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【勝手に解剖学】盆踊りの要は、首の動きと、ねじれ空間!?



こんにちは!

高尾可奈子です!


皆さん、盆踊りを踊っていますか??



きっと、夏がまだまだでも、色んな場所で楽しんでおられることでしょう!



さて、今回は盆踊りをワンシーズン経験して見えてきた、盆踊りの踊りの特徴を考えていこうと思います!


どうやら、西洋的ダンスと似ていたり、はたまた正反対だったりする要素がある模様、、



独自の考察、ある意味で想像的なお話です!



では、早速、、





盆踊り、想像以上に渋カッコいい。



盆踊りの一般的なイメージは、正直なところ、、


少し古臭くて、近所のおばあちゃんが踊っていて
ちょっとダサくて、いざ輪に入って踊るのはちょっと恥ずかしい、、


こんなところではないでしょうか。



私も去年から盆踊りにハマった話を周囲の人に
しているのですが、

へー、意外!!

と、かなりの確率で言われてしまいます。


盆踊りの世界では、なかなか娯楽が溢れる時代に若い層が入ってくることが珍しいようで、年齢層も上がってきているのは確かなよう。


盆踊りに対する世間のイメージは偏りが大きそうです。


しかし、踊りを極めた玄人は、その佇まいだけで鳥肌が立ちます。
踊る姿は、力が抜けていて無駄な動きがなく、かつ強い軸が全身に貫かれており、色もあり美しい。


こんなふうに踊れたらと、見惚れてしまう名人らの踊りを、もっとみんなに見てほしい!といつも思います。




盆踊りのカッコ良さは首に出る!?


振付はとてもシンプルで普遍的で、誰でもすぐに踊ることができるのが、盆踊り。


ですが、同じ振付を踊っているのに、、
名人たちの動きは全然違うように見えるのです、、


彼らは一体何が違うのか、、

よく観察していくと、どうやら

「首」の使い方が違う!!!!


首を柔らかく滑らかに

くねくね〜
ギュ〜くいっ
さらりっ

こんな感じで動かしているんです!



その動かし方の様々なパターンによって、男らしさ女らしさや滑稽さや幼さなど、多様な表現力が生まれています。


日本舞踊の型でも、首の動きの項目では、演じるキャラクターの性別や年齢や人間か否かによって、動かし方が違うようですし、動きの近い盆踊りでも通ずるものがあるのかも、、


身体が力んでいると、首は動かない!


これは私がバレエの基礎訓練を受けているときに、先生が何度も言っていた言葉でした。


身体に力が入っている、すなわち肩や肩甲骨が脱力できずに力んでいると、首は固まってしまうのです。


試しに、肩にギュッと力を入れた状態で、顔を左右に倒してみて下さい。

どうでしょう?

いつもより、動かすのにパワーがいるし、つっかえるような感覚があり動きの幅も狭くなっていませんか?



これは、解剖学的理論に基づいており、他のダンスや舞踊、スポーツでも共通する体の仕組みなのです。



では、何故身体に力が入ってしまうのでしょうか?



答えは、、

・姿勢が崩れている
・身体を支える筋肉、体幹が弱い
・手の使い方、動かし方が上手くできない
・上手く踊ろうと「頑張りすぎる」


などなど、、、その要因は踊り手によっても様々で、複合的に絡まり合っているんです。




明日すぐに体の力を抜くことは難しいですが、少しずつ少しずつ習慣を変えたり、理論に基づいた身体の動かし方のイメージを知りながら実践を続けて定着させる、、


時間はかかりますが、毎回会場で踊るときに、「今の自分の身体はどれくらい力がはいっているかな?体幹やインナーマッスル以外に無駄な力が入っている部分はあるかな?」
というように、意識的にチェックをしてみてください!



首が柔らかく動くから、盆踊りが上手いというよりはむしろ、身体の力が程よく抜けているから身体全体の動きが豊かになり、結果として頭や首が自由になっているのかも、、



他にない空間の使い方!



空間についての捉え方は、民族性がよく現れるのではと思っています。


例えば、日本は稲作が伝えられてから、島国の四季豊かな自然環境に適応した農耕民族という歴史があるため、現在継承されている祭り行事、民俗芸能は、稲作の動作を元にした身体の動きが比較的多いのです。

それは、腰を落とした状態で、上下運動がほとんどなく一歩一歩強く踏みしめて進む。


正反対のものが、中国やヨーロッパなど大陸にみられる騎馬民族。

その動作は、三拍子であったり、飛び跳ねる跳躍を基本としたものが多いのです。



人間は、その土地の環境特性に従った長い歴史のそれぞれの生活の中から、芸能や舞踊を生み出してきましたから、その視点で身体観の違い、表現の違いを見てみるのは面白いですね!



盆踊りでも、振り付けをよく見てみると、、

飛び跳ねる振りがとても少ない!
足先を高く上げることがない!
腰を落とす仕草があっても、足はピーンと伸ばすことが少ない!


などなど、はっきりとした踊り方のスタイルを見つけられます。



そして、洋クラシックメインで踊ってきた私が注目するポイントは、、


身体を通して空間をねじって、ひねっている!!!!!



踊り名人の動きほど、その周りの空間は歪められて、そこからエネルギーを生み出しているかのよう、、


それは、身体各パーツの動かすあるいは動かさないといった組み合わせからくるのかと思います。


・身体の中心の縦の軸はあまり傾けず
・身体の方向、向きを頻繁に変える
・肩は下げた状態で、前後しない
・腰も傾きや動きは最小限で、一定に低め
・胸あたりを色んな方向へ向ける
・足は内向きか真っ直ぐで進むか下がるか、斜めに出すかその場で回転するかなど
・顔は進行方向や手の向きをみる


あくまで主観と一例に過ぎませんが、このような形で分解することができまして、、


身体の胴体、軸は非常に安定しているのに、高度に絶妙に動く部分と動かさない部分が組み合わさることで、身体は静的な振動のようにうごめいた空間を生み出しています!


その範囲は、丹田部分が最も広く、頭を少し超えるものの高くはなく、流れるような深い広がりある印象です。

西欧のダンス、日本の伝統芸と対照的なバレエを見ると、とにかく高く高く身体の線は細く細くを志向しますから、正反対なのです!



手の動きはなんなのだ?


そして、盆踊りで一般的に一番目立つのが、手の特徴的な動きですよね。


これも、無駄を削ぎ落としたシンプルで美しい普遍的動きが多いので、楽しく踊っているとあまり気づかないところかと思いますが、、



手が全然後ろや上にまっすぐにいかない!!!!


のです!


下に下ろしたときも、自然な姿勢も、
手を後ろに出す動作はほとんどなく
さらには、横に出す動作でも腰よりひとつ分前で留めるのが綺麗な動きとされていたり、、


手をピーンと上に伸ばす動作、伸びのような動作もほとんど見かけません。
手で大きく小さく輪を作る動作ならありますが、顔より上に上げる場合は、肘が曲がっていることがほとんどです。



幼稚園や小学校から、ラジオ体操をする機会もありますし、創作ダンスをみんなが踊る時代、ポップなダンスが世に溢れる時代において、、

一貫して、1000年の歴史を時に守り時に革新しながら独自のスタイルをもつ盆踊りの身体観的な凄さ、、



まだまだ、盆踊りは解剖できる部分がたくさん。
お宝がいっぱい眠っています。


是非皆様の発見も教えてくださいね!



以上、高尾可奈子でした!



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