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2020年4月の読書振り返り

電車で本を読むという習慣を身につけたことによって成り立ってた僕の読書生活。電車に乗ることが一切無くなってしまった4月、読書の量が激減してしまった。今後しばらくはこの生活が続くだろうし、その後もリモートワークを織り交ぜたスタイルが定着すると予測される中、僕の読書スタイルも時代に合ったものへと適合していかなくてはならない。今はその過渡期。


採用100年史から読む 人材業界の未来シナリオ

人材業界は変革の時期にきてるよ、従来の求人メディア全盛の時代は終わり、リファラル、SNS、indeedのような新たな手段が勃興している。というような内容。その中で人材採用の歴史や、様々なデータなどがあって興味深いものではあった。

しかし、このコロナの影響でこれまでの常識が覆ってしまう可能性が出てきた。オフィスのあり方、働き方などなど。そういった社会変革もそうだが、そもそも100年に一度規模の不景気がそこまでやってきている。その中で人材業界はどうやって生き延びていくのか、岐路に立っている。

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ちょっと見辛いが、本書にあったグラフ。企業はオンライン説明会や面接に対してもともと前向きだった。「やりたいねー」という気持ちはあったが、実際に行動したかはわからない。でもこのご時世で「やらざるを得ない」状況になったことは、結果的に良かったのかもしれない。

大手は新卒採用をストップしたりしてるようだし、ベンチャーも採用を絞り始めている。この数年「この世の春」を謳歌していた人材企業はこの難局をどう乗り切るか。採用意欲のあるベンチャーも依然として多い。リモートワークの中でどのように採用したらいいのか困惑してる会社も多い。チャンスが無いわけではない。

WILD RIDE(ワイルドライド)―ウーバーを作りあげた狂犬カラニックの成功と失敗の物語

実はカラニックについてあまり詳しくなかったのだ。UBERに対してそんなに興味を持てなかったので、必然的にカラニックに対しても興味が湧かなかった。とは言え、時代の寵児であり、CEOの座を追われ、現在は役員も降りて株も全て売却している。エキセントリックなCEOが多いスタートアップ業界の中でも突出して「ヤバイ」奴なわけで、ここらでちょっと知識を得てもいいかなと本書を購入した。

何だろう、たぶん思慮深い発言ができる人だったらだいぶ状況は違ってたのかなと思う。エキセントリックでパワフルな行動は起業家あるあるだ。思想面で問題があり、それを口にしてしまうというのが一番の問題。たぶんこれは治らないんだろうな。

UBERの拡大路線は正しい面もある。しかしあまりにおざなりにしている部分もある。常識を壊すのがスタートアップだが、ユーザーのために必要な「常識的な」対応ももう少しあってもいいのかもなと読んでて感じた(特に「追録」で書かれている畳み掛けるような問題の数々...)。

しかし現在、UBERは上場もし、多くの人々にとって「なくてはならないもの」となっている。本書の終わりが近づいた333ページに著者の友人のエピソードが掲載されていた。かいつまんで紹介する。

サンフランシスコ国際空港に夜遅くに着いた。家に帰るためにUBERで依頼をかけた。何度か乗車拒否をされたがようやく一人のドライバーがリクエストを受け付けてくれた。彼は猛スピードで車列を抜い、追い越しばかりした。怖くなって、途中で降ろしてもらった。ドライバーについてUBERに苦情のメールを送った。さて友人は真夜中によくわからない場所に降り立った。しかも自宅までまだ数十マイルある。一刻も早く家に帰りたい友人はどうしたか?再びUBERに配車リクエストを出したのだ。「僕はUBERに心底腹を立てていたが、同時にUBERに完全に頼りきってる状態でもあった。

カラニック自身は問題がある人物だとしても、人々の生活にここまで入り込んでいるサービスを生み出したのは素直に尊敬に値する。

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