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読書感想文:古代の朱/松田壽男
古代の朱
松田 壽男 著
収録されているのは
古代の朱(1975年)
即身仏の秘密(1965年)
学問と私(昭和47年ということは、1972年)
の3篇。
面白かった。
今でこそ「丹生」という地名が水銀産地と結び付けられることは広く知られているが、忘れ去られた歴史が掘り起こされるまでを記録し、且つ纏めた本書は面白い。
ちくま学芸文庫から再版されたことをよきかなと思いながら、明治生まれの、ささくれ立つような気骨と矜持をも、共に味わった。
時代と共に常識は変わり、感性も変わる。
著者は学会の孤児であると言い、文の端々に事情を知らなければ誇大とさえ思える自己主張が顔を出す。
だが実際、それだけの信念や主張がなければ埋もれたろう研究があるのも事実だ。
水銀が体内に蓄積されることによる即身仏の秘密、アマルガム法、大仏、一本たたら。
日本最古の公害。
今読む価値も十分にあると思った。
掘り起こしたものを、我々はまた忘れる。
(↑2008年5月に書いた。そして書いたことを忘れて、また、書いた通りに以下は2020年にまた書いた↓。よほど好きだと見える。いやすまん気に入ってる)
とりあえず好き本シリーズ。
「古代の朱」著者 松田壽男 ちくま学芸文庫。これは超面白かった。
朱、つまり丹、水銀と金属。
この画像で分かる通り、著者の方めっちゃフィールドワークしてて、足で集めたその成果が文書として出力されてるとこ好きだ。
みんな手書きメモ好きだろ?私は好きだ。
(2020/10)
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