違和感だらけの編集がされていた。

「STAND BY ME ドラえもん 2」でワケの分からない場面を入れて、後でそれが伏線だったと明かしていたが、その構成について、多くの映画ファン、アニメファンが批判したことは記憶に新しいと思う。
本作でもそれと同じことをやっている。子どもたちが“おばけずかん”を手に入れるために古書店に入ろうとした時に、突然、顔が汚れている子どもたちの姿が映し出されるのは意味不明だった。編集ミスとか上映ミスだと思われても仕方がない。
でも、これは終盤に時間を遡ってきた子どもたちの姿だということが明らかにされる。
結局、「STAND BY ME ドラえもん 2」で酷評された伏線になっていない伏線のはり方をまたやっているんだよね。本当、山崎貴ってクソ映画濫造監督だね。呆れてしまう…。

ところで、本作のガッキーって主演ではなく、一番最後に名前が出てくる、いわゆる、“and 誰々”系の大物扱いだったのか…。

まぁ、子役とちゃちなCGのおばけキャラ、ほんのちょっとしか出てこないその他の登場人物を除くと、唯一、きちんと出番のある大人キャラを演じているのがガッキーだからね。神木隆之介をそういう扱いにしてもいいんだろうが、出番は少ないから、そうすると、こうなるよね…。

それにしても、子ども4人組で唯一の女子メンバーを演じていた子役の吉村文香、めちゃくちゃ可愛いな。というか、14歳だから、子役でもないか。演じたキャラが小学生ってだけか。14歳で小学生役ってすごいな。何かロリコンになった気分だったけれど、14歳なら、そこまで心配する必要ないか。まぁ、中学生が気になるのも十分ロリコンだけれどね。

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