岡山の路面電車
岡山は近畿地方から見ると隣町、いや隣の都市圏といったほうがいいかもしれません。大阪から50分ほどで岡山で来ることができます。岡山というと関西人からすると桃・後楽園・瀬戸大橋といったところが有名かなと考えがちです。
かつては地味な存在の岡電
なにしろ、今でもそうですが路線長が短いです。また、2路線しかありません。岡山駅前から清輝橋系統と東山系統の2つです。そして、繁華街や観光地のすぐ近くを通りますが、目の前というほどでもないです。後楽園も岡山城も近いですが入り口から、最も近い停留所まで少し距離があります。(岡山城は現在、令和の復元工事中)また、繁華街も天満屋を中心とした付近になりますがバスターミナルはあっても路面電車の停留所から少し距離があります。
どちらかというと、地域の足・地元沿線の住民が主に乗るような路線といえるのではないかと思います。
両備グループのデザイン
和歌山のかつて赤字で苦しんでいた旧南海貴志川線を引き受けた際に、「いちご電車」や「たま電車」といったデザインの電車が導入されました。
元々、両備グループは岡山の会社で岡山電気軌道も営業していました。また、両備バスも岡山を中心に路線網を広げていました。そこに、岡山出身の工業デザイナー・水戸岡鋭治氏のデザインを取り入れることになったのです。
両備グループの空港アクセスバス(岡電バス)であったり、岡山と小豆島を結ぶ船にも本氏のデザインが取り入れられています。
岡山電気軌道では
路面電車には、momoという超低床型の電車が導入されました。これが、水戸岡デザインの電車ですね。そして、「くろ」も導入されています。そして、究極の形が、この「チャンギンドン」デザインの電車です。路面電車ににもかかわらず、一般用には入らない団体専用ともいえる究極の電車です。それで、驚きなのがこの電車は、新車で超低床電車であるという事です。
「チャンギンドン」自体は日曜日の早朝に地上波で放映されているアニメ番組です。幼児向けでこの電車の車内では(上演と称して)小さな子供が楽しむエンターメントの要素が強い電車です。
さらに、終点東山駅には車庫があり隣接して小さな岡電ミュージアムがあります。ここでは、水戸岡鋭治氏の作品などが展示されているようです。
「チャンギンドン」は大人で3500円です。これには、1日乗車券400円とミュージアム1000円込みです。実質、「チャンギンドン」の公演は2000円という事ですね。
エンターテインメント鉄道
かつては、地味な存在の路面電車が「チャンギンドン」の舞台になったという印象でしょうか?このような活用のされ方は、今までなかったことではっきり言ってどこの鉄道でもできるといえます。居酒屋やレストランのような電車も時折見かけますが、それもこの類に近いのでしょう。このように客単価を高く設定しローカル鉄道の赤字補填につなげる策も今後まだ増えるかもしれんせん。
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