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そこに封じ込められた時代感。

パナソニック汐留美術館 開館二〇周年記念展
「ジョルジュ・ルオー かたち・色・ハーモニー」

汐留にジョルジュ・ルオーを見に行った。
パナソニック汐留美術館は、開館以来、ルオーの作品を継続的に収集し、
二〇二三年三月時点で二六〇点を所蔵しているそうだ。
今回は、フランスや国内の美術館などから、国内初公開作品含む
初期から晩年までの代表作約七〇点が展示される。

〝かたち・色・ハーモニー〟とは、ルオー自身の言葉。
理想の装飾芸術を目指すうえでのルオー自身が掲げたモットーだという。

もののかたちを平面的にとらえながら、実際に見えた色彩や解剖学的なデッサンとは少し違う、画家の内面でとらえた色彩や形態、構図で表現した絵画です。そしてルオーは、かたちと色を組み合わせ、調和させることも目指しました。

美術展ナビ掲載 学芸員・古賀暁子さんインタビューより

ルオーの思想が彼の絵画の中でどのように実現されているのか。
それはなにか特別なものを生み出しているのかといったことを
感覚的に掴むのは難しい。
それよりもキリストやサーカス、あるいは大戦によって生み出された
モチーフたちに方に気持ちはぐっと引っ張られる。
そして最初にステンドグラスを学んだ影響としての、
存在感たっぷりの黒の輪郭線に注意が行く。
そして厚塗りの鮮やかな色たち。

なんだか時代の重厚感のようなものを感じてしまう。
ルオーはモラリストだったそうだ。


大木のある風景 木や人物(キリストと母子)、印象的な塔、月が描かれている
大木のある風景(1946)ポンピドゥー・センター、パリ/国立近代美術館


展覧会ポスター 2023年6月25日まで
展覧会ポスター

パナソニック汐留美術館 開館二〇周年記念展
「ジョルジュ・ルオー かたち・色・ハーモニー」

2023年4月8日〜6月25日
パナソニック汐留美術館


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