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【詩】 相互不理解

まっすぐに


分かり合えるだけが
世の素晴らしさではない
真っ向から立ち向かう刃の
その煌めきを何故厭う

いたわり合うやさしさも
なにひとつ譲らぬ激情も
ともに偽らぬまぎれもない真情なら

己が己自身として
凛と立つ抜き身の刀のような
触れなば斬れんその輝きに

惹かれたのはその気概

親和もゆるくぬるい信頼感もあれば重畳
なくても構わぬ
かりそめにも
言葉を綴ろうと
文章を醸そうと
そう思う人々の
上を向いて交わるはずのところに
むしろ何の波乱を恐れる

真っ直ぐに前を向き
偽らぬ言葉を吐いた
もたらされる意見の相違に歯噛みしても
なにを譲ることがある

どちらが正しくとも
どちらが正しくなくとも
そんなことはどうでもいい

己自身が望む物を追えと

それだけを思う

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