読書感想文:排除の現象学/赤坂憲雄
排除の現象学 赤坂憲雄 著
をやっと読み終わった。
非常に面白い。
民俗学と「現代」を繋げて、論じているように感じる。
ただその感想は、私がこの著者が描いたまさにその時代を生きているからだけかもしれず、評価はまさに時に左右されているのではあるが、ネットの他者のレビューを読んだほうが学術的なことは分かるかもしれない。
誰が何と言おうとも「差別」は自然発生的に根源的にあり(容認するという意味ではないのであるが)、差異と区別、優越と劣等感、欺瞞と同情、共感と排斥、それらが何に根差すか、何を現してきたのか、私自身は久々に題材として面白い本を読んだ気がした。
1995年文庫、初版は1991年の発刊。
なんというのか、20年前の本だからと言って、その時読んでこれだけの感慨を持ったかは不明でもあるし、本には出合う時期もある。
(2012/4 今振り返って思うのが、この書籍を面白いと思った理由の大きな部分が、おそらく作者の描く時代背景を己のものとして認識し、それを細部まで共有し、脳裏で具体的表象化できるというところにあるのではないか。これは当時も思ったことだが、つまり逆に言えば今の二十代、三十代にこれを勧めても完全に同じ共感は得られないということだと解する。つまり勧めるべきではない。)
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