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徒然:Hawaiiの表札を家の前に掛けてる奴がいた。

これは別に大層な話じゃなくて、コロナ禍になる前から、時折近所を散歩していて見かける家のことだ。

唐突に書こうと思ったのは、その家の前を久しぶりに通ったからである。

特に壮大なテーマはないが、強いて言うなら違和感だろう。

その家には、アメリカの準州ハワイの表札がかかっており、そこだけがリゾート地のコテージのような様相を呈している。

一軒だけ独立して観れば、小洒落ていると言っていい。

問題は立地だ。

その家が建っている場所は、日本の地方都市の住宅街の、大通りから2本入った閑静な住宅街の狭い路地である。

なんでここに建てた。

ガレージの作りも、全盛期のアメリカ映画で見たような作りで、上にエンブレムが打ち付けてあって、日本では中々見ない車種のアメ車が停まっている。

敷地が広いわけでもなく、おそらく60坪は無いだろう。

昭和日本家屋と平成の箱型の住宅に囲まれたその家は、外観だけで異彩を放っている。

違和感。

その家は、私が通常通る道では無いのだが、たまに、ある用事があって別のところへ向かう時だけ通り掛かるのだ。

今日もその家は異彩を放っていた。

ただ、似たような家が立ち並ぶ日本で、おそらく趣味を通したのだろうその家を見ると、楽しそうだなとは思う。

住人とは一面識もないが。

楽しそうだなと言う漠然とした思いを砕かれたくがない故に、もしそこの住人が人生に疲れたような鬱屈した雰囲気の人間だったら嫌なので、いっそずっと遭遇しないでおきたいと言う気すらする。

Hawaiiにどんな思い入れがあるのかは知らないが、自分の住む家はやはり自分の好きにしたらいいのだろう。


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