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読書感想文:魔獣狩り/夢枕獏

そういえば、友人に対抗して(何故?)、祥伝社ノンノベルの夢枕獏先生のサイコダイバー・シリーズ「魔獣狩り」三冊をアップしようと思っていたのを忘れていた。

新とかにも続くのだが、とにかくこの最初の三冊は掛け値なしに面白い。

のちに「陰陽師」で有名になる夢枕獏氏であるけれど、最初に有名になったのは朝日ソノラマ文庫から出ていた「キマイラ吼」シリーズであったと思う。

これはちょうど私の中学時代と軌を一にして刊行されたように記憶しているから、同じソノラマから出ていた菊地秀行氏(トレジャーハンターシリーズ、吸血鬼ハンターDシリーズ等)の存在も相まって、中々贅沢な時代であったような印象もある(それぞれ自分の時代をそう思うのだろうから、そう思えることは幸福だ)。

暴力と凄惨さ以上に、冒険というには違和感のある伝奇小説で、この両氏の作品については、成人向けとして祥伝社から出ていた他の本も追いかけて行った。

そして、夢枕獏氏の、その祥伝社で出世作となったのが、この「魔獣狩り」、サイコダイバーシリーズだった。

この最初の一冊目が、淫楽編と名付けられたことから、その印税で建てた自宅が「淫楽御殿」と呼ばれたというのも、Wikipediaに載っているレベルの笑い話だ。

とにかく、この三冊は面白くはあるのだが、元が成人向けなために「何ページに一回濡れ場を入れてくれ」と言われたという話の通り、エロと、それと暴力に満ちている。

それが大丈夫かどうかは人によると思うので、その辺の基準は、内容に触れたレビューを探すかして判断した方がいい。普段そういうものを読みつけない人にはあまり勧めない。

これには文庫版もある。但し手に入るのは古本かも知れん。

(2020年10月 ↓ 旧版の表紙である。この辺のセンスが時代だと思う。表紙と内容がリンクしているかどうかは微妙である)

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